JR東日本グループは3月28日、浜松町駅から大井町駅で展開する「広域品川圏」の共創まちづくりを本格始動する。
「広域品川圏」3月28日始動
同社グループは、各駅を中心に展開するえきまち開発を「点」ではなく、開発が連鎖的に進むエリア一体を都市生活のイノベーションが生まれる先進エリアと捉えている。広域品川圏では、Suicaを都市生活における「イノベーション・デジタル基盤」として位置づけ、モビリティーの未来を拓く「立体MaaS構想」など、エリアの価値向上に資する都市生活のイノベーション(LX)を先駆的に起こす取り組みを展開する。これにより、世界中の人々が訪れ、滞在し、回遊し、再び訪れる都市循環の構築に貢献していく。
駅とまちのイノベーション
2026年3月28日より、改札の「タッチ」を契機に「広域品川圏コミュニケーションポータル」を通じて、まち情報を配信するサービスの実証を開始する。「TAKANAWA GATEWAY CITY」、「OIMACHI TRACKS」、「WATERS takeshiba」の情報に加え、順次、地域や商店街等に範囲を拡大する。「えき」と「まち」の情報をつなぎ、新しい回遊創出による顧客体験価値最大化と地域経済活性化のモデル創出を目指す。
また、2027年春には広域品川圏の5駅において、UWBを組み込んだウォークスルー改札の実証試験を行い、シームレスにつなぐ未来を実現していく。
移動のイノベーション
同社グループは、自動運転の実証実験や水素バスの活用、水上交通、空飛ぶクルマなど、モビリティの未来を拓く実証を共創パートナーと進め、陸・海・空の「立体MaaS」実現を目指す。
自動運転バスの走行実証
KDDIと同社は、次世代モビリティの実現に向けた共同プロジェクトとして、3月下旬から初めて自動運転バスで高輪エリアと竹芝エリアを結ぶ走行実証を開始する。自動運転技術や通信、遠隔監視、TAKANAWA GATEWAY CITYの街アプリなど両社の強みを掛け合わせ、新たな移動体験の創出と都市価値向上を図る。
水素シャトルバス OIMACHI TRACKS へ運行開始
3月28日の本格始動に合わせ、TAKANAWA GATEWAY CITYとOIMACHI TRACKSを結ぶ水素シャトルバスを平日限定で試行的に運行する。また、4月1日からは既存のルートをめぐる便が新たに新橋へ停車する。同バスは走行時にCO₂を排出しないゼロエミッション・モビリティであり、来街者の利便性向上と環境価値を体感する移動体験を提供する。
さくらクルーズの期間限定運行
本格始動に合わせ、WATERS takeshiba発着で「竹芝発!春を感じる さくらクルーズ」を期間限定で運行する。東京湾から目黒川へ向かう特別航路により、水辺から桜を楽しむ体験を提供する。
また、竹芝地区の利便性向上のため、羽田空港と竹芝地区を結ぶ「羽田空港アクセス船」(事前予約制)の実証実験も行っている。
エアモビリティを主体にした立体MaaS構想への挑戦
モビリティの未来を拓くイノベーションとして、「空飛ぶクルマ」の社会実装推進に取り組む。陸・海・空の統合移動による立体MaaSの実現を目指す。
くらしのイノベーション
移動や商業に加え、医療や住まいなどの分野にもSuicaを機能拡大する。
「TAKANAWA GATEWAY Clinics Medical & Life Design Hub」では、Suicaを診察券として活用することで、1つのSuicaで複数のクリニックを受診できるようになる。将来的にはSuicaは健康・医療分野へと価値を広げ、PHRを活用した健康サービスの提供を目指す。
TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE内の共創型住居「Link Life Lab」では、Suicaと連動したスマートホーム設備に加え、ビジネス創造施設「LiSH」に入居する企業が持つ先端サービスやロボティクスを住戸に導入し、睡眠や腸内環境の計測設備を備える。得られた生活・健康データはクリニックや街の商業施設等と連携し、個別の睡眠・運動・食の提案につなげる。
上質なナイトタイムエコノミーエリアの形成
OIMACHI TRACKS、TAKANAWA GATEWAY CITY、WATERS takeshibaの3つの象徴的な広場・水辺空間を一体的に活用した都市型文化ナイトフェスを開催する。「Beer & CRAFT SAKE Fes」を9月、「Greater Shinagawa Cinema Fes」を10月、「Greater Shinagawa Stella Week」を11月から、そして周年祭でもある「Tokyo Culture Week」を来春に、それぞれ計画している。
都市防災・BCP強化に向け取り組み
TAKANAWA GATEWAY CITYは、BCP対策として、同社の自営電源を用いた複数系統に加え、緊急時には外部電力会社からの供給にも対応できる多重バックアップを取っており、かつそれらが消失しても、72時間滞在可能な非常用発電機を装備している。
OIMACHI TRACKSのまちびらきに際しては、品川区と「災害時における民間事業者施設の使用に関する協定」を締結した。同施設は広域避難場所や帰宅困難者受け入れスペースとしての役割を担い、約3,000人が72時間滞在可能な機能を備える。
TAKANAWA GATEWAY CITYグランドオープン
TAKANAWA GATEWAY CITYとOIMACHI TRACKSでは、同時開業する3月28日から様々なオープニングイベントを展開する。
1,500機のドローンが大井町の夜空を彩る
OIMATCHI TRACKS内のTRACKS PARKでは、まちびらきの夜に、約1,500機のドローンによる圧巻のショーを実施する。大正の昔から大井工場でいくつもの列車が整備され走ってきた記憶や、広域品川圏・OIMACHI TRACKSの魅力等を3Dで立体的に描く20分間の天空ショーが展開される。日時は3月28日の19:00からと21:00からの2回を予定している。
山手線プレミアムツアー「FUTURE GATE TRAIN」
高輪ゲートウェイ駅まで山手線をほぼ一周する特別列車「FUTURE GATE TRAIN」を運行する。MoN Takanawa: The Museum of Narrativesの総合プロデューサー小山薫堂氏の監修のもと、未来を創る多彩なゲストとのトークやアクティビティが楽しめる特別なツアーとなる。日時は3月30日の午後を予定しており、詳細は3月上旬にTAKANAWA GATEWAY CITYの公式WEBサイト等で発表される。
「音楽」と「光」のパフォーマンス
TAKANAWA GATEWAY CITYとOIMACHI TRACKSの2拠点を回遊して楽しめる「音楽」と「光」のパフォーマンスを開催する。高輪ゲートウェイ駅から大井町駅は京浜東北線で2駅、約5分の距離にあり、2つの街を行き来してエンターテインメントを堪能できる。
TAKANAWA GATEWAY CITY内の「Gateway Park」および高輪ゲートウェイ駅南改札外3階テラス(予定)では、貨物コンテナをリノベーションしたスペシャルなポータブルステージが、街の広場でDJプレイやライブパフォーマンスを展開する。世界的に注目されている10代の海外アーティストや、高輪ゲートウェイ駅で好評を博している「EKINAKA DJ」に出演のアーティストなどが登場し、昼も夜もにぎやかに街を盛り上げる。開催期間は3月28日から4月26日まで、14:30からと18:00からの実施を予定している。
OIMACHI TRACKS内では、夜を鮮やかに彩るプログラムとして、プロジェクションマッピングを開催する。光と映像が織りなすダイナミックなプロジェクションマッピングが大井町の夜に新しい物語を描き出す。開催期間は3月28日~6月1日まで、時間は18:00から23:00までを予定しているが、初日のみ19:20からの開始となる。
文化の実験的ミュージアム
TAKANAWA GATEWAY CITYには、文化創造・発信拠点「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」が誕生する。「100年先に文化をつなぐ」をミッションとする文化の実験的ミュージアムでは、伝統芸能や漫画・アニメ、音楽、食などの日本文化に最新テクノロジーを掛け合わせ、他に類を見ないジャンルを超えた展示やパフォーマンスを展開する。
開館記念テーマは「Life as Culture – 生きるは、ブンカだ」。「ぐるぐる展—進化しつづける人類の物語」や新しいマンガ体験「MANGALOGUE(マンガローグ):火の鳥」など多彩なプログラムや桜の映像と和楽器の生演奏に包まれながらお茶を愉しむ「春うららの茶会」など、祝祭感ある各種イベントで新たな文化体験を提供する。
歴史資産再生プロジェクト
日本初の鉄道が走った歴史を未来につなぐ取り組みとして、「THE FIRST RAILWAY PROJECT」を始動する。プロジェクトの重要拠点となる高輪では、2026年3月より国指定史跡である高輪築堤跡の第7橋梁部および公園部の現地保存・公開工事に着手し、2027年度の公開を目指す。さらに、TAKANAWA GATEWAY CITYグランドオープンに合わせTHE LINKPILLAR 2内にギャラリーを開設し、鉄道開業の歴史や高輪築堤の発掘調査および文化財とまちづくりの両立に向けた取り組みを、模型や年表、記録映像などの展示で紹介する。
また、本開発に伴い東京駅開業の翌年の大正4年建設のレンガ車庫の壁面の一部を、OIMACHI TRACKS BUSINESS TOWER 1階に移設・保存した。施工にあたっては、本開発工事の施工者である竹中工務店の特許技術である「モルトール」をレンガに応用し、レンガひとつひとつを再生。状態のよいレンガは表層部に再利用することで創建時の風合いを可能な限り継承している。さらに、創建時の鋼製サッシなどレンガ以外の部材についても、記憶を留める貴重な要素として再利用した。

















