野村総合研究所(NRI)は5月25日、「決済・ポイント実態調査」のレポートを公開した。全国1万人に対するWebアンケートで、キャッシュレス決済やポイントの利用動向や意向の調査が行われた。決済ではPayPayが強いものの、経済圏としては「楽天が頭1つ抜け出している」(同社)という状況で、今後数年はポイント競争が継続すると同社では分析している。

調査は、全国の18~79歳までの男女1万人を対象に、オンラインでのアンケートによって行われた。調査期間は2025年12月で、2024年に続く2回目の調査となった。ただし、2024年は訪問調査も行われており、2025年調査はオンラインアンケートのみだったため、ウェイトバックによる補正が行われている。

クレジットカードは「楽天カード」が最多

利用している決済手段では、クレジットカードの接触型が66%、非接触型が51%となり、QUICPayやiDを含むスマホでのタッチ決済は14%にとどまった。

クレジットカードの中では、楽天カードが最もよく利用されており41%だった。続くイオンカードが19%程度なので大きく差が開いている。他にはPayPayカードが17%とdカードの15%や三井住友カードの13%を超えていた。

  • 日常的に利用しているクレジットカードは楽天カードが特に多い

    日常的に利用しているクレジットカードは楽天カードが特に多い

ゴールド以上は「dカード」が強い

クレジットカードの利用者割合は楽天カードが多いが、利用者に占めるゴールド、プラチナ、ブラックカードの利用者割合はdカードが最も多いという結果になった。

  • ゴールド以上のカードではdカードが強い

    ゴールド以上のカードではdカードが強い

コード決済は「PayPay」が最多

コード決済の利用者は41%。4人に1人(26%)は日常的に使っているとの回答だった。サービスとしてはPayPayが最も多く40%に達した。続く楽天ペイは22%、d払い、au PAYは19%と続いた。なお、電子マネーは物理カード型で39%、モバイル型で32%が利用していた。

決済サービスを利用しはじめた理由として最も多かったのは無料(85%)という理由だが、普段利用する店舗やネットショッピングで特典を受けられるから(62%)、ポイントやマイルプログラムが充実しているから(59%)といった回答が続いた。スマートフォンアプリの利便性が高い(55%)という回答もあり、利便性も重要な要素になっていることがうかがえた。

また、複数の決済サービスを使っている人は、ポイント還元率によって使い分けたり、キャンペーンや特典で使い分ける人もいた。

  • ポイントに応じて決済サービスを使い分け

    ポイントに応じて決済サービスを使い分け

逆に決済サービスを申し込まない理由としては、現金や他の決済手段で満足しているから(80%)という回答が多かったが、利用できる店舗やサービスが限られているから(56%)という声も多かった。

現金支払いをする理由については、現金のほうが速く決済できるという人が26%。お金の管理がしやすいという声も18%あった。

  • 現金を利用する理由としてはスピードなどが上げられた

    現金を利用する理由としてはスピードなどが上げられた

ポイントは「楽天ポイント」が強い

ポイントの利用動向については、楽天ポイントの利用者が68%と多く、Pontaポイントが50%、Vポイントが49%、Amazonポイントが46%、PayPayポイントとdポイントが45%ずつだった。これらは回答者の4割以上が利用している形だ。

  • 日常利用・たまに利用を合わせて、6大ポイントが4割超え

    日常利用・たまに利用を合わせて、6大ポイントが4割超え

アクティブユーザー比率が高いポイントは利用頻度の高いロイヤルユーザー比率も高い傾向にあり、特に楽天ポイントが高かった。

  • 6大ポイント(+WAON POINT)が高めだが、特に楽天ポイントが頭1つ抜けている

    6大ポイント(+WAON POINT)が高めだが、特に楽天ポイントが頭1つ抜けている

その中でも、決済時に66%がポイントやマイルの利用に積極的。58%はポイントやマイルが貯まるかどうかで店舗を選択し、54%は購入する商品やサービスにも影響する傾向があった。

  • ポイントが消費行動に影響

    ポイントが消費行動に影響

92%の人が何らかの「ポイ活」をしており、特にアンケート、アプリ起動、散歩といった活動が多い。その中では、「ポイント投資」が27%程度でまだ少なかった。

  • ポイ活の利用動向

    ポイ活の利用動向

ポイントサービスの入会理由は利便性や使い道の多さ、還元率、加盟店の数といった理由が多く、メリットを重視する傾向が強かった。逆に貯まりにくかったり利用できない場所が多いと退会する人もいた。

  • ポイントサービス入会の理由

    ポイントサービス入会の理由

現時点では「共通ポイント」としては弱いPayPayポイントだが、PayPay利用者が多いことでニーズは高く、特に2024年にPayPayポイントをメインとして使い、2025年も継続してメインポイントとして利用していた人が最も多かった。

  • PayPayポイントはメインとなってそのまま定着した人が多かった

    PayPayポイントはメインとなってそのまま定着した人が多かった

とはいえ、メインポイントの利用者が多い楽天は、そのまま楽天の決済手段をメインとして使う人が多く、経済圏として最もよく利用されていた。

  • 経済圏による囲い込みが最も強く出ているのが楽天

    経済圏による囲い込みが最も強く出ているのが楽天

キャッシュレス利用者は95%

キャッシュレスを利用している人の割合は95%に達した。経済産業省が算出する日本のキャッシュレス決済比率(58%)は金額ベースで母数は異なるが、NRIの今回の調査では、何らかのキャッシュレス決済を使っている人がほとんどだった。そのうちの69%がポイントやマイルを積極的に利用すると回答しており、日本のキャッシュレス決済におけるポイントやマイルの重要性が示された。

  • 95%の人がキャッシュレス決済を利用

    95%の人がキャッシュレス決済を利用

2024年の結果と比べて、楽天経済圏が頭1つ抜けたと同社。ただ、キャンペーンやさまざまな施策で様相は変わるとの分析で、2026年のインフレや紛争影響も踏まえて、「次回の調査ではまた結果が変わっていく可能性は十分にある」と指摘している。