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大谷翔平らスターを揃え、ワールドシリーズ3連覇を狙うロサンゼルス・ドジャース。打線はほぼ完成形に近づいたが、投手陣とベンチにはなお流動的なポジションが残る。そこで今回は先発ローテ6枠目の争い、覚醒候補が揃うブルペン、そして9番打者とベンチ枠の行方を数字と指標をもとに、開幕前のドジャース最新情勢を整理する。(文:Eli)
先発6枠目の行方
[caption id="attachment_250069" align="aligncenter" width="1024"] ドジャースの先発ローテーション[/caption]
ロサンゼルス・ドジャースの先発陣は、質・量の両面でメジャートップクラスと評価されている。米分析サイト『FanGraphs』のポジション別予測でも、ボストン・レッドソックス、デトロイト・タイガースに次ぐ3位に位置しており、昨季後半戦のような圧倒的な投手陣の再現が期待される。
一方で、6番手の座はまだ固まっていない。現状ではリバー・ライアン、ギャビン・ストーン、佐々木朗希、ランドン・ナックの4人で争われる見込みだ。
ライアンはトミー・ジョン手術からの完全復帰を目指す。2024年のデビュー時には平均95.9マイル(約154キロ)のフォーシームに高速スライダー、カーブと多彩な球種を操り、当時の強力アストロズ打線を相手に5.2回8奪三振の好投を披露した。
ストーンは2024年にメジャーへ定着。シーズン終盤に肩の手術を受けたものの、25試合の先発で防御率3.53、完投1を記録し、イニングイーターとしての立ち位置を確立した。
佐々木は不本意なシーズンとなった昨季を踏まえ、再起を期す立場にある。ただし、球速の回復に加え、球種の精度や制球面など課題も多く、スプリングトレーニングでの内容が重要になる。
ナックは上記3人と比べると実力面で一歩劣る印象だ。ローテーション争いには加わるものの、現状では故障者が出た際の代替要員という位置づけが妥当だ。
リリーフ覚醒組の行方
[caption id="attachment_250070" align="aligncenter" width="1032"] リリーフ覚醒組の行方[/caption]
昨季は多くの若手リリーフ投手がメジャーデビューを果たす、あるいはメジャーでポテンシャルを示すシーズンとなった。
ジャスティン・ロブレスキーは24試合・66.2回に登板し、50イニング以上を投げたリリーバーの中で3位となるxFIP2.40を記録。これはメイソン・ミラーやエドウィン・ディアスと肩を並べる水準だ。
ベン・カスパリウスは46試合・77.2回を投げてFIP3.57。役割が定まらなかった影響もあり、シーズン終盤には調子を落としてマイナー降格となったが、新シーズンでの巻き返しが期待される。
ジャック・ドライアーはドラフト外FAからメジャーデビューを果たすという大出世を遂げ、防御率・FIPともに2点台と優秀な成績を残した。
エドガード・ヘンリケスは故障の影響でシーズン中盤からの合流となったが、平均100マイル(約161キロ)の剛速球を武器に12試合連続無失点を記録した。
ウィル・クラインはシーズン途中の小規模なトレードで加入。オフには米施設『Driveline』でトレーニングを積み、ドジャース合流後にはスイーパーを新たに習得してブレイクを果たした。
ワールドシリーズでは延長18回までもつれた一戦に登板して無失点投球を披露し、一躍ヒーローとなった。
注目すべきはドライアーを除いて全員最速99マイル以上(約159キロ)を計測していることだ。
どの投手も役割を固定し、それに合った調整を行えば大化けするポテンシャルを持っている。特に最速103マイル(166キロ)のヘンリケスはセットアッパーに固定し経験を積めばメイソン・ミラー級のクローザーになるだろう。
9番とベンチは誰が埋めるか
[caption id="attachment_250071" align="aligncenter" width="844"] 9番とベンチは誰が埋めるか[/caption]
ドジャース打線では、スタメンは8番アンディ・パヘスまでキャリアで25本塁打以上を放ったことのある実力者が揃っている。打順の入れ替えはあるにせよ、大きな故障がない限り、この8人が開幕メジャーロースター入りする可能性は極めて高い。
さらに、ミゲル・ロハスはベテランとしての存在価値があり、ドルトン・ラッシングは有望株としての将来性に加え、休養が必要なウィル・スミスのバックアップという役割もあることから、開幕メジャー入りは有力と見られる。
またトミー・エドマン、キケ・ヘルナンデスのユーティリティー2人は故障のため開幕に間に合わない可能性がある。以上を踏まえ残された枠は9番、そしてベンチの2枠だ。
スタメンに残された9番はセカンドが濃厚なため、キム・へソン、アレックス・フリーランドで争う可能性が高い。
キムは昨季、170打席で打率.280、13盗塁と表面的には好成績を残した。しかし、BABIPは.396、xBAは.221と打率と大きな乖離があり、好成績には運の要素も少なくなかったと考えられる。
さらに、KBO時代はコンタクトヒッターとして知られていた一方で、メジャーでは空振り率が高く、適応には依然として課題を抱えている。
フリーランドは故障者の穴埋めとしてメジャーデビュー。97打席という少ない打席の中で打率.190、wRC+73とインパクトを残せず。
さらにマイナーで課題とされていたコンタクト能力も改善されていなかった。一方でボール球を振らない、四球をもぎ取れるなどポジティブな面もある。
またベンチ枠を争うのはアレックス・コール、ライアン・ウォード、マイケル・シアニの3外野手だ。
コールは昨季トレード加入。ドジャース加入後は減速したが、もともとリーグ平均以上の打力は期待できる選手だ。
ウォードはドジャースプロパーで、マイナーで2年連続30HRを放ち、オフにはマイナーFAになりかけたものの、メジャー40-manに加えられたことでドジャース残留となった。
一方でメジャー経験はゼロ。また守備やUTL性で価値は出せないためタッカー加入で両翼が埋まっている状態では余剰戦力となっている。
シアニはオフにデプス要員としてウェイバー経由で加入。打力は無いが2024にはメジャー外野手2位のOAA+16を記録している守備力がある。
プロスペクトのデータ
[caption id="attachment_250072" align="aligncenter" width="559"] プロスペクトのデータ[/caption]
スプリングトレーニングの試合で、ある意味もっとも興味深い点は、プロスペクトの『Statcast』データを確認できることだ。
MLBおよびマイナー3Aではデータがすべて公開されているが、2A以下では一部の球場でしかデータが計測・公開されていない。
そのため、2A以下に所属するプロスペクトの実力を把握するには、打率や本塁打といった伝統的な指標や、各種プロスペクト評価媒体に頼らざるを得ないのが現状である。
しかし今季のスプリングトレーニングでは、全球場で『Statcast』データが計測・公開される見込みだ。これにより、これまで情報が限られていたプロスペクトについても、より詳細なデータを基に評価できるようになる。
ドジャースはスプリングトレーニングに32人の選手を招待しており、その中にはザイア・ホープやホセ・デパウラといった外野のトッププロスペクト、ジャクソン・フェリスやアダム・サウィナウスキーら投手プロスペクトが含まれている。
野手であればバットスピードや打球速度、投手であれば球速や変化球の軌道といったデータを確認することで、彼らが今後どのように成長し、メジャーに適応していくかをより具体的に展望できるだろう。
昨季のスプリングトレーニングでは、ザイア・ホープがスモールサンプルながらバットスピード77マイル(124キロ)を記録。これは大谷翔平に匹敵する水準であり、そのポテンシャルの高さを示す数字だった。
【著者プロフィール】
Eli
主にXでドジャース、MLBに関する情報を発信。
X:@byeli_dodgers59
note: https://note.com/lim33
【一覧】2026年ドジャーススタメン、ベンチ陣の陣容
[caption id="attachment_250069" align="aligncenter" width="1024"] ドジャースの先発ローテーション[/caption]
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[caption id="attachment_250072" align="aligncenter" width="559"] プロスペクトのデータ[/caption]
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