横浜の歴史を見守ってきた「旧横浜市庁舎」が、2026年4月21日、新たな姿へと生まれ変わる。星野リゾートが展開する都市観光ホテルブランドのフルサービスライン「OMO7横浜 by 星野リゾート」だ。予約受付が開始され注目が集まる同施設の全貌を、一足先にレポートする。
村野藤吾氏が手掛けた「旧横浜市庁舎」を引き継ぐレガシーホテル
1859年の開港以来、日本と西洋の文化が交差し、独自の発展を遂げてきた横浜。このエネルギーと、ハマっ子(横浜市民)が持つ粋なプライドを掛け合わせたのが、ホテルのコンセプト「気分上々、ハマイズム」だ。
舞台となるのは、2026年3月19日に開業する、JR関内駅前の大型複合施設「BASEGATE横浜関内」内。街のシンボルであった歴史的建造物を継承した“レガシーホテル”でありながら、一歩足を踏み入れれば、そこには現代の横浜の魅力に「ハマる」ための仕掛けが満載だ。
「OMO7横浜」の最大の特徴は、昭和を代表する建築家・村野藤吾氏が手掛けた「旧横浜市庁舎行政棟」を保存、活用している点にある。横浜開港100周年記念事業として1959年に竣工し、60年以上にわたり横浜市政を支えた建物だ。2025年8月には、戦後の建造物として初めて「横浜市認定歴史的建造物」に認定された。
コンクリート打ち放しの骨格を暗褐色のタイルで埋めている外観は、街の景観に溶け込むようそのまま活かしている。
旧横浜市庁舎のアイコンでもあった元市民広間大階段のデザインは継承・再構築し、1階と2階を繋ぐ大階段へ。なめらかな曲線を描く手すりの一部に、村野氏の意匠が残る。
パブリックスペース「OMOベース」には、旧市会棟本会議場にあった円形照明をモチーフにしたモダンな光の演出を見ることができる。
エレベーターホールの青いタイルと白い大理石の三方枠は原位置に残し、昇降インジケーターはオリジナルデザインを新規で再現。床の拍子木タイルもそのまま引き継ぐなど、随所に村野イズムが感じられる。
旧市庁舎の"色"を纏う6タイプ+愛犬OKの3タイプの客室
全276室、一般客向けだけで6タイプある客室には、旧市庁舎で使われていた色を落とし込んだ「レガシーカラー」を採用している。「かたりばルーム」(定員4名)は、ゆったりとしたソファを囲み、旅の思い出を語り合えるデザインだ。カラーリングには、旧市長室の「赤」、磁器タイルの「青」、議員席の「緑」が使われており、細部まで歴史へのリスペクトが息づいている。
特筆すべきは、1フロアすべてを愛犬家専用にしたドッグフレンドリーフロアだ。客室タイプは、「ドッグフレンドリーダブルルーム」「ドッグフレンドリーデラックスルーム」「ドッグフレンドリースイート」の全3タイプある。
中でも、ドッグフレンドリースイートは、6名定員に加え、小~大型犬2頭まで一緒に過ごすことができる。
ドッグランの充実ぶりもすごい。屋外ドッグランと屋内ドッグラウンジを備えた「OMOドッグガーデン」では、愛犬と思い切り遊んだり、飲食を楽しみながらリラックスすることもできる。
屋外ドッグランは、小型犬用と大型犬用に分かれているため、飼い主も安心だ。
大型犬用は「横浜スタジアム」を望む抜群の立地で、都市型ホテルにしては敷地面積もかなり広い。
さらにワンちゃん専用のグルーミングルームも備えるなど、愛犬家に嬉しい設備がそろう。
ブランド初のベーカリーで名物「カレーパン」と"パン飲み"を楽しむ
食の提案も独創的だ。ブランド初の「OMOベーカリー」では、30種類以上の焼きたてパンを販売する。
クロワッサンやサンドイッチなどの定番商品がそろうが、中でも注目は特製カレーパンだ。横浜がカレー伝来の地であることにちなみ、ビーフカレーパン、キーマカレーパン、ロースカツカレーパン、チーズカレーパン、キッズカレーパンの5種類が展開されている。
朝食は宿泊者限定で、10種類から選べるパン2品にデリ2品、スープとドリンクが付いた「朝食ベーカリーセット」(1,800円)を提供。昼や夜はビジター利用も可能で、テイクアウトだけでなく、イートインもできる。
併設するライブラリーラウンジや、旧市会棟本会議場の議員席が再利用された2階の窓際席でゆったりといただきたい。
夜には、「イチゴとトマトのブルスケッタ」(1,100円)などが登場。横浜のクラフトビールやナチュラルワインを片手に、パンをつまみにお酒を飲む“パン飲み”が楽しめる。「オールデイベーカリー」がコンセプトのため、朝から夜まで一日中使えるお店だ。
「OMOベーカリー」の壁面にも目を向けたい。彫刻家・辻晉堂氏による泰山タイルレリーフ「海・波・船」が当時のまま保存されている。
横浜発祥のナポリタンやドリア、中華がそろう「OMOダイニング」
腰を据えてゆったりと食事を楽しみたいなら、メインダイニングの「OMOダイニング」へ。
「朝食ビュッフェ」(大人4,000円)では、パンやサラダ、フルーツといった定番メニューがならび、ライブキッチンでは卵料理に加え、点心といった横浜らしいメニューもオーダーできる。
ディナータイムには、横浜発祥と言われるナポリタンやドリアなどがアラカルトで登場。オマール海老の麻婆ポットパイや、スパイシーなラムを包んだ赤の餃子など横浜中華街にちなんだメニューも多い。
ルーフトップテラスでお酒と音楽に酔いしれる「気分上々、ハマナイト」
ホテルの屋上には全長約45メートルにおよぶ「HAMAKAZEテラス」があり、目の前に「横浜スタジアム」を望む絶好のロケーションだ。周辺を一望できる見晴らし台や、足を伸ばして寛げるソファスペース、食事が楽しめるテーブル席で、思い思いの時間を過ごせる。
ここではOMOブランドで展開する夜のイベント「ローカルリズムナイト」の一環として、宿泊者限定で「気分上々、ハマナイト」を開催。西洋音楽発祥の地・横浜らしく、毎晩8時と9時半にはスウィングタイムがあり、金曜日と土曜日の夜は地元アーティストによるジャズやボサノバ、ブルース、ソウルなどの生ライブが行われる。
テラスでは「ナポリタン風ミートボール」や「馬車道アイス」などの限定フードや、クラフトビールやワインも販売されており、お酒を片手に音楽に酔いしれられそうだ。
街を深掘り「横浜レガシーウォーク」「野毛ホッピングセレクション」
星野リゾート「OMO」の核となるサービス「Go-KINJO」も充実している。ご近所ガイド「OMOレンジャー」が、中華街の路地裏や地元民に愛されるバーなど、一般的なガイドブックには載っていない横浜の素顔を厳選。エリアごとに選び抜かれた個性が光るスポットが、1階のマップに掲示されている。
野毛エリアについては、OMOレンジャーが厳選し作成したオリジナルショップカードも用意。さらに横浜の歴史的建造物を巡る「横浜レガシーウォーク」といった街歩きツアーも開催されており、宿泊者は自由に参加できる。
歴史への敬意と最新のエンターテインメントが融合した「OMO7横浜 by 星野リゾート」。ただ宿泊するだけでなく、その場所にしかない物語に触れ、横浜の街をより深く知る。そんな、スマートで知的好奇心を満たす旅を体験してみてはいかがだろうか?





























