映画『箱の中の羊』完成披露試写会で、綾瀬はるかが是枝裕和監督との“11年ぶり”の仕事を回想。独特な言葉で監督の変化を表現しようとする綾瀬に、千鳥・大悟が思わずツッコミを入れる場面もあり、会場は笑いに包まれた。
是枝監督を綾瀬はるかが絶賛
映画 『箱の中の羊』(5月29日公開)の完成披露試写会が11日に都内で行われ、綾瀬はるか、大悟(千鳥)、桒木里夢、寛一郎、柊木陽太、野呂佳代、是枝裕和監督が登壇。進行を宮司愛海アナウンサー(フジテレビ)が務めた。
是枝監督の作品に出演するのは、映画『海街diary』(15)以来およそ10年ぶりになる綾瀬。宮司アナから「久しぶりの監督とのお仕事はいかがですか?』と尋ねられ、「11年前もすごく穏やかでいらっしゃって、今回さらに……すごい領域に行かれてる感じがして」という感想を話すと、大悟が「すごい領域に行かれてた……? わしは初めてやから分からんかったけど」と深掘りする。
すると、綾瀬が「なんか、すごい……すごい……なんなんですかね、監督?」とまさかの監督本人にパス。大悟から「それを聞いてるねん(笑)」とツッコミが入り、客席からは笑いが起こった。
さらに、綾瀬が「監督の空気ですね。監督の目の奥にある自信……!」と独自の視点で監督に感じた変化を語ると、是枝監督は「10年前に比べると、どう来てもこう行けば大丈夫だなみたいな。受けに多少余裕が出たのかなと思います」と自己分析。監督のフォローを受け、綾瀬は改めて「10年前も素晴らしかったんですけど、今回も本当に監督すごいなと毎日思うことがたくさんありました」と賛辞を贈っていた。
映画 『箱の中の羊』ストーリー
息子を亡くして2年、建築家の音々(綾瀬はるか)と工務店の二代目社長を務める健介(大悟)の甲本夫婦は、息子・翔(桒木里夢)の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。彼が到着した日、「おかえり」と駆け寄り喜びを隠さない音々と、戸惑いを隠せない硬い表情の健介。「パパだよね」と問いかけられた健介は、「おじさんでええよ」と答えるのだった。
少しずつ動き始める家族の時間。静かに広がっていく波紋。ほどなく予期せぬ事態が起こり、夫婦がそれぞれに抱く息子の死への想いが露わになっていくのだった。夫婦とは? 家族とは? 彼らは大きな決断に迫られる。そんな中、ヒューマノイド翔は密かにヒューマノイドの仲間たちとつながり始める――。
『万引き家族』から8年、是枝裕和監督オリジナル脚本による日本映画
社会に生きる人々を鋭く温かな眼差しで描き、高い評価を得てきた是枝裕和監督。是枝監督作品は特にカンヌ国際映画祭を中心に数々の栄誉ある受賞を果たしてきた。『誰も知らない』(04)では主演・柳楽優弥が最優秀男優賞、『そして父になる』(13)では審査員賞、『万引き家族』(18)では最高賞パルムドール、『ベイビー・ブローカー』(22)ではエキュメニカル審査員賞と主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の最優秀男優賞、『怪物』(23)ではクィア・パルム賞と脚本家・坂元裕二が脚本賞を受賞。
『万引き家族』から8年、再び是枝監督オリジナル脚本による日本映画が完成した。最新のテクノロジーで「亡き人を蘇らせる」という発想が企画の出発点という是枝監督。本作で描くのは、少し先の未来のテクノロジーによって進化した日常、そこに生きる夫婦、そして新たな家族のかたち。子供を亡くした夫婦が迎え入れたのは息子の姿をしたヒューマノイド。
「おかえり、翔」「ただいま ママ、パパ」
再び動き出した家族の時間。やがて一家を待ち受ける、想像を超えた「未来」とは。
妻の音々を演じるのは、綾瀬はるか。亡き息子の姿や声で心の穴を埋めようとする言葉にできない細やかな感情のグラデーションを真っ直ぐに訴える。夫の健介を演じるのは、千鳥の大悟。死なせてしまった息子への罪の意識や、ヒューマノイドを家族に迎える戸惑いや葛藤を抱えた人間味溢れる人物像をくっきりと浮かび上がらせる。ヒューマノイド翔役には、200名以上のオーディションから抜擢され、これが映画初出演となる桒木里夢。
共演には、清野菜名、寛一郎、柊木陽太、角田晃広、野呂佳代、星野真里、中島歩、余貴美子、田中泯。 実力と演技力を兼ね備えた名優たちが集まった。音楽を手がけるのは、国内外で注目を集め、現代音楽から映画・ドラマ、ポップスまでを縦横無尽に駆け巡る坂東祐大氏。タイトルの『箱の中の羊』は、「星の王子さま」の「一節」から着想された。悲しみや葛藤そして喜びを共にして生きる夫婦と、息子となったヒューマノイドを待ち受ける想像を超えた「未来」とは——。

