エリエールが、フードコーディネーター/管理栄養士の清水加奈子さんに聞いた、野菜を長持ちさせるキッチンペーパーの活用法を紹介している。
野菜が長持ちしないのはなぜ?
野菜がしなびてしまう大きな理由は、乾燥にある。野菜は収穫後も「呼吸」をしており、内部の水分を蒸発させている。特に冷蔵庫内は湿度が低く非常に乾燥しやすいため、そのまま入れておくと水分が奪われてしまう。きゅうりや葉物野菜など、元々の水分量が多い野菜ほど乾燥の影響を受けやすいため、注意が必要となる。
乾燥とは反対に、水分が多すぎることも腐敗の原因となる。野菜が呼吸して発生する熱と外気の温度差により、密閉した袋の中には水滴(結露)が発生する。野菜の表面に過剰な水分が触れ続けると、カビや雑菌が繁殖しやすくなり、腐敗を早めるという。
野菜には種類や季節を問わず、多くの細菌が付着しており、その数は平均で1グラム当たり100万個程度といわれている。細菌は水分がある環境で活動・増殖しやすいため、野菜の表面に水分があると腐敗や追熟が早まる。細菌の多くは収穫前の土壌などから付着したものだが、流通過程や店頭陳列時に人の手を介して細菌が付着することも珍しくない。
調理前に手を洗うことは意識していても、野菜についている雑菌は見落としがち。野菜の表面の汚れや水分をきちんと拭き取ること、むやみに素手で触れて菌をつけないことの2点を意識する必要がある。
野菜の保存にキッチンペーパーが役立つ理由
冷蔵庫内は簡易的な干物が作れるほど非常に乾燥しているため、野菜をそのまま入れるとすぐに水分が失われる。一方、乾燥を防ぐためにポリ袋などで完全に密閉すると、今度は結露による腐敗を招く可能性がある。
キッチンペーパーを使う最大のメリットは、乾燥を防ぐために適度な水分を野菜の周囲にとどめておく「保湿」と、腐敗の原因となる過剰な水分を吸収する「吸湿」の両方が可能な点。さらに、冷蔵庫に入れるときも野菜の周囲にキッチンペーパーを巻くと冷やしすぎを防げるので、鮮度を長く保つことができる。
湿気を嫌う野菜の保存法
湿気を嫌う野菜は、乾いた状態で保存するのが基本。キッチンペーパーを乾いた状態で使い、余分な水分を吸い取ることで、カビやヌメリを防ぐ。ただし、カットした根菜類は切り口に湿らせたキッチンペーパーを使うことで保存状態が良くなるという。なお、この方法で冷蔵庫で保存した葉物野菜は、丸ごとの場合は10日程度、1枚ずつの場合は3日程度で使い切るように、とのことだ。
レタス・キャベツの保存ポイント
レタスやキャベツなどの葉物の保存のポイントは、葉に余計な水分を残しておかないこと。一方で、切り口からの水分の蒸発を防ぐことも大切だという。
丸ごと保存する場合は、レタスの外側の葉をむかずに乾いたキッチンペーパーで全体を包み、そのままポリ袋に入れて野菜室で保存する。
芯をくり抜く場合は、レタスの芯を手で中心に向かって強めに押し込み、芯と葉のあいだに割れ目が入ったらそのまま左右に回して引き抜く。芯の部分に軽く湿らせたキッチンペーパーを当てて乾燥を防ぐ。その後乾いたキッチンペーパーで全体を包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存する。
1枚ずつ保存する場合は、葉をはがしてよく洗い、傷んだものを取り除いた後、1枚ずつ水分を拭き取り、密閉容器に乾いたキッチンペーパーを敷いて保存する。密閉容器は内側にスノコがついているタイプがおすすめだという。
根菜類の保存方法
にんじんや大根など葉のついた根菜は、葉が根の栄養と水分を吸い上げてしまうため、買ったらすぐに葉と根を切り離すことが大切。なお、この方法で冷蔵庫で保存した根菜は、丸ごと保存の場合は2週間程度、カットした場合は5日程度で使い切るよう案内している。
にんじんを丸ごと保存する場合は、葉と根の部分を切り離し、乾いたキッチンペーパーで根の部分を包み、キッチンペーパーの上からぴっちりラップで包んで野菜室で保存する。
カットして保存する場合は、キッチンペーパーをぬらしすぎない程度に湿らせて絞り、切り口に当てたうえで全体をラップで包み、野菜室で保存する。切り口をほどよい湿り具合にすることで、乾燥だけでなくカビの発生も防げるという。湿らせ具合は紙おしぼり程度が目安。保存中にキッチンペーパーが乾いてきたら、新しいものと交換する。
乾燥を嫌う野菜の保存法
葉物は乾燥を嫌うため、保存する際にはキッチンペーパーを湿らせてから使う。この方法で冷蔵庫で保存した葉物野菜は、1週間程度で使い切る必要がある。
ほうれん草・小松菜などの葉物野菜
葉物野菜は、購入時のビニール包装のまま置いておくと結露し、すぐに傷んでしうため、キッチンペーパーで湿度を調整しながら、畑で育っていたときと同じように「立てた状態」で保存するのが鮮度維持のコツだという。
ほうれん草を例にすると、根元を湿らせたキッチンペーパーで包み、葉のほうからポリ袋をかぶせ、ペットボトルや牛乳パックを切ってスタンドにしたものに根元から入れて冷蔵庫で立てて保存する。スタンドがない場合は、下からポリ袋をかぶせて上を密封する方法もある。湿らせたキッチンペーパーが根元に水分を補給し、ポリ袋が葉の水分を逃さないことで、シャキシャキとした状態を長く維持できるという。
水分調整がデリケートな野菜の保存法
湿度を嫌う野菜、乾燥を嫌う野菜だけではなく、表面と内部で水分の調整方法が違うデリケートな野菜もある。これらも、キッチンペーパーをうまく使うことで絶妙な調整が可能だという。
きゅうり・なすの保存のコツ
きゅうりやなすは水分が多く蒸発しやすいため、すぐカラカラになりやすい野菜。その一方で、表面に環境由来の細菌がついていることが多く、そのままラップで包むと表面から腐敗しやすくなる。さらに低温に弱いため、冷蔵庫で冷やしすぎると「低温障害」を起こしいため、キッチンペーパーを活用した保存がおすすめだという。なお、この方法で冷蔵庫で保存したきゅうりやなすは、5日程度で使い切る必要がある。
保存時は、まず表面をしっかり洗浄してキッチンペーパーで水分を拭き取り、乾いたキッチンペーパーで全体を包む。きゅうりはヘタ、なすはガクから水分が抜けやすいため、その部分を二重にし、キッチンペーパーの上からラップで包んで野菜室で保存する。
なすを調理用に保存する場合は、食べやすいサイズに切って揚げ焼きし、乾いたキッチンペーパーで包んでチャック付きポリ袋に入れることで冷凍保存も可能だという。
トマト・ハーブ類の保存方法
デリケートなトマトやハーブ類は、保存容器とキッチンペーパーを使うことができる。保存容器は内側にスノコがついたタイプがあればベストとのこと。トマトやハーブ類はデリケートなため、1週間程度で使い切る必要がある。キッチンペーパーは1日おきくらいに交換すると長持ちするという。
トマトはヘタを取って洗い、ぬらして絞ったキッチンペーパーを保存容器に敷き、ヘタのあった部分を下にして並べ、蓋をして冷蔵庫で保存する。ハーブ類はさっと洗い、乾いたキッチンペーパーを保存容器に敷き、その上に並べて蓋をし、冷蔵庫で保存する。








