ファミリーマートは7月28日、国内外の産地と密接に連携し持続可能な社会の実現を目指す独自の「攻めのサステナビリティ」についての発表会を開催。アラスカ産の水産資源を使用したおむすびの販売や寄付活動、エチオピアでのコーヒー生産地支援や国内各地での規格外果実を使用した商品開発による産地応援活動について報告した。
アラスカ州との取り組みで安定した原材料調達へ
ファミリーマート商品本部の本部長補佐、木内智朗氏はアラスカ州への産地支援の目的にについて、「アラスカは憲法で"持続可能な天然資源の開発・活用"が明文化されている世界でもまれな地域。たとえば、魚の資源量を維持できるように乱獲しないことや、魚だけではなく取り巻く生態系全体を守るための取り組みを国を挙げて行っている。そんなアラスカ州に寄付をすることでファミリーマートとしても持続可能な原材料調達を推進していきたい」と話す。
具体的には、アラスカ産の水産物を使用したおむすびを対象としたキャンペーンを実施し、売上の一部をアルミ製ボート2隻と船外機3台分の金額として寄贈。アラスカでは漁業を開始する前に一定量シャケが湖に帰ったことを確認してから漁を開始するよう厳密に決められ、乱獲を防ぐ仕組みができている。その生態系の確認の際に必要なのがアルミ製ボートと船外機なのだ。
さらにファミリーマートでは毎年11月3日から7日を"いい魚の日"に制定、水産物のアピールをしている。昨年もこの日に合わせ、アラスカ産シーフードの美味しさや魅力をアピールしたという。ファミリーマートの商品では、辛子明太子や焼たらこのおむすびや「ほっけの塩焼き」「海鮮スティック」「かに風味かまぼこ」などがある。よりサステナブルな取り組みを実施している産地の商品に多くの方が興味を持つことで良い循環が生まれる狙いがある。
「ファミリーマート」の名の通り家族・子ども向け支援に注力
続いて登壇したサステナビリティ推進部部長の大澤寛之氏は、2026年度のエチオピア支援について、「ファミリーマートではコーヒーがよく売れます。その産地であるエチオピアとは、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)で弊社がコンビニ初となる取り組みを通じてご縁があった経緯もあり、支援を行う経緯となりました」と話す。
2023年には現地を視察した際に、「エチオピアでは子供たちが学校で学ぶ環境が、日本と比べ整っていないのでは」と感じたことから、支援を開始。たとえば、トイレや手洗い場などの設備や、コンビニエンスウェアの吸水ショーツの提供など、衛生面にかかわる支援を実施してきたという。
大澤氏は「我々はファミリーマートという名前の通り"家族"、とりわけ未来を担うお子さまに対する支援に力を入れて取り組んできました。2023年の視察で知った現状に対し、ファミリーマートでのコーヒーの売上の一部を寄付する取り組みを始めてまいりました」と話し、その結果約1,800人の子どもに対し1口だった水道は、約9分の1の200名に1つに。生理を理由とした学校の欠席日数は1か月あたり2日だったのがゼロになり、月経衛生に関する知識も向上したという。
他にも、エチオピアへのコーヒーの苗木の寄贈も実施。エチオピアのコーヒー農家では65%の農家が保有するコーヒーの木の樹齢が21年を超えており、生産性が落ちている現状がある。そのため気候変動や干ばつのも強く改良された品種のコーヒーの木を寄贈することで、安定した収量の拡大を図ることができるようになるという。これはファミリーマートとしても安定的にコーヒー豆の調達ができることにも繋がる取り組みだ。
国内の産地に対する取り組みも実施している。ファミリーマートでは2022年度から、8つの産地の果物を使用したアイスバーをこれまでに21商品展開している。
その取り組みの中で、どの産地にもほぼ共通していた課題があることに気づいたという。まずは気候変動の影響。果物が熟す時期が今までと変わったことで収穫のタイミングが変化、さらに異常気象や台風の影響で果物が傷んでしまい、規格外のものが増えているという。もう1つは人手不足。後継者不足に悩む農家は多いという。さらに、「良いものをつくっても知られない」課題も共通してあり、こうした課題に対してファミリーマートは、「おいしく召し上がっていただけるようアイスバーの商品開発をすること」、そしてそのアイスバーは「●●産の果実を使っているということを伝える機会を大きく作る」ことで、各地域自治体の協力もあおぎプロモーションにも力を入れたと大澤氏は話す。
大澤氏は、「近年、多くのお客様が購買行動の中でサステナビリティやSDGsに対して考えていることは事実。ただし、価格の課題があったり手間がかかったりする中で、サステナブルな商品を能動的に選んでいただけるかというと難しい面も現実としてあるとは思う」と前置きしたうえで、「そんな中でも積極的にサステナブルな商品を選択していただける方には、情報提供力を入れていきます。しかし、そうでない方にも無意識に選んでいただける商品を提供することで、結果的に環境や社会に対して良いことができているような取り組みを増やしていくことは、ファミリーマートとしても意義があると思う」と語った。











