余談だが、筆者の“青春”は、本作の監督である鈴木雅之の作品群とともにある。左右対称の構図、画面いっぱいのクローズアップ、横一列に並ぶ人物たち、真横真上、右へ左へのカメラワーク…その演出は、常に“画の個性”を爆発させてきた。“なんとなく”テレビドラマを眺めていた少年時代の筆者にとって、それは紛れもない衝撃だった。
『ショムニ』や『HERO』に代表されるように、鈴木演出はどこかファンタジックで、あえて“違和感”を立ち上げる。だからこそ、誇張された世界観の中で、個性豊かなキャラクターたちが生き生きと動き回ることが許されてきた。
しかし本作は“青春”ドラマである。誰の心にもある機微をすくい上げる共感やリアリティが求められる以上、氏の持ち味であるファンタジーとは一見、相性が悪いようにも思える。
だが、筆者は知っている。同じく宇宙を題材とした2007年のドキュメンタリードラマ『女の一代記 向井千秋~夢を宇宙に追いかけた人~』において、鈴木氏のファンタジックな演出が、作品の奥底にあった情熱をすくい上げ、むしろ鮮明に浮かび上がらせていた、あの“奇跡”を。本作にも、その奇跡が宿ると信じているし、すでにその予感もある。
さらにもう一つ余談を重ねるならば、鈴木作品はしばしば“宇宙”から始まる。
『天才柳沢教授の生活』(02年)第1話、『熱烈的中華飯店』(03年)第1話、そして映画『マスカレード・ホテル』(19年)冒頭、いずれも“宇宙”から幕を開ける。(もっと言えば、『ショムニ(2)』のタイトルバックも宇宙から始まっている)
宇宙と言えば鈴木雅之なのだ。だからこそ『サバ缶、宇宙へ行く』がフジテレビで放送される以上、鈴木雅之氏が今作の演出を手がけるのは絶対!なのである。確かに癖は強く、賛否も分かれるだろう。しかし鈴木雅之作品は筆者にとっての“青春”である。だからこそ、これからもその魅力を信じるし、発信し続けていく。












