老後の生活を支える大きな原資となる「退職金」。現役世代にとっては将来の安心を左右する存在ですが、実際に退職金を受け取ったシニア世代は、いくらほど支給され、どのような実感を持っているのでしょうか。

そこで今回は、40代以上の会社員をしているマイナビニュース会員302名を対象に「退職金に関するアンケート」を実施し、実際の支給額やその使い道、金額に対する率直な本音を尋ねました。受給者たちのリアルな声から、現代の退職金事情を紐解きます。

  • すでに退職金をもらった人の実際の金額はいくら?

    すでに退職金をもらった人の実際の金額はいくら?

実際の支給額は「2,000万円以上」が最多。一方で3割超が「300万円未満」に

まずは、すでに受け取った退職金の総額について尋ねました。

  • 受け取った退職金は、おおよそいくらでしたか?

    受け取った退職金は、おおよそいくらでしたか?

最も多かったのは「2,000万円以上~3,000万円未満」で21.6%でした。かつて大きな話題となった「老後2,000万円問題」をカバーできる大台をクリアした人が、全体の2割以上を占めてトップとなる結果になりました。

しかし、「100万円未満」(16.2%)と「100万円以上~300万円未満」(17.6%)を合わせると、全体の33.8%と3割を超える人が「300万円未満」の支給にとどまっていることが明らかになりました。まとまった金額を手にした人がいる一方で、支給額には大きな開きがあることが分かります。

ここからは、受給者が実際に手にした金額帯ごとに、それぞれのリアルな感想や具体的な使い道の声を見ていきましょう。

【1,500万円以上〜3,000万円以上】満足の声がある一方、「思ったより少なかった」の本音も

大台となる1,500万円以上の金額を手にした層からは、老後資金として貯蓄や投資に活用しているという声が寄せられました。一方で、金額に対する評価は分かれており、満足する人もいれば不満を抱く人も見られます。

「上を考えたらキリがない、金額的には満足している、先を考え投資信託に大半投資した」(男性/73歳/愛知県/技能工・運輸・設備関連/2,000万円以上~3,000万円未満)

「ほぼ満足しています。そのほとんどを、個人向け国債で運用中です」(男性/61歳/東京都/事務・企画・経営関連/2,000万円以上~3,000万円未満)

「もっともらえると思っていたが少なかった」(男性/62歳/東京都/通信関連/2,000万円以上~3,000万円未満)

「老後のために貯金した」(男性/72歳/大阪府/食品/2,000万円以上~3,000万円未満)

「満足していない。長年勤務したのだからもっともらいたかった」(女性/64歳/福岡県/公共サービス関連/2,000万円以上~3,000万円未満)

「3000万円以上欲しかった」(男性/64歳/兵庫県/営業関連/1,500万円以上~2,000万円未満)

高額な退職金を受け取った人の中でも、その受け止め方はさまざまです。将来に備えて貯蓄や資産運用に回す人がいる一方で、勤続年数や会社への貢献度を踏まえ、「期待していたほどではなかった」と感じる人も少なくないようです。

【500万円以上〜1,500万円未満】「これで仕方ない」という妥協と、個々に分かれる使い道

まとまった金額ではあるものの、500万円〜1,500万円未満のレンジに位置する層では、その受け止め方も使い道も人によって大きく異なりました。

「中小企業だからこの位で仕方ないと自分に言い聞かせている。出来れば公務員並みに貰いたかった」(男性/73歳/群馬県/事務・企画・経営関連/1,000万円以上~1,500万円未満)

「若い時に転職時にもらった。住宅ローンの繰り上げ返済に使った」(男性/48歳/埼玉県/クレジット・信販/500万円以上~1,000万円未満)

「もっと欲しかったが数年前からわかっていたのであきらめはついていた。生活費に」(男性/69歳/愛知県/鉱業・金属製品・鉄鋼/500万円以上~1,000万円未満)

「まったく満足していない。投資に回した」(男性/70歳/大阪府/サービス 営業関連/500万円以上~1,000万円未満)

「少なすぎてびっくりした」(男性/63歳/奈良県/食品/1,000万円以上~1,500万円未満)

「このくらいで仕方ない」と受け止める声がある一方で、「少なすぎた」と不満を漏らす声も見られました。また、住宅ローン返済や生活費、資産運用など使い道はさまざまで、退職金との向き合い方にも個人差が表れています。

【300万円未満】「全然足りない」厳しい現実と、状況を受け入れる「納得」の声

支給額300万円未満の層からは、金額の少なさに対する切実な不満や「生活費に一瞬で消えた」という厳しい現実が語られました。

「働いた年数や、会社への貢献度からすると物凄く不満。退職後の生活費に一瞬で消えた」(男性/48歳/大阪府/販売・サービス関連/100万円未満)

「全然たりない。住宅ローンも返せなかった」(男性/62歳/滋賀県/医療用機器・医療関連/100万円以上~300万円未満)

「勤続年数が少ないので、こんなものかという感じ」(男性/62歳/神奈川県/ソフトウェア・情報処理/100万円以上~300万円未満)

「入社4年しかたっていなかったのでこんなもんかな」(男性/60歳/千葉県/海運・鉄道・空輸・陸運/100万円未満)

老後の資金源として期待するには厳しい金額に対して不満を募らせる人がいるほか、中途退社や在籍期間の短さといった自身のキャリアと照らし合わせ、「こんなものだろう」と割り切っている受給者も少なくありません。金額そのものは低くとも、受給者がそれまでに歩んできた働き方によって、受け止め方に大きな違いが出ていることが分かります。

退職金制度を過信せず、自発的な支給額の確認を

今回寄せられた声からは、退職金の金額が人によって大きく異なるだけでなく、その受け止め方にも大きな差があることが分かりました。

だからこそ、現役時代のうちから就業規則や退職金規定をしっかりと確認し、「自分の場合は将来いくらもらえる見込みなのか」を現実的に把握しておくことが重要です。その上で、会社の制度だけに依存しすぎず、早い段階から自発的な資産形成や将来のマネープランを見つめ直しておくことこそが、これからの安心に繋がっていくのかもしれません。

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退職金に関するアンケート
調査時期: 2026年6月18日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 302名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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