暑くなり、仲間や同僚と食事を囲む機会が増える季節になりました。一方で、そのテーブルにはさまざまな人がいます。お酒が好きな人もいれば、体質的に飲めない人、健康のために控えている人、車の運転や仕事の都合で飲まない人もいます。
かつては「飲み会だから飲むのが当たり前」と考えられていた場面でも、今は価値観が少しずつ変わりつつあるのかもしれません。実際、SNSでは少し前、「居酒屋に行ったらお酒を頼むべきか」という投稿をきっかけに議論が広がりました。店の利益やマナーの観点から「頼むべき」とする声がある一方で、「飲まないのも自由」「料理や会話を楽しむために利用する人もいる」といった反論も見られました。
では、実際の消費者はどのように考えているのでしょうか。マイナビニュース会員へのアンケートから、“飲む・飲まない”を巡る価値観の変化を探りました。
「お酒は頼まなくてもいい」が約8割
まず、「居酒屋ではお酒を頼むべきだと思いますか?」と聞いたところ、「お酒は頼まなくてもいい」と回答した人は76.6%にのぼりました。一方、「お酒は頼んだ方がいい」は23.4%という結果でした。
SNS上では賛否が分かれていたものの、アンケートでは「頼まなくてもいい」と考える人が多数派となりました。特に20~40代では8割前後が「頼まなくてもいい」と回答しており、年代を問わず「飲む・飲まないは個人の選択」と考える人が多いことがうかがえる結果となりました。
若い世代ほど「頼まなくてもいい」が多数
年代別に見ると、20代では85.7%、30代では85.3%が「お酒は頼まなくてもいい」と回答しました。
40代でも80.7%と高い割合を占めた一方、50代では71.2%となり、他の世代よりも「頼んだ方がいい」と考える人が多い傾向が見られました。
世代によって多少の差はあるものの、どの年代でも「頼まなくてもいい」が多数派である点は共通しています。
普段お酒を飲む人も「頼まなくてもいい」
興味深いのは、普段の飲酒習慣による違いです。
「ほぼ毎日飲む」「週に数回飲む」といった飲酒習慣のある人でも、73.2%が「お酒は頼まなくてもいい」と回答しました。
「お酒を飲まない人だからそう考える」というわけではなく、普段からお酒を楽しんでいる人の間でも、「飲む・飲まないは個人の選択」という考え方が広がっていることがうかがえます。
最も多かったのは「飲む・飲まないは個人の自由」
「お酒は頼まなくてもいい」と回答した人に理由を聞くと、最も多かったのが「個人の自由だから」という意見でした。
飲酒の有無をマナーや慣習で判断するのではなく、本人の意思を尊重するべきだと考える人が多いようです。
実際の回答では、
「それぞれの自由や事情があるから」(26歳/女性/普段からお酒を飲む)
「人それぞれ好きなものを頼んでいいと思う」(43歳/女性/めったにお酒を飲まない)
「昭和の様に他者にアルコールを強要すべき時代では無い」(51歳/男性/ときどきお酒を飲む)
といった声が寄せられました。
飲酒習慣の有無や年代を問わず、「何を注文するかは個人の選択」という考え方が広がっていることがうかがえます。
飲まない理由もさまざまに
一方で、「飲みたくても飲めない人がいる」という現実的な事情を挙げる声も多く見られました。
実際の回答でも、
「アルコールが苦手な人や車を運転する人もいるため、お酒を頼まなくても問題ないと思います」(55歳/男性/普段からお酒を飲む)
「飲みたくても体質的に弱い人はいる」(30歳/男性/ときどきお酒を飲む)
「その日の体調、その後の予定を考慮して。」(48歳/女性/ときどきお酒を飲む)
など、体質や体調、運転の有無など、飲酒を選ばない理由は人によってさまざまです。
かつては「飲み会だから飲むのが当たり前」と考えられていた場面でも、現在は一人ひとりの事情を尊重するべきだという認識が広がっているようです。
「料理や会話を楽しみたい」という声も
居酒屋の利用目的そのものが変化していることもうかがえました。
「雰囲気を楽しむ人もいるから」(39歳/男性/ときどきお酒を飲む)
「その店の料理が食べたくて来店する場合もあるから」(42歳/男性/ときどきお酒を飲む)
「料理や雰囲気を楽しめればいいと思うから」(58歳/女性/めったにお酒を飲まない)
といった回答も多数見られました。
居酒屋は単にお酒を飲む場所としてだけでなく、食事やコミュニケーションを楽しむ場として利用されていることが分かります。
一方で約4人に1人は「頼んだ方がいい」
「お酒は頼んだ方がいい」と回答した人は23.4%。少数派ではあるものの、約4人に1人はアルコールを注文した方がいいと考えていました。
理由として多かったのは、
「居酒屋ってそういう店だと思うから」(50歳/女性/ときどきお酒を飲む)
「利益率がいいので、お店に貢献できるからアリだと思う」(48歳/男性/普段からお酒を飲む)
「お店の売り上げが上がるから」(57歳/女性/普段からお酒を飲む)
など、経営面への配慮を挙げる声も目立ちました。
飲み会の価値観は変わりつつある?
今回のアンケートでは、「お酒は頼まなくてもいい」が多数派となりました。
ただし、「頼まなくてもいい」と回答した人の多くも、ソフトドリンクや料理の注文までは否定していません。また、「頼んだ方がいい」と回答した人の中にも、「飲めない人は仕方ない」という意見が見られました。
つまり、対立しているように見えても、多くの人が重視していたのは「お酒を飲むかどうか」そのものではなく、お互いの事情への配慮だったのかもしれません。
近年は飲酒との向き合い方も多様化し、「飲む」「飲まない」の二択では語れなくなっています。ノンアルコール飲料を選ぶ人も含め、それぞれが自分に合ったスタイルで楽しむことが当たり前になりつつあるのかもしれません。
今回のアンケートからは、飲酒の有無そのものよりも、お互いの事情を尊重しながら同じ時間を楽しみたいと考える人が増えていることがうかがえました。
調査対象 :20~59歳の社会人男女
調査期間 :2026年5月30日~31日
調査方法 :マイナビニュース会員に対するWEBアンケート
有効回答 :303名


