“子どもが大人の役割を担う”ヤングケアラーの現実。週末は母のもとへ通い、中学受験を目指しながらケアを続けたが、ある出来事を境に、勉強の記憶が消えるほどの不安に飲み込まれていく――。

6日に放送されたNHK Eテレのトーク番組『ねほりんぱほりん』(毎週金曜22:00~)では、元ヤングケアラーが壮絶な体験を明かした。

  • 『ねほりんぱほりん』元ヤングケアラー

    『ねほりんぱほりん』元ヤングケアラー

モグラに変身した山里亮太とYOUが、ブタに変身した顔出しNGのゲストからねほりはほり聞き出す赤裸々トーク人形劇の同番組。ヤングケアラーは、本来、大人が担うべき家事や家族の世話などを日常的に行わなくてはならない子どもや若者を指す名称だ。

今回のゲストの1人は、小学4年生のときに遠方に住むうつ病の母のケアを行うことになった男性・ユウマさん(仮名)。週末に片道2時間かけて母のもとに通いながら、中学受験を目指していた。

そんな中、ユウマさんがいる時に、自分の部屋でお酒を飲み始めた母がうめき声を上げていることに気づいた。ユウマさんが覗いてみると、自分の首をタオルで絞め、自殺を図っていた。

「本当に死んじゃうと思って」と必死でタオルを引っ張って助けたユウマさん。母に「一緒に死ぬ?」と言われ、「一瞬、一緒に死んじゃってもいいかな」とよぎったそうだが、「今はしんどいけど、いつか必ず良くなる時がくるから、一緒に乗り越えよう」と声をかけ、その場を収めたという。

しかしその後、母と離れる平日は、自分がいない間にまた自殺を図るのではないかと考えてしまう日々。「心配とか不安で頭がいっぱいだったので、塾とか学校で勉強した記憶が一切ないです」と振り返る。

この出来事を父親にも黙っていたというユウマさんは「毎週(母のもとに)行くのが楽しいって言って、僕が笑顔でいればみんな安心して過ごせる。もしそれができなかったら、今のこの家族は壊れちゃう」と責任を一身に背負っていたのだそう。常に自分の感情を殺して過ごしていたが、「唯一自分の感情を出せたのが、母のところに行くまでの電車の2時間。周りの乗客がいようとなんだろうが、泣きじゃくってました」と打ち明けると、YOUは「なんて苦しいの…」と胸を痛めた。

この放送はNHK ONEで見逃し配信。また、9日(24:00~)に再放送される。

【編集部MEMO】
ABCテレビのバラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』では、6人兄妹の長男の小学6年生の男の子(12)から、両親が仕事の時に家事や幼いきょうだいの面倒を見ているため、「正直、長男をやるのに疲れた。生まれてから長男しかやったことがないので、1日だけでもいいので次男になりたい。僕の代わりに、長男やってくれませんか」という投稿が寄せられ、霜降り明星のせいやが“長男”の代わりになった模様を、1月23日に放送。放送後、投稿者がヤングケアラーなのではないかという声が上がり、親に対して誹謗中傷が起きる事態となり、ABCテレビは番組演出の影響があったことを謝罪した。

(C)NHK