
『Octane』UK寄稿者による愛車レポート。今回は、マッシモ・デルボが冬の間、運転できていなかった1985年メルセデス・ベンツ240TDを再始動させた様子をお届けする。
【画像】愛犬のゴールデンレトリバー、ダギーもお気に入りのメルセデス・ベンツ240TD(写真2点)
今年の冬はいつもより長いと感じていたせいか、2月頃には私は”クラシックカー運転欠乏症候群”に陥りかけていた。もちろん仕事柄、素晴らしいクラシックカーを運転する機会はよくある。でも自分自身の車となると、また違った感覚があるものだ。緊張することは少ないし、もし何かあっても自分で対処すればいい。仕事や撮影の予定に縛られることもなく、いつでもどこへでも自由に行ける。
だからこそ、自分のS123 240TDを目覚めさせるのは、私にとって大きな喜びだった。手順は簡単だ。タイヤの空気圧を下げ(冬の間はパンクを防ぐために多めに空気を入れている)、バッテリーのメンテナンス装置を外し、オイルの量を確認し、ラジエーターとエンジンを結ぶホースを握ってひび割れや水漏れを確認してから、キーを差し込む。
グロープラグの警告灯が消えるのを、ほんの数秒待ってからキーを半回転させると、すぐにエンジンがかかる。その後、最も長く感じられる2秒間がある。油圧計の針が上がるのを待つ時間だ。というのも、動いていなかった間に溜まった貴重なオイルが再び循環するまでに少し時間が必要だからだ。それですべて完了だ。まるで前日に駐車したばかりのように、走り始める準備が整う。
エンジンが暖まるのを待つ間は、こういった車がいかに耐久性を重視して設計されたかを考える。もし現代の車にもこのレベルの品質が取り入れられたならどんなに素晴らしいだろうか、と思いを巡らせる時間でもある。
この日の私の同乗者はゴールデンレトリバーのダギーだった。123が大好きなのだが、現代的なステーションワゴンは嫌いなようだ。現代の車にはスモークガラスが使われているからだろう。一方、240には十分なスペースがあり、周囲の視界も完璧だ。
ゴールデンレトリバーといえば、面白い話を思い出した。「スピッツリー/ザガリ写真アーカイブ」の管理者であるダイアナとマット・スピッツリー夫妻とは一緒に仕事をしているうちに友人になった。私たちは考え方が似ていて、ゴールデンレトリバーと古いメルセデスのステーションワゴンに対する情熱も共通している。
『Octane』誌で私が、ほうきの柄を使って240のリアハッチを開けたままにしている写真を見た彼らは、同じ方法を使っている自分たちの車の写真を送ってくれた。油圧ストラットを交換した今、そういった外部からの補助なしにハッチが魔法のように開いたままになっている様子を、しっかりと写真に収めておいた(メイン写真)。クラシックカーのオーナーなら、こんなことでも一喜一憂することを理解してくれるだろう。
しかし車を長期間放置すると、いつものことだが何らかの不具合が起きる。今年は、またもや燃料センサーだ。燃料計の針が、0と1/4の間をランダムに揺れ動いている。そこで、タンクを一度満タンにして針を押し上げ、それで直るかどうか試そうと考えた。ただしイタリアでは、ディーゼル燃料がリッター当たり2.50ユーロだ。つまり、175ユーロもかかるのだ。もう少しましなタイミングを待つことにしよう。
信じられないが、今はV8の500SLで走り回るほうが経済的なのだ…
文:Massimo Delbò