麺と湯気の向こうに、世の中が見える……。連載第12回は、ラーメンの常識を揺さぶる一杯を取り上げる。名店「琥珀」監修の「琥珀特製 しじみ香る金色塩ラーメン」は、わずか119kcal。それでいて、しじみの旨味が広がるスープと喉越しのよいストレート麺で、高い満足度を実現しているという。新ブランド「LOCALO Noodle(ロカロヌードル)」が挑んだ"低カロリーでも美味しいラーメン"の実力を、実食で確かめた。
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119kcalの挑戦! ローカロリーと美味しさは両立できるのか!? 名店「琥珀」監修のロカロヌードルが登場
ローカロリー食品と聞くと、健康的なのはいいけど味はイマイチという先入観を抱いてしまう人は少なくないだろう。実際、これまで筆者自身も数多くの低カロリー系ラーメンを試してきたが、正直に言えば満足度の高い一杯にはなかなか出会えなかった。どこか物足りなさが残り、やはりラーメンはカロリーと引き換えに美味しさを得るものなのかと半ば諦めにも似た感覚を持っていたのが本音である。
そんな中で登場したのが、LOCALO Noodleの「琥珀特製 しじみ香る金色塩ラーメン」だ。
ロカロヌードルとは、その名の通り「ローカロリー」をコンセプトにした新しい麺食品ブランドで、健康志向と美味しさの両立を目指したプロダクトを展開している。単なるダイエット食品ではなく、ちゃんと美味しい一杯を成立させようとする姿勢が特徴だ。 幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏の紹介で、運営のGrand Bleu&Co.の青木康時社長に出会い、私も実際に試食をさせてもらった。
今回の一杯は、名店「宍道湖しじみ中華蕎麦 琥珀」とのコラボレーション。6年連続でミシュラン・ビブグルマンに選出され、さらに食べログ百名店にも同じく6年連続で名を連ねるという実績を持つ、完全予約制の人気店である。そのクオリティをローカロリー商品として再現するという試みは、かなり野心的と言っていい。
まず驚かされるのは、そのカロリーの低さだ。1食あたり119kcal、そしてスープに至ってはわずか23kcal。この数字は、一般的なラーメンと比較すると衝撃的と言って差し支えないレベルである。ラーメンを食べる際に「今日はカロリーが……」と躊躇する必要がないというのは、それだけで大きな価値だ。
調理工程もユニークである。麺は電子レンジではなく、しっかりと茹でて仕上げる仕様。さらに特徴的なのが仕上げの「湯洗い」だ。茹で上げた麺を40℃程度のお湯にくぐらせ、優しくかき混ぜながら10秒ほど整える。このひと手間によって麺の質感が格段に向上する。スープは別途レンジで温めるだけで完成するため、手間とクオリティのバランスも絶妙だ。
ローカロリーという制約の中で満足度を追求した一杯
実際に食べてみると、まずスープの完成度に驚く。しじみの旨味がしっかりと前面に出ており、軽やかでありながら奥行きのある味わい。ダシの厚みを感じさせる仕上がりで、これが23kcalとはにわかに信じがたい。監修した「琥珀」岩田店主が評価したポイントも、まさにこのダシ感にあるのだろう。
一方の麺は、へぎそばの製法を応用したそば粉主体のストレート麺。見た目は細めの低加水ストレート麺に近く、つるりとした喉越しが印象的だ。口に含むとほんのりとした蕎麦の風味が広がるが、それがラーメンスープと不思議なほど自然に調和する。むしろこの組み合わせが新鮮で、ラーメンにおける麺の固定観念を揺さぶられる。
重要なのは、この商品が「どこまで本物に似せるか」という発想に縛られていない点だろう。確かに名店の味をベースにはしているが、それを完全再現することだけを目的としているわけではない。ローカロリーという制約の中で、いかに満足度の高い一杯を成立させるか。その挑戦の中から、新しい価値が生まれている。
結果として、これはラーメンなのか、それとも新しいジャンルなのかと考えさせられる一杯に仕上がっている。従来のラーメンの延長線上で評価するのではなく、「ロカロヌードル」という文脈で捉えることで、その魅力がより鮮明になる。
低カロリーであることを妥協の理由にしない。この一杯は、そんな強い意志を感じさせるプロダクトだ。今後もこうした取り組みが続いていけば、「美味しさと健康は両立できる」という新しい常識が、より広く浸透していくのではないだろうか。





