タイガー魔法瓶は5月19日、「熱中症と水筒に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2026年3月30日~4月6日、全国の20代~60代の男女608人を対象にインターネットで行われた。

4割以上が夏本番直前まで熱中症対策を開始せず

熱中症対策をいつから始めるかという問いに対し、6月までに熱中症対策を開始する人が半数を超える一方、4割以上(43.1%)の人は夏本番直前(7月)まで対策を始めていないことが明らかになった。熱中症リスクは梅雨明け直後から急増するため、7月に入ってからの対策では初動が遅れる恐れがあり、より早期の「暑熱順化(体を暑さに慣らすこと)」が不可欠といえる。

  • あなたが実際に熱中症対策を始めるのは何月からですか?

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2人に1人以上が「熱中症の危険を感じたことがある」

2人に1人以上(55.1%)がこれまでに熱中症の危険を感じたことがあると回答している。また、医師による診断と自己診断を含め、夏場に熱中症を経験したことがある人は4割以上(42.5%)に上った。年代別で見ると、熱中症にかかったことがあるのは20代が最も多く約6割に上った。世間では、子どもやお年寄りの熱中症について注意喚起されるケースが多い中、若い世代ほど「熱中症にかかったことがある」人が多いという実態が明らかになった。

  • これまで熱中症の危険を感じたことはありますか?/夏場に熱中症にかかったことはありますか?

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「こまめな水分補給」ができていない人は9割

経口補水療法を専門とする済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師によれば、一気に水分を飲むと体がすぐに気づいて尿として排出してしまうという。そのため、一口15~30mlの少量摂取を暑い環境では「10分に1回」のペースで繰り返し、「1日1.5L以上」を目安に補給することが推奨されている。

調査の結果、推奨される1日1.5L以上の水分補給ができている人は半数未満(44.2%)にとどまり、10分に1回の頻度で水分補給ができている人はたったの1割(10.0%)という結果に。9割(90.0%)がこまめな水分補給ができていない実態が浮き彫りとなった。

  • 夏場の1日の水分補給量について教えてください/あなたは普段、夏の時期はどのくらいの頻度で水分補給をしていますか?

    夏場の1日の水分補給量について教えてください/あなたは普段、夏の時期はどのくらいの頻度で水分補給をしていますか?

約8割が誤った水分補給を行っていることが判明

谷口医師によると、「キンキンに冷えたドリンクを飲む」「喉が渇いてから水分補給する」「がぶ飲みする」「スポーツドリンクを避けて水のみを飲む」などの行動は、平時以上に過酷な「酷暑日」の水分補給としては、かえって逆効果になる可能性があることを指摘している。

そこで、35度以上の猛暑日における水分補給法を調査したところ、約8割(79.9%)が誤った水分補給を行っていることが浮き彫りとなった。

  • 35度以上の猛暑日など、暑い日の水分補給の仕方について、ご自身の経験に近いものを全て選んでください

    35度以上の猛暑日など、暑い日の水分補給の仕方について、ご自身の経験に近いものを全て選んでください

水筒にスポドリや経口補水液はNG、約半数が知らず

熱中症対策として広く利用されているスポーツドリンクや経口補水液だが、塩分を含むため、サビの発生や破損の原因になるおそれがあり、一般的な金属製の水筒に入れることは推奨されていない場合があると見聞きしたことがあるか、の問いに、約半数が(46.9%)が「ない」と回答した。

  • ステンレス製の水筒にスポーツドリンクや経口補水液を入れるのは良くないという情報を見聞きしたことはありますか?

    ステンレス製の水筒にスポーツドリンクや経口補水液を入れるのは良くないという情報を見聞きしたことはありますか?

酷暑日の「水分補給」の正解は?

谷口医師が、酷暑日における理想的な水分補給法について解説している。

一般的な夏時期については、通勤や買い物、レジャーなどの日常的な活動であれば、10分に1回のペースでの給水を意識し、1日の摂取目安は1.5L以上が目標となる。一方、2~3分に1回と頻度を上げ、活動時間に応じて摂取量を増やす必要があるという。

40度以上の酷暑日では、10~15分に一度は必ず水分を摂ることが推奨される。運動や労働を伴う場合は、2~3分に一度、喉の渇きを感じる前に飲むことが鉄則。また、屋外で活動する際は、個人の判断に任せず「強制的に休憩と給水」をセットで行う仕組み作りが欠かせない。

  • 夏時期・猛暑日・酷暑日における水分補給の目安

    夏時期・猛暑日・酷暑日における水分補給の目安

酷暑における「水の温度」と「飲み方」の注意点

40度以上の酷暑でも、冷たすぎない水温(10度~20度)が最もバランスが良いとされている。また、気温が高くなるにつれて一気に飲みたくなるが、「がぶ飲み」は逆効果となるため注意が必要である。

理由として、胃に大量の水が入ると吸収が追いつかず、特に暑熱環境では血流が皮膚に集中し胃腸の働きが弱くなる。そのため、水が胃に溜まり「気持ち悪くなる」症状が起こりやすくなる。また、汗で失われる塩分(ミネラル)を補わずに水だけをがぶ飲みすると、血液が薄まり非常に危険だという。

夏の子どもの正しい水分補給

夏の子どもの水分補給については、成長に合わせた調整が重要となる。低学年は腹痛のリスクを避けるため、冷やしすぎず(10度~20度)一回50~100mLを目安に少量ずつ飲ませることが推奨される。高学年は冷水でも問題ありないが、全学年共通で「一気飲み」は厳禁。冷たすぎると喉の渇きが麻痺して水分不足に気づかなかったり、体温の下げすぎでだるさを招くともある。

理想の水分補給をするために"ストローでの水分補給"を推奨

「こまめに水を飲む」ことを習慣にするのは、意外と難しいもの。しかし、ストローを使うと自然に理想的な水分補給ができるという。ストローでの飲水のメリットは、無意識にちょうどいい量が飲める点。一口の量が自然と少なくなり、胃腸に負担をかけずに「ひっそり補水」がしやすくなる。また、飲水時に首を傾ける動作がなかったり、マスクやリップをしていても飲水しやすく続けやすい点もポイント。仕事中や移動中でも気軽に水分補給することが習慣化の第一歩となる。