――ご自身は「芸能界」という荒波にもまれながら生き抜く中で、郷原の眼力のような「人を見る力」はどう培ってきたのでしょうか。
ムロ:僕らの周りの人たちには嘘をつく人が多いですからね(笑)。でも「自分が騙す方じゃなければいい」くらいに思うようにしています。「言っていることと違ったな」みたいなことは、この仕事をしていると多々あるので。それをいちいち根に持っても仕方ないなって。
――これまでの共演者の中で、「後から振り返るとあの時すでに原石だったんだな」と気づいた経験や、逆に「当時からこの人は伸びると確信していた」という経験はありますか?
ムロ:これは昔からずっと言っているんですが、伊藤沙莉や若葉竜也は、見た瞬間に「この人は違う」と確信していましたね。逆のパターンとしては、波瑠ちゃんとの話があって。僕がエキストラみたいな役で出た時(※編集部注:ドラマ『わたしたちの教科書』第9話)に、万引き犯だと思って捕まえちゃう女子高生が彼女だったということがあったんです。当然彼女も僕のことを認識していなかったので、お互い後から分かったんです。佐藤二朗さんだけは、前から気づいていたみたいなんですが(笑)
宮沢:今回「捨てられた天才」編で柳川大也役を演じた佐藤寛太くんとは、7年くらい前に『僕の初恋をキミに捧ぐ』で兄弟役をやっているんですよ。当時、「俺、もっとこういうふうになりたいんっすよ!」という熱い思いがあって。それがみんなから愛されるようなキャラクターだったんです。「この子は絶対この先も活躍されるんだろうな」と思っていたら、着々といろんな作品に出演されていて。6~7年ぶりに今回また共演できてすごくうれしいですね。
まだ見抜かれていない自分へ「続けろよ」
――逆にご自身が若手の頃、「見抜いてほしかった」才能はありましたか?
ムロ:あります、あります。今でも「そんなに売れると思わなかった」「まさかお前が『ドラフトキング』の郷原役をやる未来がくるとはね」って、居酒屋のおっちゃんにも言われますもん(笑)。でも当時の自分は「覚悟のあるピエロ」をやっていたんですよ。自分なりに「片鱗」は出していたつもりだったんですが、周りからはただのピエロにしか見えなかった(苦笑)。それでも27歳の時に映画『サマータイムマシン・ブルース』で本広克行監督に拾ってもらって、そこから変わりました。感謝してます。
宮沢:僕は逆で、当時の実力より周りが高く評価してくれていた気がしていて。「こんなに仕事ができないのに、本当に大丈夫かな」という不安と常に戦っていました。最初の頃はオーディションにもなかなか受からなくて、『MEN'S NON-NO』にようやく受かって。最初は撮影現場にたくさん呼んでもらえたんですけど、だんだん呼ばれる回数が減っていくんですよ。周りの期待に応えられなくて……。でもそれが逆に「見返したい」という気持ちにつながって、自分なりに研究して、また現場にたくさん呼ばれるようになりました。初めてソロページをもらえた時は本当にうれしかったですね。
ムロ:俺はね、まだMEN'S NON-NO WEBに出るという世界線を目指し続けているから! 「ノーMEN'S NON-NO」のままじゃ終われない。次の作品では絶対出るぞ(笑)
――まだ誰にも見抜かれていない頃の自分に、言葉をかけるとしたら?
ムロ:月並みですけど「続けろよ」ということですね。「そのまま続けてください」って。
宮沢:僕もそうかもしれないですね。何回も諦めたくなる瞬間ってあるんですけど、止まってしまうのが一番の終わりだと思うので。「どんなに苦しくてももがきながら進んでいけ」って言いたいです。


