
今年で開催25周年という大きな節目を迎えるサマーソニック。その四半世紀にわたる歩みを、公式プレイリストとビデオポッドキャストで振り返るSpotify限定コンテンツ「5x5 Years of SUMMER SONIC」の公開がスタートした。
本日5月8日にはビデオポッドキャストの第3回「Episode 3: 2010-2014」が配信開始。5月22日まで毎週金曜日の正午に新エピソードが更新される(全5回)。本プログラムでは、オーガナイザーの清水直樹(クリエイティブマン代表取締役社長)と、サマソニ初回からメインステージのMCを務めるサッシャが登場。長年現場を共にしてきた二人だからこそ語れる、貴重な振り返りトークを楽しむことができる。
Rolling Stone Japanでは、この対談のテキスト版をお届けする。本記事では、2010年〜2014年をプレイバック。[構成:西廣智一]
左からサッシャ、清水直樹(Photo by Mitsuru Nishimura)
2010年:矢沢永吉、BIGBANG、テイラー・スウィフトの出演秘話
サッシャ:今回は2010年〜2014年、11年目から15年目までを振り返ります。まずは2010年ですよね。前年は3日間やりましたけれども、今回は2日間と通常モードに戻っての開催。2010年もすごいラインナップですね。
清水:今考えるとすごいでしょ?
サッシャ:だって、ジェイ・Zとスティーヴィー・ワンダーですから。
清水:そして、テイラー・スウィフトもいて。
サッシャ:テイラー・スウィフトはよく覚えてます。
スティーヴィー・ワンダー (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
清水:あと、矢沢(永吉)さんがメインステージの結構前、早い時間帯に出ていたりして。
サッシャ:サマソニの直前に、私はたまたまラジオで矢沢さんにインタビューをしていたんですよ。で、矢沢さんのライブって、出囃子みたいな音が鳴ってバンドが演奏し始めると、ご本人はステージ裏に止めた車から出て、階段を上がってステージに出ていくじゃないですか。当時はそれを知らなくて、「音楽が鳴ってるのに本人いないじゃん!」とステージ袖で待っていたら、矢沢さんが車から出てきて、あと10秒ぐらいで歌い始めなきゃいけないギリギリのタイミングなのに、袖にいた私のところにまで来て握手をしてくださってから、ステージに出ていって歌い始めたんですよ!
清水:余裕だね。
サッシャ:「何この人!?」と驚いて、その瞬間に惚れましたよね。
清水:そういう瞬間瞬間で、すべての人の心を奪う力を持っている人なんだよね。
サッシャ:だって、もう5秒後には歌わなきゃいけないんだから、別に私のところに来なくてもいいじゃないですか。しかも、こないだ会ったばかりの小僧に対して。本当に素晴らしい人だなと思って、そこから矢沢さんのライブによく行くようになりました。
清水:そうだったんだ。この年のラインナップを改めて見るとすごいなとは思うんだけど、実はかなり迷走してるのよ。
サッシャ:迷走していたんですか?
清水:だって、この年は最初KISSの予定だったから。
サッシャ:ヘッドライナーですか?
清水:そう。ジェイ・Zのところが実はKISSだったの。で、ジェイ・Zをスティーヴィーのほうに入れると、収まりがいいでしょ。
サッシャ:ああ、本当だ!
清水:でも、KISSが外れて、ジェイ・Zを1日目のほうに入れなきゃいけない。で、そういうときってやっぱりレジェンドに頼ることが多くて、2日目はスティーヴィーにヘッドライナーをお願いして。だからいろんな葛藤があって、ジェイ・Zが1日目に行ったからNASも同じ日に動かしたり、もう一方にはスティーヴィーがいるからア・トライブ・コールド・クエストは2日目みたいな。2日通じていろいろ混ざっちゃってるんだよね。
サッシャ:本当だ。でも、いい意味でひとつのジャンルに収まってない流れにはなりましたよね。
清水:サマーソニックを続けてきた中で「こんなに苦労するんだ」っていうのを、初めて経験した年だったかもしれない。
ジェイ・Z (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
サッシャ:でも、ジェイ・Zの前年にビヨンセが出ていたので、これで夫婦でヘッドライナーってことになりましたよね。スティーヴィーは伝説だったなあ。
清水:ライブが終わるのが早かったよね。始まるのは遅かったんだけど、終わるのも早いんだっていう。
サッシャ:セット的にはちょっと短めだったんじゃないかなと思いますけどね。
清水:だから俺、スティーヴィーのステージを見逃したもんね。
サッシャ:そうだったんですか! 裏のドリーム・シアターかなんか観てたってこと?
清水:いや、このときはピクシーズかな。大好きだったから絶対に観なきゃと思って、スティーヴィーがステージ袖でみんなで手を繋ぎながら10分20分とお祈りして、なかなかステージに出てくれないから、痺れを切らしてピクシーズに移動して、あとで戻ってこようと1回席を外したのよ。で、最後に3曲くらい観れるかなと思ってマリン(スタジアム)に戻ったら花火がドーンって(笑)。
サッシャ:終わってしまったと(笑)。
清水:「あれっ?」みたいな。
サッシャ:でも、「そういうことも今になれば笑い話」みたいな人も結構いるでしょうね。
清水:お客さんの中にもね。駅が混雑するから、(2003年に)レディオヘッドが「Creep」をやる前に帰っちゃったりとかね。
サッシャ:そういうのも絶対ありますよね。この年で覚えているのは、(MARINE STAGEの)ステージ左右のスクリーンがなくなって、上3面のスクリーンに変わったんですよね。これが当時は面白くて。
清水:面白かったけど、ちょっとよくわかんなかったよね(笑)。制作チームに「いいのか、これ」って言ったけど。
サッシャ:上を見れば横を見なくて済むっていうのは良かったけどね。
清水:まあ、そういういろんなトライをした年だったね。
2010年サマーソニックの公式紹介映像 MARINE STAGE「上3面のスクリーン」は0:20〜
清水:あと、この年はBIGBANGが出てるよね。これがK-POPアーティストがロックフェスに出る、ある意味で先駆けだったのかな。
サッシャ:そうですね。BIGBANGの日本デビューが2009年ですから。
清水:そう考えると、結構早かったね。
サッシャ:目の付けどころが早いんですよ。これ、クリエイティブマン社内で「BIGBANGですよ!」って言った人がいるんですか?
清水:(BIGBANGが所属する)YGエンターテインメントのアーティストはすごく注目していたんだよね。それで、彼らもサマソニに出たいっていうことで、ライブを観に行ったんだよ。それで「ちょっとやってみたいな」と思って、ブッキングしたのは覚えてる。
サッシャ:そういうところの決断力も、清水さんすごいですね。遊び心を忘れていないというか。
清水:やっぱり「出たい」って人に対しては、まず自分でチェックするなりしなきゃいけない。もちろん、そこですべてのアーティストを出せるわけじゃないけど、BIGBANGに関してはなんか刺さったんだよ。
サッシャ:なるほど。あと、その後にドーム公演を何本もやる巨大プロダクションでおなじみのテイラー・スウィフトも初出演。僕、覚えてるのが、このとき袖にいたんですよ。で、当時はSNSが今ほど主流じゃなくて、スマホも一般的じゃなかったんですけど、テイラーのお母さんが袖でパソコンを立ち上げて、テイラーが「今から(ステージに)行きます!」っていうのをパソコンのカメラを使って撮影していて。そういう時代だったんですよね。
清水:それ面白いね。
サッシャ:ファン向けの動画だったんでしょうね。テイラーってやっぱりSNSの使い方もうまいじゃないですか。当時から、インターネットを使ってファンと交流するのをいち早くやっていて、「こんなことやってる人いるの?」っていう衝撃を受けたことを覚えてます。
清水:ビヨンセからの流れでテイラーが出て、ますますこういう歌姫がサマーソニックを印象付けてくれてるよね。
テイラー・スウィフト (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
2011年:レッチリ初出演の決め手、少女時代とアジアへの視点
サッシャ:次、2011年に行きます。この年は東日本大震災があったので、開催までが大変だったんじゃないかと思うんですけど。
2011年ヘッドライナーのザ・ストロークス (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
清水:まず、幕張って埋立地だから液状化したんだよね。3月に公園のあたりを見に行ったら、地割れしていて。もちろん、絶対に開催しようとは思っていたんだけど、使えるエリアと使えないエリアっていうのを考えたよね。だから、ポールを置いたり線を引いて「ここは入らないでください」みたいなことをやりながら、この年は開催して。成功の要因としては、やっとレッチリをここでヘッドライナーにできたっていうことかな。苦節何十年で、ようやく口説き落とせたっていう。
サッシャ:ずっと呼びたかったんですか?
清水:レッチリはやっぱり、ロックフェスとしては絶対に出したかった。なので、1年目からトライし続けていたんだけど、ずっとダメで。でも、この年のちょうど1、2年前のコーチェラでピーター・メンチっていうマネージャーに会って、「とにかくレッチリを出したいんだ。絶対にみんなもサマソニで観たいはずだから」みたいなことを伝えたの。それで、「今年〜来年はダメだけど、再来年はいけるんじゃないか」みたいな話になり、2011年に合わせてくれたんだよね。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
サッシャ:口説きの決め手は何だったんですか?
清水:とにかくレターを出せって言われたのは、よく覚えてる。
サッシャ:本人たちにオファーの手紙を書けと。
清水:なぜお前がそれだけレッチリを呼びたいのか、フジロックがある中でサマーソニックのファンはレッチリをどういうふうに待っているのか、みたいなことを送ってくれと。そういうメールを送ったのは覚えていて、それをマネージャーがアンソニー(・キーディス)なのかフリーなのか、あるいはみんなに伝えてくれたのか。それがやる気を出させてくれる要素になったのかもしれないね。
サッシャ:すごい。そういうフェスのブッキングって業務的なのかなと思うけど、情の部分もいっぱいあるんですね。
清水:レディオヘッドのときもそうだけど、やはりそれを伝えるにはバンドに近い人に伝えないとダメだよね。マネージャーだったり、ブッキングエージェントでも本当にバンドに近い人たちにそういったことを伝えて、そして動かしてもらうっていう。
サッシャ:本当に人との繋がりっていうのが大事なんですね、この仕事は。
清水:そうだよ。フジロックだってそうだと思うけど、ずっとプロモーターとしてやってきた僕らじゃないと、やはりこういうフェスを作れないんだよ。
サッシャ:そういう人脈がないと。
清水:そりゃさ、俺たちよりもお金を持っている企業はたくさんあるわけじゃない、「今年は20億出します」みたいな人たちが。ただ、その人たちがやると言ったって動かないわけ。やっぱり信用できないし。そういうところで信頼を積み重ねてきた僕らが、ちゃんとフェスをやるために熱いメッセージを送るっていうのは、お金以上に大事な部分なんだよ。
サッシャ:かつ、サマソニを10年以上続けてきたからこそ、本人たちも納得したところがあったでしょうし。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、2011年サマーソニック出演時のインタビュー映像
サッシャ:この年はX JAPANも初出演。当時、彼らはフェスなんて出てなかったですからね。
清水:まだ出演が正式に発表される前に、なんか「出る」みたいなことをポロリしてたよね(笑)。
サッシャ:ありましたね(笑)。
清水:俺も結構ポロポロ喋るほうだけどさ、本人が喋るってなかなかないよね。
サッシャ:大体みんな言いませんからね。
清水:YOSHIKIさんね(笑)。俺はそういうの好きだよ。
X JAPAN (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
YOSHIKI(X JAPAN)、2011年サマーソニック出演時のインタビュー映像
サッシャ:そして、K-POP勢からはBIGBANGに続いて少女時代も出演しました。
清水:とにかく頂点だったからね、このときの少女時代は。こだわりとしてヘッドライナーで出たいっていうことだったので、MOUNTAIN STAGEのクロージングアクトとして出てもらって。それもいろんな知恵を絞り出して、こういう形で出てもらったんだけどね。
サッシャ:ヘッドライナーの次に締めてもらうみたいな感じで。この年のラインナップを見ると、ISLAND STAGEが”ASIAN CALLING”という形で、アジア圏の気鋭のアーティストがたくさん出演しています。今に続く流れですけど、これが始まったのもこの年なんですね。
清水:この年か、その前ぐらいからかな。とにかくアジアのアーティスト、ちっちゃいインディ系のアーティストだけど、サマーソニックにも入れていこうみたいなのはここからスタートして。このあとに大きくなっているようなアーティストも、実は出てきているんだよね。
サッシャ:たしか、この時代はマリンの隣の駐車場か何かでやっていましたよね。今はシャトルバスのバス停になっていますが。
清水:そうそう、あそこでやってた。なかなか人が集まりにくかったんだけど、でも4〜5年くらい頑張って続けたんだよね。
サッシャ:そして、もともとは冬フェスだったSONICMANIAが、サマソニの前夜祭として復活。2日開催だとあっという間に終わってしまうところが2日半になりました。
清水:まさしくその論理だよね。サマーソニックを3日間、ずっと続けるっていうのはハードルも高いし、何よりブッキングの難しさっていうのを僕も理解していたから、毎年3日はつらいだろうなと。でも、そういう中で2日半だったら何かできるかなと考えたときに、(サマソニの)MIDNIGHTでやってきたようなことを金曜日にオールナイトで、別のフェスとしてやるのはどうだろうと。で、そこにはアンダーワールドやケミカル・ブラザーズみたいなアーティストをまずブッキングしようと考えて、この年から始めたんだよ。で、1年目はアンダーワールドと、プライマル・スクリームの『Screamadelica』セットだったかな。完璧なラインナップでスタートできて、盛り上がったよね。
サッシャ:やっぱりオールナイトとなると、ダンスミュージックが似合いますね。周年の3日間開催はいいんですけど、毎年3日間だと金曜日は平日ですから、そういった意味ではこの夜からスタートするっていうのも、いいコンセプトですし。
清水:そうだね。ドンピシャにハマって、いいスタートを切れたのがこの年だね。
2011年ソニックマニアのラインナップ
2012年:リアーナとスフィンクス、BABYMETAL伝説の幕開け
サッシャ:続いては2012年。グリーン・デイが3度目のヘッドライナー、そして先ほども話に出ていた、ビヨンセと同時に考えていたリアーナがもう1組のヘッドライナーです。
清水:ビヨンセを経て、今度はリアーナがヘッドライナーになるっていう。この年もラインナップには自信があったね。グリーン・デイは何度来ても間違いないアーティストだし、その一方で、サマーソニックに新しいイメージを持たせるうえで、リアーナはまさしくドンピシャのアーティストだったので。その前にジャミロクワイとかピットブルとか、そういったアーティストもしっかり並べられたしね。あと、ニュー・オーダーとシガー・ロスがMOUNTAIN STAGEのトリを飾ってくれたし、この年は申し分のないバランスだったんじゃないかな。
グリーン・デイ (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
サッシャ:吉井和哉さんのときにすごい雨が降って、虹が出たのを覚えてますね。たしか虹の歌を歌ったときに、本当に虹が出るという奇跡が起きて。
清水:その一方で、大阪では大豪雨と雷によってステージがストップするみたいなこともあったんだけどね。あのときはグリーン・デイの裏で、「今こんな状態です」「メインステージがストップしました、再開できません」とか大阪から電話がひっきりなしに来ていたんだけど、最後にリアーナだけはどうにかっていうことで、いろんなことを考えて。結局、ケシャとかPerfumeはどうにかやってくれて、ピットブルとジャミロクワイはできなかったという。
サッシャ:たしかリアーナは、ステージセットがとんでもなかったんですよね。
清水:スフィンクスみたいな感じだったやつだ。
サッシャ:そう、エジプトみたいなトーンで。
リアーナ (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
サッシャ:サマソニのステージって、実はよく見ると後方に黒幕があって、その後ろにそのあとに出演するアーティストのセットが準備してあったりするんですよね。で、このときは朝イチからずっと何かを作っていたんですよ。普通はドラムとかが代わりばんこに入ってたりとか、最後のアーティストが使うLEDが後ろに置いてあったりするんですけど、あの日は最初のアーティストがやっていたとき「ここ建築現場ですか?」ってぐらいずっと大掛かりなものを作っていて。たぶん歴代で一番派手なセットだったんじゃないかな。
清水:普通は空気を入れて膨らませたりするのに、本格的に組み立てて作ったのがすごいよね。
サッシャ:骨組みから作ってましたから。しかも、真ん中にひとつだけじゃなくて横にもありましたからね。
清水:気合いを感じるよね。
サッシャ:そういうヘッドライナーのアーティストのために、ステージをどうしていくか考えるっていうのも、おそらくクリエイティブマンの皆さんの中では毎年苦労があるのかなと思いますが。
清水:そうなんだよ。こればかりは、(実際にアーティストが)来てみないとわからないからね。最初から「このセットでやります」じゃなくて、基本アーティストは(出演が)コンファームしたあとに、そういったものをすべて送ってくるから、最初の時点では僕らはわかんないんだよ。基本的にはヘッドライナーに合わせたステージ構成にするので、逆にその前の人がすごいセットを持ってきても希望に添うことができないんだけどね。
サッシャ:さらにこの年は、BABYMETALがサマソニ史上最年少で、サイドショーステージに出演しています。
清水:(幕張メッセ内の)飲食エリアみたいなところだよね。
サッシャ:今だと信じられないですね。
清水:みんなスタートはそういうものなんですよ。彼女たちがその後、世界中のフェスに出まくるようなアーティストになるとは、誰もまだ思っていなかった頃だし。
サッシャ:そのアーティストが、今年(2026年)はSONIC "METAL" STAGEのキュレーターを務めるわけですから。サマソニ、夢ありますね。
清水:そうね。彼女たちみたいに、今そういう小さなステージにいても、いつかは……っていうことがね。前例ができたわけですから。
サマソニありがとうございました!!チケット完売後の出演発表だったのでホントはドキドキイブニングだったのですが、ライブが始まったら遠くの方までイッパイ集まって頂いて本当に感激DEATH!!一体感がハンパなかった!!皆さんに感謝!!感謝!! pic.twitter.com/Sxz79ROh — BABYMETAL (@BABYMETAL_JAPAN) August 19, 2012
2013年:ミューズ、ミスチル、The 1975初出演「完璧な年」
サッシャ:そして2013年は、サマソニ史上初のダブルヘッドライナー。初日がメタリカとリンキン・パーク、2日目がミューズとMr.Childrenです。
清水:これは売れるよね。実際、この年はすぐ完売したし。だって、メタリカとリンキン・パークの下にフォール・アウト・ボーイまでいますから。
サッシャ:ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインもいますし。
清水:それにマキシマム ザ ホルモンとONE OK ROCKまでいるっていう。どういうことだよと(笑)。
サッシャ:今だったらね、ワンオクもここ(のポジション)かっていう話ですし。
清水:ワンオクはこの数年前、ちっちゃいステージだった頃からずっと連続で出てるよね(初出演した2010年はISLAND STAGE)。

メタリカ (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.

リンキン・パーク (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
ONE OK ROCK、2013年サマーソニック出演時のインタビュー映像
サッシャ:ミューズなんて、2000年の頃はトップバッターでしたよね。それがついにヘッドライナー。
清水:いよいよ。前回(2006年)はメタリカの前だったから、満を持してってことだよね。やっぱり完璧でしょ? それにペット・ショップ・ボーイズ、アース・ウインド&ファイアー、そしてシンディ・ローパーですから。ヤバいよね(笑)。このステージ(2日目のMOUNTAIN STAGE)、大人世代は離れられないですよ。

ミューズ (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
サッシャ:そして、The 1975が(初出演で)SONIC STAGEに出ています。
清水:いやあ、ここから伝説が作られていったと。さっきのベビメタもそうだし、そういうアーティストがここから産声を上げていったわけだね。
サッシャ:その後、メインステージのヘッドライナーになっていくわけですから。
The 1975、翌2014年サマーソニック出演時のインタビュー映像
サッシャ:あとは、NASがSONIC STAGEのヘッドライナーをやっていたりするし、ISLAND STAGEにはアジアのアーティストもいっぱい出ているんですよね。
清水:ジョン・レジェンドとかイマジン・ドラゴンズとか、このあたりがメインステージでやってるっていうのがまたね。
サッシャ:ミッドナイトにはスティーヴ・アオキが出てますね。
清水:本当に盛りだくさんで、体がいくつあっても足りないような時代だったね。
サッシャ:ステージ1つひとつがより充実している。
清水:自分でも全部観れないからね、これだと(笑)。
サッシャ:清水さんといえども(笑)。清水さんは主催者だから、デンと構えているように思われがちですけど、実は誰よりも動いてますからね。
清水:動いてるね。自転車を使ったり、今だと車でマリンとメッセを行き来してるし。今は自分の部屋にモニターを置いて、一度に4、5ステージぐらいを観られるようにしてるのね。で、観たいところはボリュームを上げたりと、できるだけいろいろチェックするようにはしているんだけど。
サッシャ:でも、当時は足で稼ぐしかなかったと。
清水:だから、めちゃくちゃ疲れるんだよ(笑)。
サッシャ:そりゃそうです(笑)。一番躍動的なオーガナイザーなんじゃないかと思いますよ。
2014年:クイーン+アダム・ランバートの復活劇
サッシャ:それでは、2014年に行ってみましょう。このときはアークティック・モンキーズが2度目のヘッドライナー。そして、伝説のクイーン+アダム・ランバートですね。

アークティック・モンキーズ (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
清水:このときのクイーンはすごかったよね。その後、この年のサマソニの映像がDVD化されて、海外でも話題になって売れたりしたし。それくらい素晴らしかった。たしか、このとき初めて、僕らもフレディ(・マーキュリー)が映像で登場することを知って。
サッシャ:これね、私は3回泣きましたから。クイーンはフレディがいなくなってから、迷走というか模索していたじゃないですか。その一方、アダム・ランバートは『アメリカン・アイドル』から出てきた、もともとミュージカルとか歌っていたシンガーなんだけど、本当にフレディの良い部分を踏襲しつつオリジナルのカラーを出せる人として、クイーンとユニットを組む形になって。(オリジナルメンバーは)ブライアン・メイとロジャー・テイラーしかいないんだけど、そこにフレディが映像で出てきて、さらに今は活動していないジョン・ディーコンも出てきて。3人のステージだったんだけど、実は5人のステージだったんですよね。

クイーン+アダム・ランバート (C) SUMMER SONIC All Rights Reserved.
清水:当時はアダム・ランバートが入りたてで、すごく気を遣ってた部分もあったけど、今やドームツアーをするくらいにまでなって。だから、サマソニはその復活のちょうど始まりだったんだよね。実は、この年のサマソニはソールドアウトしてないんだよ。
サッシャ:そうなんですか。
清水:彼らにとっても、まだそういう時期だったんだよね。ただ、あの場にいた僕らはものすごいものを観たなって、わかってるじゃない。そこから次は武道館で、最終的にドームという。彼らのようなベテランでさえ、こういうステップをもう一度積んでいった、そういう貴重なライブがこの年のサマソニだったのかなと思います。
クイーン+アダム・ランバート、2014年サマーソニック来日時の映像
サッシャ:そのほかに、ロバート・プラントも出ていて。(レッド・)ツェッペリンのナンバーも歌ったという。
清水:ロバート・プラントは強烈な人だったなあ。(顔を合わせた際に)「お前がプロモーターか。ウドーは元気か?」と言われて(笑)。
サッシャ:違うプロモーターの話を(笑)。
清水:有働さんの下でやってる男だと思ったのかな、みたいな。彼の中ではそうだったんだろうね。
サッシャ:ここでチャーリーXCXが初来日。当時はまだ「Boom Clap」とか、アイコナ・ポップが歌っていた「I Love It」の提供アーティストとしての位置だったんですよね。
清水:そうだったね。あと、トゥエンティ・ワン・パイロッツとかペンタトニックスもこのとき(初出演)かな。ペンタトニックスはGARDEN STAGEだよね。まだお客さんも数千人いたかいなかったかって感じだったかもしれないけど、ここから彼らも大きくなっていって。
サッシャ:あとは、Billboard LiveとのコラボでBEACH STAGEも徐々に形が作られていって。
清水:やっと独自の色が出てきた頃だよね。
※「5x5 Years of SUMMER SONIC」Part.4 2015-2019に続く
【5x5 Years of SUMMER SONIC】
Part.1:サマーソニックの幕開け、2000-2004年を振り返る

サマーソニック25周年記念スペシャルコンテンツ
「5x5 Years of SUMMER SONIC」
▼Spotify限定ビデオポッドキャスト
番組URL:https://spotify.link/5x5YearsOfSS_Podcast
▼Spotify公式プレイリスト
2000-2004:https://spotify.link/5x5SUMMERSONIC2000-2004
2005-2009:https://spotify.link/5x5SUMMERSONIC2005-2009
2010-2014:https://spotify.link/5x5SUMMERSONIC2010-2014
2015-2019:https://spotify.link/5x5SUMMERSONIC2015-2019
2022-2026:https://spotify.link/5x5SUMMERSONIC2022-2026
*コロナ禍でサマソニ開催中止となった2020年・2021年を除きます。

SUMMER SONIC 2026
2026年8月14日(金)・15日(土)・16日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
大阪会場:万博記念公園













