三井住友銀行と三井住友カードは5月26日、個人向け総合金融サービス「Olive」の最上位ランクとして「Olive Infinite」を提供開始すると発表した。すでに三井住友カードが提供する最上位カード「三井住友カード Visa Infinite」に加え、デジタル富裕層向けの金融サービスを組み合わせて提供。今まで手薄だったデジタル富裕層という「ブルーオーシャン」をターゲットにすることで、Oliveのさらなる拡大を目指す。

今回のサービスも踏まえて、Oliveは今後5年で資産運用残高10兆円、預金残高10兆円を目指す考えだ。

  • 最上位プラン「Olive Infinite」が登場

    最上位プラン「Olive Infinite」が登場

「ブルーオーシャン」のデジタル富裕層を取り込むOlive資産運用

Oliveは、SMBCグループが2023年3月から提供する個人向け総合金融サービス。アカウント数は750万を突破し、「間もなく800万に達する見込み」とSMBCグループ執行役専務リテール事業部門長の上村明生氏は話す。

アセットマネジメント・外貨預金残高は2025年度に23兆円まで拡大。2028年度までに28兆円まで拡大する見込みで、上村氏は「これまでニーズを着実に捉えてきた結果の拡大」だという。

そうした中、富裕層の人口は拡大。それに伴って資産運用のニーズも、従来の富裕層だけでなく、現役世代やデジタルに慣れた世代にも広がってきている。ただ、販売手数料や信託報酬といった資産運用の収益性は低下傾向にあり、マーケットの拡大を鍵に、ニーズを捉え、質と効率性を両立することで大きなリターンが得られるというのが同社の分析だ。

富裕層でもデジタル取引が増加し、特にカード投信積立は年間1兆円を超える規模まで拡大している。店頭での購入だけでなく、デジタルによる資産運用が一般的になってきていると上村氏は言う。

こうした背景をもとに、SMBCグループのリテールビジネスを2つの柱で成長させる、というのが同社の戦略だ。1つ目がOliveで、デジタルとリアルを融合させたプラットフォームとしてさらに拡大させ、同社全体のビジネス成長を牽引する。

上村氏は、「単なるスマホアプリではなく、SMBCグループのリテールビジネス全体を支える、デジタルとリアルが融合したプラットフォームへ成長させる」と強調。さらなる利便性向上に加え、すべての顧客をOliveへつなげると意気込む。

2つ目がウェルスマネジメントサービスで、「SMBC Wealth」という新たなブランドの下、グループ全体で金融サービスの質と効率性を高めて提供していく。多岐にわたるニーズに対して、専門性の高いコンサルティングを提供していく方針だ。

デジタル富裕層には、スマートフォンを使いこなし、自ら情報収集して、日常の取引をデジタルで完結させているが、重要な意思決定では専門家にも相談したいというニーズがある。こうしたユーザーは今後さらに拡大すると見込んでいるが、従来の対面ビジネスでは取り込めておらず、「他社もまだチャレンジし切れていないブルーオーシャン」と上村氏。そこで提供するのが、Olive資産運用サービスだ。

新たに設立されたOliveコンサルティングがサービスを担当。SBIホールディングスやSBI証券などと設立した同社がOliveのデジタル資産運用サービスをアプリの形で提供する。

マネーフォワード MEと連携してSMBCグループをはじめとする様々な金融機関の情報を収集して資産全体の現状を把握し、専門家が作成するポートフォリオと比較して、改善ポイントの提案が行われる。アプリからは、SBI証券に移動して金融商品をシームレスに購入できる。

AIチャットボットのようなデジタルの資産相談だけでなく、必要に応じてオンラインでプロのアドバイザーに相談したり、店頭で本格的な資産運用のコンサルティングを受けるといったことも可能。相談内容に応じて、より適したアドバイザーに相談できるなど、フレキシブルな相談サービスの提供がポイントだ。

  • マネーフォワードMEを使って資産を見える化

    マネーフォワードMEを使って資産を見える化

  • 実際のアプリのUI

    実際のアプリのUI

  • 専門家のチェックによる資産の配分見直しなどのサービスを提供

    専門家のチェックによる資産の配分見直しなどのサービスを提供

さらに、FOLIOホールディングスと提携し、共同開発したおまかせ運用の「Oliveラップ」を提供する。手数料は業界最低水準とし、プロによるおまかせ運用を提供する。アドバイザーによる相談サービスも用意される(契約金額1,000万円以上の顧客向け)。

  • 業界最低水準の手数料や手厚いサポートを用意

    業界最低水準の手数料や手厚いサポートを用意

「Olive資産運用は、資産全体を見える化し、専門的な知見で課題を整理して、必要なときには相談できる、自身が納得して選べる、デジタルの便利さと人の安心感も失わない、分析・相談・取引・運用までをシームレスにつなぐ、新しい資産運用のスタンダードを目指す」。上村氏はそうアピールする。

最上位のカードを提供

同時に提供されるのが「Olive フレキシブルペイ Visa Infinite」。デビットカード、クレジットカード、ポイント払いを切り替えて使えるOliveの決済機能「Olive フレキシブルペイ」の最上位カードで、Visa Infiniteを搭載した。

  • Visa Infinite

    Visa Infinite

年会費は99,000円、買物利用枠は300万円~9,999万円。例えば、クレカ積立のポイント付与率は通常最大4%から最大6%になるなど、ポイント還元も強化されている。

  • ポイント還元も高めた

    ポイント還元も高めた

入会特典としては、入会後3ヵ月後末までに100万円を利用したら10万ポイント、毎年700万円の利用で最大11万ポイントを還元する。年間50回以上の特別イベントを開催するほか、Olive Infinite限定イベントも開催。遅れていたメタルカードも今年の秋に提供予定となっている。

  • Visa Infinite向けの特別な体験イベントを毎月開催

    Visa Infinite向けの特別な体験イベントを毎月開催

  • Olive Infinite限定イベントも

    Olive Infinite限定イベントも

他にもコンビニATMや他行宛振込の手数料が毎月10回無料になるなどの特典も用意される。

  • Olive Infiniteの特典

    Olive Infiniteの特典

さらに、Olive資産運用サービスに申し込み、三井住友銀行の円普通預金残高とSBI証券残高がそれぞれ500万円以上、両口座合計で5,000万円以上ある場合は、カードの年会費が無料になるなどのメリットも提供される。

  • 一定のOliveコンサルティングの利用で年会費無料などの特典

    一定のOliveコンサルティングの利用で年会費無料などの特典

今回の資産運用サービスは、一部の相談などを除けば基本的にOliveユーザーすべてに提供される。 その上で資産運用などのサービス購入などで手数料を得る場合もあるが、基本的には単独での収益の拡大ではなく、デジタル富裕層を中心とした、これまで取り込めていなかった顧客層の取り込みで預金残高などの拡大を目指す方針だ。