ハイブリッド車とガソリン車はどちらが得?違いとメリットを解説

ハイブリッド車(HEV)を購入する際に、ガソリン車と比べてどのくらい得なのか、悩んでいる人も少なくないでしょう。ハイブリッド車は燃費や環境性能に優れる一方で、車両本体価格は高くなる傾向があります。そのため、どちらが得かは本体価格だけでなく、燃料代や税金、維持費まで含めて考えることが大切です。

この記事では、ハイブリッド車とガソリン車の違いやそれぞれのメリット・デメリット、どんな人に向いているかを解説します。あわせて、燃費の差で車両価格の差をどの程度回収できるのかも紹介します。

記事の要約

ハイブリッド車は車両本体価格が高いものの、燃費に優れ、税金面の優遇やリセールバリューの高さという面でのメリットがある。

ガソリン価格が165円/Lの場合、車種によるものの10万km以上走行するのであれば燃費の差で車両価格の差の逆転が見えてくる。

街乗りが多く長く乗るならハイブリッド車、初期費用を抑えたい・走行距離が少ないならガソリン車が向いている。

ハイブリッド車とガソリン車の違い

ハイブリッド車とガソリン車は、機械の仕組み以外にもさまざまな面で違いが生じます。ここでは、ハイブリッド車とガソリン車の違いについて解説します。

環境性能

燃費などの環境性能は、ハイブリッド車とガソリン車の最大の違いといえるかもしれません。ハイブリッド車は電力を使ってモーターのみで走ったり、加速のアシストをしたりすることができるため、ガソリンの消費を軽減することができます。結果として、ハイブリッド車のほうがおよそ1.5倍程度、燃費は良くなるでしょう。

また、燃費が良いことに伴い、ガソリン車よりCO2排出量が大幅に少なくなるのも、ハイブリッド車の特徴です。特に発進・停止の多い市街地や渋滞などで、ハイブリッドシステムは効果を発揮します。ただし、ガソリン車よりも車重が重くなる傾向があるハイブリッド車では、高速道路のように燃費の差がつきにくいシチュエーションもあるので注意してください。

車両本体価格

車両本体価格は、ハイブリッド車とガソリン車の違いのひとつです。ハイブリッド車はガソリン車に比べ、30~50万円程度、車種によってはおよそ80万円もの差が生じます。これは、ハイブリッド車の仕組みが複雑であり、さらにモーターや駆動用バッテリーなどの構成部品が高額であることが理由です。

また、輸入車において、プラグインハイブリッド車は充実した装備も含めて上級グレードと位置付けられており、国産車と比べて数百万円の大幅な価格差が生じるケースも見られます。

走行性能

走行性能の違いも、ハイブリッド車とガソリン車のあいだには存在します。ハイブリッド車はモーターによるアシストがあるため、スムーズで力強い加速を実現します。それに比べ、ガソリン車はエンジンの回転数が上がるまで、加速に関して若干のもたつきを感じるかもしれません。

また、モーター走行時のハイブリッド車は、エンジンの音や振動が発生しません。住宅密集地での走行や早朝・深夜の走行の際には、静粛性の違いを実感できるはずです。

税金

ハイブリッド車とガソリン車の違いに、税金も挙げられます。優れた環境性能を持つハイブリッド車は、自動車重量税における「エコカー減税」の適用対象となることが多いでしょう。

自動車重量税は車の取得時や車検時に発生し、ハイブリッド車など環境性能が高い車には、免税や減税などの優遇措置が設けられています。エコカー減税の適用対象にならないガソリン車との金額差は、概ね数万円程度です。

なお、車の取得時に環境性能に応じて課税されていた自動車税(環境性能割)は、2026年3月末をもって廃止されているので、注意が必要です。

車検費用・修理費用

車検費用については、ハイブリッド車とガソリン車のあいだに大きな違いはありません。修理費用に関しても同様です。ハイブリッド車は車の減速時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換する「回生ブレーキ」を使うため、ブレーキパッドに関してはハイブリッド車のほうが長持ちする可能性があります。

注意したいのは、ハイブリッドシステムに関する修理・交換の費用です。駆動バッテリーや電子機器を動かすための「補機バッテリー」のほか、周辺機器の交換・整備は数十万円と高額になるため、使用状況にはよるものの、10万~15万キロを超えたハイブリット車はそれなりの出費を覚悟しなければならないかもしれません。

リセールバリュー

ハイブリッド車とガソリン車では、リセールバリューにも違いが生じます。リセールバリューとは再販価値を意味し、リセールバリューが高いほど、中古車になっても価値が残っているため高く売れる車種といえます。

一般的に、ハイブリッド車は燃費性能が高いことから、中古車になってもリセールバリューは高めです。ただし、走行距離が多かったり、新車からの年数が経過していたりする車両は駆動バッテリーの劣化などが懸念され、価値が下がる傾向があります。これは、駆動バッテリー交換に多額の整備費用がかかるのが理由です。

燃費の差で本体価格の差は埋められる?

ハイブリッド車の方がガソリン車よりも本体価格は高いですが、燃費はハイブリッド車の方がよいです。燃費の差で本体価格の差を埋めるにはどれだけの走行距離が必要となるのでしょうか?具体的にいくつかの車のカタログ燃費(WLTCモード)とメーカー希望小売価格をもとに計算してみます。

なお、ガソリン価格は165円/Lで計算しています。ガソリン価格がこれ以上に高い場合は必要な走行距離が短くなり、ガソリン価格が安い場合は必要な走行距離が多くなります。

ヤリス G

ヤリスのミドルモデルであるGグレードのハイブリッド車(1.5L・2WD)とガソリン車(1.5L・CVT・2WD)を比較します。

ハイブリッド車 ガソリン車
価格 2,445,300円 2,072,400円
燃費
(WLTCモード)
35.8km/L 20.0km/L
1万kmあたり
燃料代
46,089円 82,500円

※ガソリン価格は165円/Lで計算しています。

1万km走行した場合の燃料代の差は36,411円です。車両価格の差は372,900円あるので、約10万2400km走れば車両価格の差が埋まることになります。

フリード AIR EX

フリードのe:HEV AIR EX(ハイブリッド車・6人乗り)とAIR EX(ガソリン車・6人乗り)を比較します。

ハイブリッド車 ガソリン車
価格 3,212,000円 2,812,700円
燃費
(WLTCモード)
25.4km/L 16.4km/L
1万kmあたり
燃料代
64,961円 100,610円

※ガソリン価格は165円/Lで計算しています。

1万km走行した場合の燃料代の差は35,649円です。車両価格の差は399,300円あるので、約11万2000km走れば車両価格の差が埋まることになります。

セレナ ハイウェイスターV

セレナのe-POWER ハイウェイスターV(ハイブリッド車)とハイウェイスターV(ガソリン車)を比較します。

ハイブリッド車 ガソリン車
価格 3,775,200円 3,228,500円
燃費
(WLTCモード)
19.0km/L 13.0km/L
1万kmあたり
燃料代
86,842円 126,923円

※ガソリン価格は165円/Lで計算しています。

1万km走行した場合の燃料代の差は40,081円です。車両価格の差は546,700円あるので、約13万6400km走れば車両価格の差が埋まることになります。

ハイブリッド車とガソリン車のメリット・デメリット

ハイブリッド車とガソリン車にはそれぞれに一長一短があるため、選ぶ際には慎重な検討が必要です。ここでは、ハイブリッド車とガソリン車におけるそれぞれのメリットとデメリットについて解説します。

ハイブリッド車のメリットとデメリット

ハイブリッド車のメリットとデメリットは、次のようになっています。

ハイブリッド車を購入・所有する
メリットとデメリット
メリット デメリット

燃費が良い

給油の手間が減る

走行音が静か

減税・免税などの優遇措置がある

車両本体価格が高くなる傾向がある

歩行者などに気づかれにくい

構造によっては車内が狭くなる

走行音が静かなのは、歩行者にとって気づきにくいなど、メリットとデメリットの表裏一体です。また、ガソリン車にはない駆動用バッテリーなどを搭載することによって、車内スペースが圧迫される場合もあります。

ガソリン車のメリットとデメリット

ガソリン車のメリットとデメリットは、下記のとおりです。

ガソリン車を購入・所有する
メリットとデメリット
メリット デメリット

車両本体価格がハイブリッド車に比べて安い

バッテリーを積んでいないため車内が広い

製品のラインナップが豊富

ハイブリッド車に比べて整備しやすい

ハイブリッド車と比較すると燃費が良くない

ガソリン高騰の影響を受けやすい

ハイブリッド車と比較して静粛性が劣る

税制上の優遇措置を受けられないことが多い

ハイブリッド車とガソリン車に向いている人

ハイブリッド車とガソリン車にはそれぞれにメリットがあるため、目的や使用状況によって、どちらが適しているかが判断できます。ここでは、ハイブリッド車とガソリン車、それぞれに向いている人について解説します。

ハイブリッド車に向いている人

混雑する市街地において「ちょい乗り」と呼ばれる短距離走行が多い人は、ハイブリッド車が向いているといえるでしょう。これは、発進・停止を繰り返したり低速で走行したりする状況は、ハイブリッド車の場合、エンジンではなくモーターが担ってくれることが理由です。

そのような走行状況ではエンジンがあまり稼働せず、ガソリン代の節約にも貢献することから、維持費をできる限り抑えたい人にも向いています。また、住宅街で早朝・深夜に走行する機会が多い人にも、走行音が静かなハイブリッド車がおすすめです。

また、今後のガソリン価格にもよりますが、10万km以上運転する場合には燃費の差でガソリン車との車両価格の差の逆転が見えてきます。そのため、同じ車に長く乗るつもりなのであればハイブリッド車の方が向いているでしょう。

ガソリン車に向いている人

ガソリン車に向いている人は、車両本体価格を含めた初期投資をできる限り抑えたい人です。また、豊富なラインナップから車を選びたい人にも、ガソリン車は適しています。

また、信号が少なく、交通量も多くない道路を走ることがメインの場合は、ハイブリッド車とガソリン車の差が生じにくいため、わざわざ高額なハイブリッド車を買う必要はないといえるかもしれません。

高速道路では燃費や静粛性の面でハイブリッド車の優位性が発揮されることがあるものの、総費用で見た場合、差分を回収するにはかなりの距離の走行を必要とします。そのため、ガソリン車で十分と考える人もいるでしょう。

さらに、寒冷地の場合はバッテリー性能が低下する傾向があり、ガソリン車のほうが安定した性能を発揮する可能性があります。

まとめ

ハイブリッド車とガソリン車のどちらが得かは、一概には決められません。市街地での走行が多く、長く乗る予定であれば、燃費のよさや税制面の優遇があるハイブリッド車が向いているでしょう。一方で、初期費用を抑えたい人や走行距離がそれほど多くない人、高速道路の利用が中心の人には、ガソリン車が適している場合もあります。購入時は、本体価格だけでなく、燃料代や税金、将来的なメンテナンス費用も含めた総費用で比較し、自分の使い方に合った一台を選ぶことが大切です。

また、車にかかる費用として忘れていけないものに自動車保険があります。自動車保険にもハイブリッド車に対する割引がある会社がありますが、初度登録年から13か月以内など期間の制限が厳しい場合が多いです。そこの割引を軸とするのではなく、その他の補償内容や保険料を比較するのがよいでしょう。

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