帝国データバンクは2026年1月9日、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した結果を発表した。調査は2025年11月のカレーライス物価(カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数)をもとに、2020年平均=100とした価格推移を測ったもの。

2025年11月のカレーライス物価

2025年11月時点の「カレーライス物価(平均、2026年基準改定)」は、1食あたり平均365円となった。1年前の2024年11月は320円だったため、+45円・14.1%増と、前年同月比51カ月連続でプラス、14カ月連続で2桁を超える大幅な上昇が続いた。

また、直近の4カ月連続で前の月を上回り、値上げ幅は2カ月連続で拡大、2015年以降で過去最高値を更新した。

なお、カレーライス物価はビーフカレー・ポークカレー・チキンカレー・シーフードカレー・野菜カレーの5メニュー平均値で、各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。

  • 「カレーライス物価」推移(2023年~2025年)

    「カレーライス物価」推移(2023年~2025年)

何カレーが一番お買い得?

また、カレーライス物価を各メニュー別にみると、「ビーフカレー(総合)」が472円で最も高く、「国産ビーフカレー」(597円)、「輸入ビーフカレー」(348円)とともに、牛肉のほかタマネギなど野菜類の価格高騰が押し上げた。

1食あたり500円台となったのは、国産ビーフカレーのほか、単価の高い素材が多い「シーフードカレー」(532円)の2メニューのみ。最も費用が安いのは「チキンカレー」(226円)という結果に。

前年同月からの値上げ率を各メニュー別にみると、最も大きいのは「輸入ポークカレー」(240円)で、前年から20.6%値上がりし、全6メニューの中で唯一上昇率が20%を超えた。これは、米国産の価格上昇に加え、欧州産ではアフリカ豚熱などの影響で豚肉の価格上昇が続いたことが原因と考えられ、全メニューのなかで特に価格上昇が目立った。

また、「チキンカレー」は18.9%上昇し、円安による飼料価格の高騰、鳥インフルエンザの影響による鶏肉価格の値上げが響いたことが示唆される。

一方で、最も値上がり幅が抑制されているのは「国産ビーフカレー」で、+10.6%と全メニューのなかで最も上昇幅が小さかった。「シーフードカレー」(+11.3%)も他の食材に比べて変動が小さく、単価は高いものの相対的な「お買得感」が強まったメニューとなった。

各メニューのカレーライス物価平均を基に、2020年平均を基準(100)とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2025年11月の指数は142.6で、2015年以降で初めての140台となった。

カレーライス物価指数のうち、メニュー別で2020年平均から5割以上上昇したのは、「輸入ビーフカレー」(156.8)、「輸入ポークカレー」(153.8)、「野菜カレー」(151.3)の3メニューで、円安や天候不順などの影響のあった材料を多く使用したメニューで値上がりが目立った。

今後のカレーライス物価の見通し(2025年12月~)

全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した、2025年12月のカレーライス物価は1食あたり平均363円台に低下する見通しに。

前年同月に比べると52カ月連続でプラスとなるものの、前月比では6カ月ぶりの低下となる。なお、12月予測分を含めた2025年のカレーライス物価年間平均は348円/1食となり、2024年(301円)を47円・15%前後上回ると予測される。

価格を大幅に押し上げる要因として、カレーライス物価のうち約4割を占めるごはん(ライス)が要因となっている。

具材においても、カレーにおける基本の野菜3種(ニンジン・ジャガイモ・タマネギ)が、引き続き高温少雨や日照不足の影響を受けて高値圏で推移する見通しとなっているほか、牛肉・豚肉も輸入品を中心に値上がりが続いている。

  • カレー具材 イメージ

    カレー具材 イメージ

今冬にかけて安定した出荷量が見込まれる、ブロッコリーなどが具材となる「野菜カレー」は値下がりが期待できるほか、1食200円台前半で安定的に推移する「チキンカレー」など相対的に割安なメニューもみられるものの、全体ではコメ価格高騰を背景に過去最高値圏の水準で推移することが予想される。