政界では、NISAに個人向け国債を追加する動きが見られます。預金と同じく元本保証が魅力ですが、そもそもどのような商品なのでしょうか?本記事では、個人向け国債の仕組みや種類、向いている人について解説します。
「国債」とはどのような金融商品?
国債とは簡単に言うと、国が借金をするために発行する債券です。国が国債を発行する主な理由は、公共事業や社会保障などの資金調達のためです。
法人や個人は国債を買うことで国にお金を貸し、その間は利子を得ます。満期が来れば、貸した元本が全額返還されます。
国債のうち、個人が気軽に買えるのが「個人向け国債」です。個人向け国債を購入してから、利子を半年に1回、年間で2回受け取る仕組みになっています。
個人向け国債は3種類から選べる
個人向け国債は、1万円からと少額で買えるのが魅力です。さらに、金利のタイプに応じて、以下3種類から選べます。
固定3年
3年後に満期を迎えるまで、ずっと同じ金利が適用されるタイプです。最新の第194回では、年利1.56%(税引前)となっています。
固定5年
3年より長い、満期が5年タイプの国債です。最新の第184回の金利は、1.95%(税引前)と、2%近い水準になっています。
固定3年より、さらに長期でお金を預けられる方に向いています。
変動10年
満期を迎えるまで、途中で金利が変動するタイプの国債です。金利が上がる可能性もありますが、下がる可能性もあります。
ただし、年0.05%は最低金利として保証されているため、これ以上に下がることはありません。最新の第195回の金利は年1.80%(税引前)です。
個人向け国債は安全性が高い(リスクが低い)って、本当?
個人向け国債は、比較的リスクが低い金融商品といわれることが多いです。実際には、以下のようにメリット・デメリットの両面があります。
メリット
- 実質的に元本保証
- ほぼ確実にリターンを得られる
国債の元本や利子が支払えなくなる状態(デフォルト)は、文字通り日本国政府が借金を返せなくなる事態です。つまり、日本という国自体の存続が危うくなるような、よほどのことがない限り、元本もリターンも保証されます。
変動10年タイプは金利が下がる恐れもありますが、年利0.05%の最低保証が付いています。よって、リターンがゼロになることもありません。
デメリット
- 大きなリターンは期待できない
- 最初の1年間は途中解約できない
- NISAに対応していない(2026年7月時点)
近年は株価高騰の流れもあり、株式や投資信託で大きなリターンを出している銘柄も多くあります。それに比べると、個人向け国債の金利はとくに高いとはいえません。また、購入して最初の1年間は、死亡や災害などがない限り、途中解約ができない仕組みになっています。
NISAでは現在個人向け国債を利用できませんが、もしNISAに追加されれば利益が非課税となり、およそ20%の税金を取られずに済みます。
個人向け国債に向いている人、向いていない人
利用に向いている方は、元本を絶対に減らしたくないけれど、ある程度の利益を求める方です。安全性を最優先して資産形成をしたい方に向いています。日銀の金利政策変更により、個人向け国債の金利も上昇しつつあります。
一方、個人向け国債に向いていない人は、年間3%以上の利益を目指す方です。近年は国内・海外ともに株価が高騰しており、株式や投資信託のパフォーマンスが好調です。リスクはありますが、個人向け国債以上のリターンを狙えます。
また、個人向け国債は発行から1年間は解約ができません。柔軟に資金を運用したい方、1年以内にお金を引き出す可能性のある方も止めたほうが良いでしょう。
