「エアコンはつけっぱなしの方が節約になる」と聞くけれど、本当にそうなのか迷っている方も多いのではないでしょうか。実は、外出時間の長さや時間帯などによって、「つけっぱなし」と「こまめに消す」のどちらがお得なのかは変わります。

そこでこの記事では、エアコン(冷房)の使い方による電気代の違いを比較しながら、どちらのほうが電気代を抑えられるのかをわかりやすく解説します。本格的な夏が来る前に、エアコンの賢い使い方を押さえておきましょう。

  • 【イメージ画像】エアコンとリモコンを操作する手元

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「つけっぱなし」と「こまめに消す」、電気代の差は?

エアコンは、部屋を設定温度まで一気に冷やす時に最も多くの電力を消費します。設定温度に近づくと、その温度を維持する運転に切り替わるため、消費する電力は比較的小さくなります。

しかし、外出のたびに電源をオフにすると室温が上がり、帰宅後に再びオンにした時に強運転が必要となるため、消費電力が増えてしまいます。「つけっぱなしの方がお得」といわれる背景には、このような仕組みがあるのです。

では、どのような場合でもつけっぱなしがお得なのでしょうか。今回は、ダイキンが行った2つの実験(※1)の結果をもとに、エアコンをつけっぱなしにした場合と、こまめに消した場合の電気代の差を比べてみます。実験の主な条件・環境は、以下の通りです。

<実験の条件・環境>
・建物構造: 鉄筋コンクリート造(14階建て)
・部屋の広さ: 約14畳
・2階と3階の階違いの同じ間取りの部屋を使用
・使用したエアコンの機種: 『うるるとさらら Rシリーズ』AN40TRP-W 4.0kW(主に14畳用)
・エアコン設定: 冷房26℃設定、風量自動

(※1)DAIKINホームページ「つけっぱなしがお得という説は本当なのかを検証せよ!」より

実験1: 9:00~23:00の消費電力を計測・比較

1つめの実験では、一方のエアコンを「つけっぱなし」、もう一方を「こまめに入り切り(30分ごとにオン・オフ)」で運転し、9:00~23:00の消費電力量の違いを計測しました。実験当日の最高気温は、36.3℃です。

その結果、日中(9:00〜18:00)の外気温が高い時間帯は、「つけっぱなし」の方が消費電力量が小さくなりました。日中は外気温と設定温度の差が大きく、エアコンを再起動した時の消費電力量が大きくなったためと考えられます。

反対に、夜間(18:00~23:00)の外気温が下がる時間帯は、「こまめに入り切り」の方が消費電力量は小さくなりました。夜間は外気温が低下し、エアコンを再起動した時の消費電力量が小さく抑えられるためと推察できます。

実験2: 家庭での1日を想定して消費電力を計測・比較

続いて、より実生活に近い想定として、1日の外出・在宅スケジュールを設定したうえで、「つけっぱなし」と「こまめに入り切り(外出時はオフ)」の9:00~23:00の消費電力量を比較しました。実験当日の最高気温は、36.9℃です。

「こまめに入り切り」では、18:00までに3回エアコンをオフにしています(それぞれ、1時間、30分、30分)。さらに、18:00~20:00は外食を想定し、2時間のオフ時間を設定しています。

その結果、この条件での1日の消費電力量は、
・つけっぱなし:5.7kWh
・こまめに入り切り:4.4kWh
となり、「つけっぱなし」の方が大きくなりました。

また、1kWhあたりの電力料金単価を31円(※2)として計算すると、1日(9:00〜23:00)の電気代は、以下の通りです。

  • 【つけっぱなし】消費電力量5.7kWh、1日の電気代176.7円【こまめに入り切り】消費電力量4.4kWh、1日の電気代136.4円

    ダイキンの実験結果から筆者計算(消費電力量×電力料金単価31円)

この条件では、エアコンをつけっぱなしにした方が1日あたり40.3円高いという結果になりました。

(※2)全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」より

外出時間・時間帯ごとにどう使い分ける?

  • 【イメージ画像】玄関のドアノブに手をかける女性

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以上の実験結果から、エアコンの電気代は「エアコンをオフにしている時間の長さ」がカギになると考えられます。実験2の結果を見ると、「こまめに入り切り」をした場合でも、1時間や2時間といった比較的長い時間エアコンをオフにしたときに、消費電力量の差が大きくなる傾向が見られました。

一般的には、30分程度の短い外出であれば、「つけっぱなし」の方が節約につながりますが、30分を超える外出の場合は、オフにした方が消費電力量を抑えられると考えられます。ただし、夜間は外気温が下がるため、再起動時の消費電力量が小さくなり、こまめに入り切りした方が有利になる場合もあります。

このことから、ダイキンでは日中(9:00〜18:00)は35分まで、夜間(18:00〜23:00)は18分までの外出であれば、「つけっぱなし」の方がお得になるとしています。

これを1つの目安にすると、日中は30分程度の外出であればつけっぱなし、それを超える場合はいったんオフにする。夜間は20分程度を目安に判断するといった使い分けが電気代の節約につながるといえるでしょう。

1ヶ月では「つけっぱなし」が1,209円高い

エアコンは、外出する時間の長さや時間帯を考慮せずつけっぱなしにしていると、こまめに消すより電気代が高くついてしまいます。

実験2の結果をもとに計算した1日(9:00〜23:00)の電気代は、「つけっぱなし」が176.7円、「こまめに入り切り」が136.4円でした。これを1ヶ月(30日)分に換算すると、それぞれの電気代は以下のようになります。

  • 【つけっぱなし】1日の電気代176.7円、1ヶ月の電気代5,301円【こまめに入り切り】1日の電気代136.4円、1ヶ月の電気代4,092円

    ダイキンの実験結果から筆者計算(1日の電気代×30日)

1ヶ月では、つけっぱなしの方が1,209円高くなる計算になりました。つけっぱなしがお得になることもありますが、それはあくまで短時間だけ部屋を離れるケースです。朝から夜まで外出するなど、不在にする時間が長い場合は、エアコンをオフにして出かけた方が電気代の節約につながると考えられます。

帰宅した時の快適さも考慮したい

一方で、エアコンを使う時には「快適さ」も大切です。実験2において、「つけっぱなし」にした部屋と、「こまめに入り切り」した部屋の室内温度と湿度を比較したところ、30分の外出から帰宅した時には、以下のような違いがありました。

・「つけっぱなし」: 温度26.5℃、湿度69%
・「こまめに入り切り」: 温度27.5℃、湿度77%

特に夏場は、熱中症のリスクも考慮する必要があります。電気代だけでなく、帰宅時の快適さとのバランスも考え、上手にエアコンを使いましょう。

注: 消費電力は、外気温や天候などに影響を受けます。これらの条件が異なる場合、実験結果も変わることが考えられます。