相次ぐ事故の報道や、現場の教員不足が深刻な課題となるなか、学校行事や校外活動のあり方が改めて問われています。本来は子どもたちの成長を支える貴重な場ですが、リスクを冒してまで実施すべきなのか、世間の意見は分かれるところです。
今回は、マイナビニュース会員310名を対象に実施した「学校行事・校外活動で『怖い』『危ない』と感じた経験に関するアンケート」の結果から、学校行事の継続に対する世間の本音や、安全な実施のために学校側に求めている対策についてご紹介します。
学校側に求められるのは「事前の安全確認」と「活動内容の見直し」
学校行事や校外活動を実施するにあたり、学校側に徹底してほしいことを調査したところ、安全性を重視する声が顕著に現れました。
最も多かった回答は「事前の安全確認・下見の徹底」(29.7%)となりました。次いで「危険を伴う行事・活動の見直し」(23.5%)、「緊急時の連絡・対応体制」(12.9%)、「引率体制や人数確認の見直し」(11.3%)と続いています。さらに「天候悪化や体調不良時の中止・変更判断」(9.0%)、「移動手段・外部業者の安全確認」(8.7%)、「保護者や子どもへの事前説明・安全指導」(3.5%)という結果になりました。
まずは現場での事前の確認や、今の時代に合った活動内容へのアップデートが強く求められているようです。
「安全対策を徹底したうえで続けてほしい」が最多
一方で、事故のリスクがあるからといって、行事そのものを中止すべきだと考える人は少数派であることも分かりました。
今後の学校行事や校外活動のあり方に対する考えを聞くと、「安全対策を徹底したうえで、できるだけ行事は続けてほしい」(38.4%)が最多となりました。これに次いで「子どもの安全を最優先に、危険を伴う行事は減らすべきだと思う」(26.5%)、「学校行事は大切な経験なので、過度に縮小する必要はないと思う」(16.8%)、「教職員の負担を考えると、行事の見直しや縮小も必要だと思う」(11.0%)、「保護者への説明や同意が十分であれば、実施してよいと思う」(6.8%)と続いています。
行事は子どもたちにとって貴重な経験や学びになるからこそ、安易な中止ではなく「安全に実施できる方法」を模索してほしいという思いが見て取れます。
行事の継続を支持・体験の価値を重視する声
自由回答では、子どもの成長において実体験や思い出は何物にも代えがたいとし、継続を強く望む意見が多く寄せられました。
・体験は机上の学習より数倍価値があり、子どもの学びは大きいと実感している。なので、安全対策、事前の下見、緊急時の連絡体制、職員の配置等を万全にした上で、活動を継続して欲しいと感じている。教員としての立場でも、そのように万全の体制をとり、行事を充実していきたいと考えている。(30代/女性)
・今は気候問題や危険なことは即回避が世の流れだが、学校行事は友達との思い出として一生残るので、やれるならなるべくやるべきだと思う。(40代/女性)
・経験が大事だからなくさないで欲しい。(40代/男性)
・対外練習試合をやめる必要はないと思うが、安全確保を最優先で継続してほしい。(40代/男性)
「過保護・過度な自粛」への疑問や学校への信頼を求める声
社会や保護者が過剰に反応しすぎることで、教育の機会が狭まることを懸念する声や、学校の裁量を支持する意見も目立ちます。
・過度の心配や配慮で、必要な行事まで中止したりしないように配慮したい。(70代/男性)
・自分が子供の頃に比べると、あらゆる面で異常なほど過保護過ぎる側面があるので、そこは見直した方が良い。(40代/男性)
・あまりにも、過保護になりすぎないようにしてほしい。(50代/男性)
・昔のように先生の裁量でやってほしい。(50代/男性)
・想定外の事故などにまで学校側の責任を追及するのではなく、行事は続けた方が良いと思う。(60代/男性)
安全対策の徹底・体制やルールの見直しを求める声
続ける前提だからこそ、現場の負担軽減や外部の活用、時代に合わせたアップデートを求める現実的な提案も届いています。
・緊急時の備えは常に必要だと思う。後は現場以外のバックアップ体制も不可欠。(40代/男性)
・先生だけではなく他の人材も使って安全最優先で行って欲しい。(50代/男性)
・フィットネスクラブのインストラクターなど、専門家にサポートを依頼する。(50代/男性)
・しっかり引率できるように、予算措置もしてほしい。(70代/男性)
・危険度にもよるが、慣例ではなく見直しや検討は必要かと思う。(40代/男性)
・その時代に沿った校外学習等を、その都度見直して検討して欲しいと思う。(50代/男性)
・とてもいい経験になるので、安全管理を徹底してほしい。(40代/男性)
・時代や環境にあわせてどんどん見直してほしい。(40代/女性)
負担の見直しや、一部行事の縮小を求める声
一方で、教員の負担や子どもたちの安全を考え、特定のリスクが高い行事については「縮小・廃止」や「強制性の見直し」を検討すべきという現実的な声も無視できません。
・教職員の負担軽減の観点からも、学校行事の徹底的削減をすべきだと思う。(60代/男性)
・宿泊を伴う学校行事はやめたほうが良いと思う。安全面での配慮など教師や学校の負担が大きすぎると思う。(60代/女性)
・組体操のような危険性が高いものはない方がよい。(40代/男性)
・強制的な運動行事や金銭のかかるイベントの強制は、賃金の家庭もあるから、やめたほうがいい。(40代/男性)
・全員参加の強制は見直したほうがよい。(40代/男性)
体験や学びの機会だからこそ、今求められる「安全な体制の見直し」
今回の調査では、学校行事に対して不安やリスクを感じつつも、子どもたちの成長にとって大切な「体験や学びの機会」として、多くの人が継続を望んでいることが分かりました。
しかし、それを現場の教員だけの負担や努力に依存するのには限界があります。地域や保護者といった外部サポーターの巻き込みや安全管理の強化、さらには時代に合わせた柔軟なルールの見直しなど、学校行事を安全に実施できる新たな体制の構築が、今まさに社会全体に求められているのかもしれません。
学校行事・校外活動で「怖い」「危ない」と感じた経験に関するアンケート
調査時期:2026年5月12日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:310名
調査方法:インターネットログイン式アンケート


