飲酒後に車を運転できるのは何時間後?アルコールが抜けるまでの目安

飲酒後にしばらく経ってから車を運転する必要がある場合、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。アルコールが抜けて運転できるようになるまでの時間や、アルコールを早く分解させる方法を知りたいと思っている人もいるはずです。

この記事では、飲酒後に車を運転できる時間の目安についてご紹介。また、飲酒運転の種類と罰則についても解説します。

記事の要約

飲酒後に安全に運転できる時間は飲酒量や体質で異なるが、アルコール1単位(純アルコール20g)につき4〜5時間が目安

純アルコール20gはビール500mlや日本酒1合などの量が目安

酒気帯び運転は呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上、酒酔い運転は呼気中アルコール濃度が0.5mg/L以上が基準

飲酒運転での事故は、自動車保険は被害者救済の観点から対人・対物賠償は使えるが、人身傷害などの自身への補償は対象外になる

飲酒後に車を運転できるまでにはどれだけ時間を空ければよい?

アルコールの分解速度は体質や体重、年齢などで個人差がありますが、一般的に、アルコールを「1単位」摂取した場合、アルコールを分解し、運転できるようになる時間としては4~5時間後が目安とされています。アルコールの1単位とは、お酒に含まれるアルコールの量である「純アルコール」に換算すると20gです。1単位をお酒の種類ごとに換算すると、下記のようになっています。

飲酒における1単位の目安
お酒の種類(アルコール度数) 量(ml換算)
ビール(5度) 中瓶1本(500ml)
日本酒(15度) 1合(180ml)
焼酎(25度) 0.6合(約110ml)
ウイスキー(43度) ダブル1杯(60ml)
ワイン(14度) 4分の1杯(約180ml)
缶チューハイ(5度) 1.5缶(約520ml)

参考:公益社団法人アルコール健康医学協会「飲酒の基礎知識」

純アルコール摂取量は、下記の計算式で算出可能です。

<純アルコール摂取量の算出方法>

純アルコール摂取量=飲酒容量(ml)×アルコール度数(度)×アルコールの比重(0.8)

例えば、缶ビール1本(350ml、アルコール度数5%)を飲んだ場合、純アルコール量は[350×0.05×0.8]で14gとなります。20gで1単位なので0.7単位となり、運転できるようになるまでおおよそ3時間~3.5時間かかります。
また、瓶ビール1本(500ml、アルコール度数5%)、焼酎水割り1杯(180ml、アルコール度数15%)を飲んだ場合の純アルコール量は、[500×0.05×0.8]+[180×0.15×0.8]で41.6gとなります。これはおおよそ2単位のアルコールの摂取で、車を運転できるようになるのは目安として約8~10時間後となるでしょう。

自分で計算するのが難しい場合は厚生労働省の「アルコールウォッチ」などのウェブサイトでも計算することができます。

飲酒後にアルコールを早く分解させる方法はある?

飲酒後に、体内のアルコールを早く分解させる確実な方法は、存在しません。アルコールの分解速度はほぼ一定であり、早められないからです。下記のような方法は「酔いがさめた」と感じさせる可能性はあるものの、アルコールの早期分解を促す科学的な根拠はありません。

<アルコールを早く分解させる方法と誤解されているもの>

サプリメントの摂取

大量の水やコーヒーの飲用

入浴・サウナの利用

発汗するレベルの激しい運動

特に運動や入浴・サウナなどによる発汗は、脱水状態を加速させる可能性があり、極めて危険な行為といえます。なお、飲酒中の水分補給は脱水状態に陥るのを防いだり、血中アルコール濃度の上昇をゆるやかにすることで悪酔い・二日酔いを防止したりする効果があるのでおすすめです。

飲酒運転の種類と基準

道路交通法においては、飲酒運転は大きく2種類に分けられます。ここでは、飲酒運転の種類と基準について解説します。

酒気帯び運転

呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上、または血中アルコール濃度が0.3mg/ml以上の状態で運転した場合に該当します。

なお、この基準値以上だった場合は、本人に自覚症状がなかったり、運転行為や会話に問題がなかったりしても罰則の対象となります。また、呼気中アルコール濃度が0.25mg/L以上の場合、より重い行政処分が下されます。

酒酔い運転

酒酔い運転とは、呼気中アルコール濃度が0.5mg/L以上の状態か血中アルコール濃度が1.0mg/mL以上、または飲酒の影響で正常な運転ができないおそれがある場合を指します。アルコール濃度の基準値を下回ったとしても、ろれつが回っていなかったり、まっすぐ歩けなかったりすることは、酒酔い運転の判断基準となります。

なお、酒酔い運転における呼気中のアルコール濃度について、これまでは「身体に保有するアルコール量にかかわらず、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」とされており、基準値は明確に設けられていませんでした。しかし、酒酔い運転の認定が難しいことから、道路交通法が改正され、2026年7月21日からこの基準が適用されています。

飲酒運転による刑事処分(罰則)と行政処分

酒気帯び運転や酒酔い運転をすると、運転者だけでなく、車両の提供者なども厳しい刑事処分(罰則)と行政処分を科されます。ここでは、飲酒運転による刑事処分(罰則)と行政処分について解説します。

酒気帯び運転の刑事処分(罰則)と行政処分

酒気帯び運転の刑事処分(罰則)と行政処分は、下記のようになっています。

酒気帯び運転の刑事処分(罰則)
対象 罰則
車両の運転者 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
車両の提供者 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
酒類の提供者・車両の同乗者 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
酒気帯び運転の行政処分
対象 処分
呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上 基礎点数13点(免許停止、免停期間90日)
呼気中アルコール濃度0.25mg/L以上 基礎点数25点(免許取消、欠格期間2年)

免停期間や欠格期間は累積点数や前歴によって変わります。表中の処分は累積点数や前歴がなく、酒気帯び運転のみで行政処分を受けた場合のものです。

酒酔い運転の刑事処分(罰則)と行政処分

酒酔い運転の刑事処分(罰則)と行政処分は、下記のとおりです。

酒酔い運転の刑事処分(罰則)
対象 罰則
車両の運転者 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
車両の提供者 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
酒類の提供者・車両の同乗者 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
酒酔い運転の行政処分
対象 処分
呼気中アルコール濃度0.5mg/L以上 基礎点数35点(免許取消、欠格期間3年)

酒気帯び運転同様、欠格期間は累積点数や前歴がなく、酒酔い運転単独で行政処分を受けた場合のものです。

飲酒運転で人身事故を起こしたときの刑事処分(罰則)

酒気帯び運転や酒酔い運転をして人身事故を起こしたときには、上記の刑事処分(罰則)や行政処分を科されるだけでなく、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。それぞれの罰則については、下記のとおりです。

飲酒運転で人身事故を起こした場合の刑事処分(罰則)
罪状 罰則
過失運転致死傷罪 7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪 負傷させた場合:15年以下の拘禁刑
死亡させた場合:1年以上の有期拘禁刑(最長20年)

また、事故の被害者に対する高額な損害賠償責任を負うだけでなく、職を失うといった事態に陥る可能性が高いので、飲酒運転は絶対にしてはいけません。

飲酒運転で事故を起こしたら自動車保険は使える?

飲酒運転で事故を起こした場合、事故の被害者に対して自動車保険を使うことは可能です。被害者救済の観点から、自賠責保険や任意保険の対人賠償保険・対物賠償保険については保険金が支払われるでしょう。

ただし、飲酒運転を行ったドライバーに対しては、一切の補償はありません。ケガに対する保険金はもちろんのこと、車両保険に加入していても保険金は支払われないので注意が必要です。また、飲酒運転で単独事故を起こした場合でも、補償の適用外です。

飲酒運転による事故は、保険会社によって保険契約解除となったり、新規加入を拒否されたりする可能性もあります。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」を徹底するようにしましょう。

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