「戦争を伝えること」は、なぜこんなにも難しくなったのか――。放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が、昨年11月に開催した沖縄県内の放送局との意見交換会の内容を公表した。浮かび上がったのは、若い世代の“矛盾したリアル”。中高生の77%が戦争に関心を持ちながらも、約4人に1人は「悲惨な映像は見たくない」と感じているという。

  • (左から)沖縄テレビ、琉球放送・琉球朝日放送

    (左から)沖縄テレビ、琉球放送・琉球朝日放送

意見交換会には、NHK沖縄放送局、沖縄テレビ、琉球放送、琉球朝日放送、ラジオ沖縄、エフエム沖縄、日本テレビ那覇支局が参加。BPOが実施した中高生モニター30人の調査では、戦争に関心があると回答した生徒は77%に上った。一方で、約23%は「悲惨な映像は見たくない」と答え、恐怖を伴う映像を避ける傾向も確認された。

戦争への関心を持つきっかけとしては、「テレビの記念式典」や「戦争体験者の証言番組」が多く、放送が重要な役割を果たしていることも明らかになった。

また、「残酷な映像は怖い」「アニメの方が安心して理解できる」といった意見もあり、若者への伝え方に工夫が求められている。

BPOの委員は、現在の若者は共感性が高い世代だと指摘する一方、戦争や災害などのショッキングな映像に対して強い心理的影響を受けやすい傾向があると分析。特に幼い子どもほどストレス反応が強くなることが研究で分かっており、年齢や発達段階に応じた表現が必要だとされた。

具体的に委員からは、「アニメなど物語形式で理解を促す」「証言や手記など言葉による伝達を重視する」「年齢に応じて映像表現の強さを調整する」といった工夫が有効とする提案が示された。