JR東日本は、地震による脱線リスクを低減する装置「地震対策左右動ダンパ」を新幹線車両に導入すると発表した。地震発生時、左右方向の揺れに対して車体の揺れを抑制し、高速走行時の脱線リスクを最大約5割低減。新幹線での導入は国内初とのこと。

  • JR東日本が「地震対策左右動ダンパ」を新幹線車両に導入

    JR東日本が「地震対策左右動ダンパ」を新幹線車両に導入

左右動ダンパは、車体の左右方向の揺れを抑えて振動を和らげる装置。従来の左右動ダンパは乗り心地の向上を目的としてきたが、新たに開発した「地震対策左右動ダンパ」は、その機能に加え、地震時の脱線・逸脱リスク低減を図る目的がある。JR東日本は2004年の新潟県中越地震で発生した新幹線脱線事故の教訓を踏まえ、2008年から鉄道総合技術研究所の協力を得て、走行中の列車の脱線・逸脱リスクを低減する地震対策ダンパの開発を進めてきた。

地震で車体が大きく左右に揺らされると、従来の左右動ダンパでは振動を吸収しきれず、車輪が大きく持ち上がり、最終的に脱線につながるおそれがあった。

  • 鉄道総研の協力を得て、走行中における脱線・逸脱のリスクを低減する地震対策ダンパの開発を進めてきたという

    鉄道総研の協力を得て、走行中における脱線・逸脱のリスクを低減する地震対策ダンパの開発を進めてきたという

  • 「地震対策左右動ダンパ」の導入により、地震時の脱線確率が低減

    「地震対策左右動ダンパ」の導入により、地震時の脱線確率が低減

  • 「地震対策左右動ダンパ」の概要

    「地震対策左右動ダンパ」の概要

「地震対策左右動ダンパ」は従来より大きな力を吸収でき、車体の左右の揺れを抑えることにより、脱線や逸脱のリスクを低減できる。通常時は従来の左右動ダンパと同等に機能し、乗り心地向上にも効果を発揮するという。「ALFA-X」や既存車両での検証を経て開発が完了し、2027年秋から順次、E5系、E6系、E7系、E8系に導入する計画とした。

E5系・E6系・E8系は2031年度、E7系は2032年度までに導入予定。工事費は車両改造費用やメンテナンス設備整備費用など含めて約100億円としている。