トマトをただ切って調味料をかけるだけーー。そのシンプルな工程にどんなスキルが詰まっているのでしょうか。

「レシピ通りには作れるけど、何も見ないで料理できるようになりたい」そんなときに必要なのは、レシピを覚えることではなく、”料理のしくみ”を理解することです。

味の素社の「調理科学」の知見を取り入れ、料理の工程を「なぜそうするのか」とひとつひとつ解き明かしながら、基礎を身につけられる一冊『はじめてさんも、あらためてさんも 料理のしくみがわかる本』。

今回はその中から、料理の原点ともいえる「トマトサラダ」のレシピを紹介します。

  • トマトサラダ

    トマトサラダ

トマトに塩と油。「トマトサラダ」は料理の原点

サラダの語源は「sal(塩)」、つまり「サラダ」とは素材に塩をかけること。いちばんシンプルな調味料で成り立つ料理の原点です。塩は素材の持ち味を引き出す調味料。少しの塩をかけるだけで、トマトが持つうま味成分、グルタミン酸のうま味が引き立ちます。仕上げにかける油は、香りとコクを足す要素。みずみずしい野菜にオリーブオイルが加わることで、味わいも豊かになります。シンプルだからこそ、ひとつひとつのスキルを守ることで立派な“料理”のできあがり。

材料(1人分)
・トマト 2個
・塩 少々
・オリーブオイル 適量
トマトが大きければ、半量にするなどして調整してください。

作り方

1.下処理

トマトは縦半分に切り、ヘタをとる。断面を下にして5mm厚さに切り、器に盛り、冷蔵庫で冷やす。

  • ヘタは包丁の先で根元にV字の切り込みを入れると、とりやすい。

    ヘタは包丁の先で根元にV字の切り込みを入れると、とりやすい。

  • 断面を下にして端から切ると、中のジュレが流れ出ず、うま味が残せる。

    断面を下にして端から切ると、中のジュレが流れ出ず、うま味が残せる。

●生のトマトは切り方で味わいが変わる

トマトのうま味成分は、おもにジュレ状の種の部分に含まれています。ジュレが露出しやすい薄切りは、口にしたときにジュレと接する面が広いので、トマトの味をしっかり楽しみたいときにおすすめ。くし形切りや乱切りよりもうま味を感じやすくなります。

●包丁の根元で皮を刺すと、きれいに切れる

最初に刃の根元でトマトの皮にぷつっと小さく刃を入れましょう。そこから滑らせるように刃をゆっくり動かすと、食材へかかる負担が少なくなり、きれいな薄切りに。押して切るとくずれてしまうような食材には、この切り方が向いています。

2.本調理・味付け

オリーブオイルを全体にかける。

  • 塩は一度にかけず、少量ずつふりかけて味を見る。

    塩は一度にかけず、少量ずつふりかけて味を見る。

  • オリーブオイルを加熱せずに使う場合は、香り高い「エキストラバージン」がおすすめ。

    オリーブオイルを加熱せずに使う場合は、香り高い「エキストラバージン」がおすすめ。

\塩だけのとき、油を加えた後、どっちも味見してみて/

塩は「味」で、オリーブオイルは「コク」。それぞれの役割があります。
塩だけのときと油を加えた後で、味わいがどう変わるか、たしかめてみてください。

●「塩」をかける順で味が変わる

先に「塩」をかけると野菜の水分に塩分が溶け出して味がなじみます。先に「油」、後から「塩」をかけると、塩が溶けずに粒感が残り、また違う味わいに。好みに合わせて選びましょう。

●油を替えるだけで、違うサラダに

合わせる油の種類で、味の方向性もがらりと変わります。オリーブオイルなら洋風、ごま油なら中華や和風、マヨネーズならよりクリーミーに変身。

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監修:川﨑 寛也
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※本記事は、書籍の一部を抜粋のうえ掲載しています。