かたや、長谷川自身は即断即決できるタイプなのかと尋ねると、こんな答えが…。
「いや…僕自身も優柔不断ですね。というのもまさに今(※編集部注:取材は11月下旬)、情報解禁のためのビジュアルをチェックしている真っ最中なんですよ。数パターンの中から、さんざん悩んだ末に『これでお願いします!』と頑張って選んだら、『他のカットもみますか…?』と言われて、『えっ? マジですか!?』って(笑)。結局全部見せてもらって、また悩んで…の繰り返し。いま最終的に3枚ぐらいまで絞ったのですが、めちゃくちゃ悩みました。なかなか決められないんですよ」
長谷川が演じる都築亮が優柔不断である理由はドラマ内で明らかになっていくが、長谷川自身にも何か決められない理由があるのでは?と思い、「長谷川慎なりのビジュアル選定の基準」について、さらに深掘りしてみると……
「もちろんファンの方だったり、周りのスタッフの意見だったりも参考にしますが、“自分にしかわからない自分の良さ”みたいなものも、あったりするじゃないですか。例えば、僕の場合だったら、目の開き方とか、“えくぼ”とか(笑)。自分なりのこだわりというかチェックポイントがあった上で、アーティスト写真を選ぶんだったら、キリッとしてかっこいい表情で、さらにちょっと横を向いているとか。いわゆる“アーティスト感”を出せば成立するのですが、今回のように役衣装を着た状態でアーティスト感を出したり角度をつけたりするのは、さすがにちょっと違う気もするので(笑)。制作側の『今回の役はこういう雰囲気で行きたいです』という要望と、自分のなかの基準との間で葛藤している感じかもしれません。今までそういう基準で自分がビジュアルを選定したことがないからこその難しさ、みたいなところもあったりしますね」
確かに、これも作品の中心を担う「単独初主演ならでは」の“贅沢な悩み”のひとつであるとも言えそうだ。白衣姿で微笑む都築亮のビジュアル解禁の裏側にそんな葛藤があったことを知ると、長谷川が最後の最後までどんな表情やポーズのビジュアルと迷っていたのか、他の候補写真も見てみたくなる。そもそも医者役自体も長谷川にとって初挑戦となるが、最初に白衣に腕を通した際にはこんなエピソードがあったそう。
「実は、衣装合わせの時は金髪だったので、ドラマチームから『(長谷川で)本当に大丈夫なのか…?』みたいな不安な空気に、一瞬なったりもしたんです(笑)。その後、黒髪にしてから改めて白衣を着た時は、僕自身もちゃんと“医者になれた”という感覚がありました」
「子どもがスーパーヒーローに憧れるような感じで、お医者さん役にも憧れていた」という長谷川。「外科手術を行うシーンもあるので、『まさか自分に“メス!”って言える日がくるとは…!』と内心テンションが上がりました(笑)。今回のドラマはスタジオ内に作られたセットではなく、かつて病院だった建物もお借りして撮影しているのですが、独特な空気があって。特別な場所で撮影してるんだなという実感が湧いてきます。画面越しにもリアルさが伝わると思うので、僕自身も早く完成した画が見たいです」
「この主演ドラマを引っ提げて、さらなる高みを」
「救うか、裁くか。選択まで、あと“10時間”」とあるように、刻々とタイムリミットが迫りくるなかで、究極の選択に苦悶する長谷川の表情も本作の見どころの一つ。
「もともとゲーム性のあるスリリングなエンタメ作品が大好きで、そういうジャンルの映画やドラマをよく観ていたので、僕自身がその世界の登場人物になれるのも純粋にうれしかったりするんです。都築亮としての葛藤と、『もし自分だったらこの過酷な状況をどうやって切り抜けるか――』という、自分自身の葛藤との間を行き来しながら、今までの自分にはなかった芝居の引き出しを生み出せている感覚もあります。あらゆる想像力を駆使しながら、かつてない難役に挑戦している僕自身から自然と醸し出されてしまうリアルな苦悶もドラマとともに楽しんでいただければと思います(笑)」
そう自ら語ってくれたことからも分かるように、長谷川にとって2025年はTHE RAMPAGEとしての活動と並行しながら、個人としても大きく前進した1年だった。
「グループとしては、アリーナ・ホールの全国ツアーとアジアツアーを同時に経験することができ、2027年に控えるデビュー10周年に向けて、ますます加速しています。そういった状況のなかで、こうして個人の仕事として初単独主演をいただけたことは、グループの活動にもいい形で還元されると思っていて。『お芝居をやる人』として長谷川慎に触れていただいた方に、『実はダンスもやっているんだ!』と知っていただく。そんなふうに新しい入口が作れるようにもなってきました。あくまで僕のベースはアーティスト活動ですが、『長谷川慎ってここまでできるんだ!』と周りに思ってもらえるように、これからもダンスと芝居の両方でしっかり結果を残していきたいです。幸いにも僕は先輩の岩田(剛典)さんなど、ロールモデルになる方々を間近で見てきたので、その背中を懸命に追いかけながら、やがて追いつき、いつか追い越せる…とまでは思っていませんが(笑)、自分としてはそれくらいの意気込みで頑張るつもりです。2026年もこの主演ドラマを引っ提げて、さらなる高みを目指していきたいです」


