GTI誕生50周年を祝うプレミアムなイベント「GTI FAN FEST 2026」開催|230台のVWが集う

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIといえば、言わずと知れたホットハッチの元祖。「GTI」は「Gran Turismo Injection」の略である。1976年に登場した初代ゴルフGTIの新車価格は1万3850ドイツマルク(当時のレートで約160万円)、生産計画はわずか5000台だった。この控えめな数字は、開発費と生産設備への投資が回収できればよいという想定で算出されたものだった。ベースモデルのゴルフが8000ドイツマルク程度であったのに対し割高な価格設定だったことも、生産台数を少なめに見積もった理由のひとつだろう。

【画像】普段は立ち入ることができない本社施設も見学!ファンにはたまらないイベント「GTI FAN FEST 2026」(写真22点)

しかしその控えめな予想は見事に裏切られた。軽量なボディに高性能エンジンを組み合わせ、ラジエーターグリル周りが赤く縁どられ、タータンチェックのスポーツシートを装備した新しいコンパクトスポーツカーは人々を熱狂させ、瞬く間に世界中のファンを魅了した。5000台の予定が、初代だけで46万1700台を生産する大ヒット作となったのである。以降、半世紀にわたり現在までにシリーズ累計240万台以上が生産される人気モデルとなった。

GTIが誕生から50年を迎えたことを記念して、2026年6月13日(土)にファンのためのプレミアムなイベント「GTI FAN FEST 2026」がフォルクスワーゲン グループ ジャパン本社(愛知県豊橋市)で開催された。これは世界中のファンから支持を集めてきたファンミーティング「GTI トレッフェン」の文化を日本でも再現し、GTIの歴史と価値を振り返るとともに、現在のGTIやフォルクスワーゲン車を体感してもらおうとフォルクスワーゲン グループ ジャパンが企画したもの。2,600名以上の応募の中から抽選で選ばれた GTI・フォルクスワーゲンオーナーに加え、SNS投稿型キャンペーン「I♡VW フォトキャンペーン 2026」の入賞者を含む、230組のフォルクスワーゲンファンが招待された。

イベント会場には歴代GTIモデルが展示されたほか、GTI誕生50周年を記念した「Golf GTI 50周年記念限定車」の日本仕様パイロットモデルが披露された。

また、プロレーシングドライバーの木下隆之氏によるトークセッションも実施され、ブランドとドライバーの観点からみた”GTI”および”フォルクスワーゲン”について語られた。さらに木下氏によるGTIのデモ走行も行われ、抽選で選ばれた幸運なファン3名が同乗し、その走行性能を体験した。

通常は立ち入ることができない施設を巡る特別ツアーも好評だった。抽選で選ばれた参加者は、全体で7万6000平方メートルを有する専用ふ頭、約150名が稼働し主に車両のPDI(納車前点検・整備)などを行うテクニカルサービスセンター(TSC)、常に5,000台以上の車両をストックできるカーサイロ、5万点もの部品を管理・供給するパーツデポを見学。車両が日本に陸揚げされ、検査や保管を経て出荷に至るまでの品質管理プロセスや物流体制を目の当たりにした。愛車が日本に入ってからどのような工程を経て自分の元にやってきたのかを知れたことは、オーナーにとって感慨深い体験だったに違いない。

木下氏が「とてもアットホームだった」とコメントしたこのイベント。普段はフォルクスワーゲン グループ ジャパン本社に勤務する社員が、この日はイベントスタッフとして対応していたこともその理由のひとつだろう。誘導スタッフをはじめ、施設巡りのツアーも、そこに勤務するスタッフ自らが仕事に対する誇りと愛情をもってガイドしてくれた。イベントに参加したファンにとっても、フォルクスワーゲンを愛する同好の士としての「VW愛」を感じることで、よりブランドが身近になり好きになるという好循環が生まれたのではなかろうか。

昨年フォルクスワーゲン ジャパンのブランドディレクターに就任したマーティン・ザーゲ氏が会場で積極的に参加者とコミュニケーションを取る姿が見られたのも印象的だった。自身もGTIに乗っていたことがあるというザーゲ氏は、イベントのフィナーレで「車を愛する方々と直接お話しする中で、GTI は単なる名前ではなく、感動やパフォーマンス、そして人と人をつなぐ特別な存在なんだと改めて実感した1日でした」とコメント。「規模の大きなブランドだからこそ、カスタマーの声を直接聞くことが大切なのです」とザーゲ氏は本誌に語ってくれた。

ご存じの通り「フォルクスワーゲン」とは「大衆のための車」を意味する。GTIも、スーパーカーではなく「誰もが手が届く高性能スポーツカー」として人気を博している。日常で使える実用性をもちながら、ワクワクできるスポーツカーとして、これからもその独自のポジションでファンを魅了し続けてほしい。