• (C)此元和津也/幻冬舎コミックス/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

    (C)此元和津也/幻冬舎コミックス/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

――『スピナーベイト』と『君が死刑になる前に』のオファーは、ほぼ同時期だったと聞きました。

そうなんです。主演として、と言いましたけど、「あの此元和津也さんの『スピナーベイト』で、ぼ、僕が主演ですか!?」と、とにかく驚きました(笑)

――此元さんの作品に、役者として挑んでみていかがでしたか?

あえて言うなら、本当に楽しかったです。ギミックも多い、関わる人も多い、これだけ社会構造を描いた作品を、三井視点で冒険する話だと思うのですが、物語はどんどん展開していくし、三井宏太という一人の青年が頭から最後にかけて刺激を受け続ける話になっているんです。

――演じる上で難しかった部分はありましたか?

脚本が全話上がった状態で撮影に臨んでいたのですが、撮影順と放送順は必ずしも一致しないので、今朝10話を撮ったけど、今昼過ぎには1話を撮っているということもあるわけです。そうなると、この時の三井はもっとダサくていいとか、もっと無関心でいいとか、どこに「点」を置くか。その点を2週間後に撮るシーンと合わせて「線」でつなぐときのことも含めて考えながらやっていく作業で。この作品への愛と向き合う精神力がないと撮れない作品でした。

――大変な作業ですが、クランクアップした感想は「本当に楽しかった」なんですね。

撮りきれるのかという心配はありましたけど、妥協せずに続けていくことで『スピナーベイト』という作品はとても濃い、大きなインパクトを持った作品になるという自負を持って挑むことができたんです。大変なスケジュールだったけど終わってしばらく経った今、楽しかったと言える状況を作ってくれた熱意ある監督、スタッフの方々、キャストの方々に、本当に感謝しています。

制作陣を代表しても名前が一番頭に出る「主演」

――序盤の三井宏太の見どころを教えてください。

えー。難しい。かっこいいところないんだよなぁ……それが見どころです(笑)。三井のダサさ、それを認めてしまっているダサさ、でもそうなっておかしくない社会という部分も含めて。物語が動き出すベースが最初の数話でできあがります。あとはもう目の前にいろんなことが起こって、それを追いかけたらあっという間に終わって、終わった後に何を感じるかというのがこの『スピナーベイト』の一番の魅力だと思います。

――最後に、主演作が続く今、改めて感じていることを聞かせてください。

経験値は多ければ多いほどレベルアップはできる。それをどう生かすかが自分次第ではありますけど、そういった経験を積ませていただけることはとても大きいと感じています。それと同時に、主演として任せてくださる方がいて、それを楽しみにしてくださっている方がいるというのは、しっかりと受け止める責任があるなと。先ほどもお話しましたが、「柄じゃないから」と言って逃げてばかりだと三井みたいな目に遭うと思うので(笑)

「主演」は、タイトルの次に出る名前。ある意味キャスト代表として、制作陣を代表しても名前が一番頭に出る。責任があるかどうかではなく、「責任感を持てるかどうか」がすごく大事だなと最近感じています。責任感を持つということが、作品とそれに携わる全ての人たちに向き合うことになるというのは、忘れないようにしたいと思っています。

●加藤清史郎
2001年生まれ、神奈川県出身。1歳1カ月から俳優として活動を開始し、2009年NHK大河ドラマ『天地人』で広く知られるようになった。イギリス留学を経て俳優として本格始動。近年の主な出演作にドラマ『ドラゴン桜』『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』『放送局占拠』、主演ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』など。4月期の『君が死刑になる前に』で地上波連ドラ初主演を務め、7月期の『スピナーベイト』でも主演を務める。

ヘアメイク:入江美雪希
スタイリスト:山田安莉沙