――撮影の合間にゲームをやるというのは、大映ドラマ独特の風習なのですか?

伊藤:どうなんでしょう? とにかく撮影の時間長くて、待ち時間も結構あったので。

鶴見:夜通しやってましたからね。

伊藤:個人の楽屋がなかったんですよ。だからメイク室にみんなで集まって、テレビもないから、何もすることがなくて。

――スマホなんてない時代ですし。

伊藤:ロケバスに電話が付いたって喜んでたぐらいだから。

鶴見:畑の中のポツンとしたところに、プレハブみたいなセットでやってましたね。

比企:雨が降るとトタン屋根で「バタバタバタバタ」って音が入ってね。

伊藤:梅雨の時はカエルが鳴いたりしてたよね。だから助監督さんが「うわー!」って叫びながら走って、カエルの鳴き声がピタッて止まったら「どうぞ本番!」って(笑)

鶴見:あったあった(笑)。犬の遠吠えとかね。

比企:犬を鳴き止ますのに江崎実生さん(監督)が「犬殺してこーい!」って叫んだり(笑)

伊藤:飛行機が通ったら「撃ち落とせ!」とか言ってた(笑)。せっかちだから。

比企:冬は息が白くなっちゃうから、氷舐めながらやったんですけど、結局白くなっちゃうんですよ。

伊藤:真夏の撮影も大変だったね。

――そこでだいぶ鍛えられたということでしょうか。

鶴見:鍛えられましたね。

山下:若いからできたんだよね。俺らは大映テレビに育てられたというのは、間違いないよね。

目に包帯を巻いてドラムを叩きながら…「どこまでやらせるの?」

――今思い出して一番印象に残る作品は何ですか?

鶴見:僕が最初にお世話になったのは『高校聖夫婦』っていう、いとうまい子さんと一緒に半年間やってたドラマですね。高校球児の役で甲子園を目指す設定だったから、甲子園までロケバスで行ったんですよ。それで甲子園の土をもらったね(笑)。野球やってたわけじゃないのに。

比企:今でも大事に?

鶴見:どっか行っちゃった(笑)

比企:私は『不良少女とよばれて』ですね。火事で死ぬ設定だったんですけど、当時はCGがないから本当に川原で燃やしてるんですよ。それが本当に熱くて!

伊藤:そんなに近くないのに火傷しそうなくらい!

比企:熱いだけでみんな興奮しちゃって、「よーい、本番!」って1回きりなんですごく覚えてます。

伊藤:私は初めての主演の『ポニーテールはふり向かない』ですね。ドラムの稽古とかも頑張ってたんですけど、途中で「目が見えなくなる」という設定があって、目に包帯を巻いてドラム叩きながらセリフ言うシーンがあったんです。「もうどこまでやらせるの?」みたいな(笑)。あれは過酷でした。

――山下さんは、やっぱり『スクール☆ウォーズ』ですか?

山下:そうですね。でも『ヤヌスの鏡』も印象深いですよ。

伊藤:『ヤヌスの鏡』は私の企画なんですよ! 少女マンガが大好きで、春日(千春)プロデューサーに「この二重人格の役、絶対やらせてください!」って持っていったんです。でも、「かずえには『ポニーテールはふり向かない』があるから」って言われて、杉浦幸ちゃんが主役になったんです。すっごいやりがいのある役だったから、それが一つ心残りです。

山下:でも、とにかく毎日毎日、本当に気が抜けない撮影の連続でしたね。2クール半年間の放送だから、撮影でみんなと一緒にいる時間が長いんですよ。家に帰っても台本覚えるのか、寝るのかくらいで、朝にはスタジオ来てまたみんなと一緒。そうなると役作りじゃなくても自然にドラマに入っちゃってる感じでしたね。

伊藤:ロケも遠いしね。

山下:俺、一度泊まるところなくて、モーテルに泊められたことあるもん。全然寝れないよ(笑)

伊藤:「隣の部屋どうしてるのかな?」って(笑)

山下:そうそうそう、気になっちゃって(笑)。ビジネスホテルもちょこっとしかなかったから。

伊藤:私、横浜の実家から通ってたから、2時間かけて行ってましたよ。電車3本乗り換えて、ものすごい満員電車でぎゅうぎゅうで(笑)

鶴見:主演の女優さんなのにね(笑)

山下:若いからできたんだよね。

伊藤:今だったら車運転できるんですけどね。

――伊藤さんといえば、長年乗られているシーマですもんね。

伊藤:もう34年目で、27万キロ走ってます。