今年も様々なニュースが目白押しだった金融・決済業界。キャッシュレス1つ取っても無数のニュースが世間を賑わせました。ここでは私の独断と偏見で、今年1年の気になったニュースを取り上げてみたいと思います。今年の毎月ごとのニュースをお届けします。
なお、ニュースは記事執筆時点(2025年12月23日時点)です。
1月
今年1月早々の8日に発表されたのが、JR西日本のQRチケットサービス。2023年12月発表のサービスがようやくスタートした形です。KANSAI MaaSや海外旅行会社の発売した企画乗車券を使ってQRコードで乗車できるというサービスです。その後始まる、大阪・関西万博を想定したサービスでもありますが、5月の「Wesmo!」にも繋がっているのかもしれません。このJR西日本と、さらにJR東日本が、今年のキャッシュレスの1つの台風の目になっています。
1月10日には、全国銀行資金決済ネットワークの大規模障害を踏まえた、改善・再発防止策の進捗が公表されました。開発のNTTデータを含めて、今後同様の障害が発生しないように対策が進められています。キャッシュレス決済にとっても縁の下の力持ちとして重要な全銀システムの堅牢性がさらに高まることが期待されています。
リクルートがデジタル給与払いとして厚生労働省の指定を受けたのは2024年12月ですが、1月に入って「Airワーク給与支払」での対応の詳細を発表。PayPayに続いて第2弾で、今年はさらに3月に楽天ペイ、4月にau PAYと連続でデジタル給与払いをスタート。申請していた4社が出揃いました。今年1年で、着々とPayPayも利用企業を拡大していますが、まだまだ利用者側も様子見という感じでしょうか。
1月23日、Samsungが「Samsung Wallet」の国内サービスを発表しました(提供開始は2月25日から)。SamsungのGalaxyスマートフォン向けのウォレットサービスで、クレジットカードを登録して店頭での支払いや交通機関のタッチ決済乗車、ポイントカードの提示などができるサービスで、AppleウォレットやGoogleウォレットに続くスマートフォン向けウォレットの新サービスとして期待です。
総務省が、携帯電話契約時の本人確認厳格化に向け体験募集を開始したのは1月27日でした。これは、携帯電話契約時の本人確認方法として、マイナンバーカードのICチップ読み取りを原則とするなどの改正に向けたもので、今年は他に犯罪収益移転防止法(犯収法)に対しても同様の取り組みが進められました。
1月31日には、auカブコム証券が予定通り三菱UFJ銀行の完全子会社となり、「三菱UFJ eスマート証券」へと社名を変更しました。銀行、証券との連携を強化する携帯業界ですが、KDDIの新たな取り組みの一環として注目でしょう。
2月
2月3日に発表されたのが、ディー・エヌ・エーによる独自決済サービス「DeNA Pay」。野球のベイスターズアプリと連携して、シームレスな観戦体験を実現するという、比較的限定された目的のサービスですが、球場での飲食の購入などにも利用できるとされました。こうしたどちらかというとニッチなサービスはなかなか定着しづらいのですが、ファンの利用をどこまで獲得できるかがポイントでしょう。
2月14日には、大阪・関西万博の会場内で利用できるキャッシュレス決済の対応ブランドが発表されました。もともと万博としては初めて完全キャッシュレスとなることは発表されていましたが、クレジットカード、電子マネー、コード決済など、70種類の決済ブランドに対応することが発表されました。プリペイドカードの現金チャージ機も設置される予定とされ、「現金の使えない万博」を実現。11月にはその成果が公表されましたが、おおむね成功と言えそうでした。
2月28日、消費者庁が注意喚起として「通信販売サイトの返金手続を装い、〇〇ペイといったコード決済サービスを利用して、返金ではなく逆に送金させる事業者に関する注意喚起」を発表しました。11月28日に国民生活センターが「引き続き」として注意喚起をしており、ほぼ1年を通して問題が継続したようです。購入した商品の返金手続きを装って、PayPayなどのコード決済サービスから送金をさせる詐欺行為です。
同じ28日に、警察庁がパブリックコメントによる意見募集を開始したのが、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」の改正です。1月の携帯電話不正利用防止法に関する改正と同様、本人確認においてICチップの読み取りが原則化されるなど、厳格化が求められます。コード決済のようにスマートフォンが必須になって(通常は)携帯電話の加入も必要ですし、犯収法は銀行やクレジットカード契約といったシーンで影響します。業界にとっては影響の大きな規制の動きと言えるでしょう。なお、携帯電話不正利用防止法は2026年4月1日、犯収法は2027年4月1日の施行予定です。
3月
日本で長らく課題となっていた、Apple PayにおけるVisaのデビットカード非対応の状況が解消されたのは3月3日。2021年5月から、VisaブランドのクレジットカードとプリペイドカードはApple Payに登録できたのですが、デビットカードは対応が遅れてものの、これが改善しました。ソニー銀行、三菱UFJ銀行、Revolutのデビットカードが対応します。
3月5日には、トライアルホールディングスが西友の完全子会社化を発表。九州を地場にしてAIを駆使するトライアルが、全国規模の展開を進めることになりそうです。11月には、都内で小規模な実験店舗「TRIAL GO」をオープン。今後の展開も期待させます。
3月7日には、JR西日本、JR東海、JR九州の3社が、モバイルICOCAを活用したモバイルICサービスを開始すると発表しました。JR東海のTOICA、JR九州のSUGOCAはモバイルに非対応で、モバイルICOCAの仕組みを導入することで、それぞれがモバイル対応するというものです。実際のサービスは、TOICAが26年春、SUGOCAが27年春とされています。
みずほ銀行は3月7日に「みずほポイントモール」を発表し、独自ポイントを一新してPayPayポイントやdポイント、楽天ポイントと交換できるようにします。みずほマイレージクラブをリニューアルし、ATMの時間外手数料が無料になったり、給与の受け取りや決済サービスの利用などでポイントが貯まるようになります。
信用情報機関のCICが、クレジット・ガイダンスを加盟クレジット各社に提供開始すると発表したのは3月18日でした。すでに本人向けには提供されていましたが、これを信用情報の照会時にも提供することで、より高精度な信用調査ができるようにする、というのがその目的です。提供開始は4月1日から。
マイナンバーカードの運転免許証利用(マイナ免許証)は3月24日にスタートしました。現時点では単なるカードの一体化ですが、今後スマートフォンのウォレットに搭載されるようになると利便性が向上します。
3月17日には、メルペイがクレジットカードとして初のゴールドカード「メルカード ゴールド」を発表しました。メルカードは発行枚数が当時400万枚を突破するなど好調で、さらに利用限度枠を増やし、付帯サービスも拡充したカードを投入しました。
サービスの拡大を続ける三井住友カードが「Vトリップ」を発表したのは3月31日でした。Olive向け非金融サービスの第1弾として提供され、旅行向けの様々なサービスに加え、最大10%のVポイントが貯まるというのが特徴です。
4月
具体的な発表というわけではありませんが、4月1日から店頭でのクレジットカード決済時の「サイン取引」が廃止されました。「PINバイパス」と言われる、ICチップを使ってPINを入力する決済ではなく、サインなどのような安全性の低い方式は、世界的にもすでに禁止が一般的です。不正取引を避けるための取り組みですが、一部では混乱も残っているほか、視覚障害者などの一部の取引で問題が生じているという課題もあります。
そして4月3日、恐らく2025年で最大の問題となった「証券口座乗っ取り」が大きな話題となります。金融庁が証券口座の不正アクセス・不正取引に対する注意喚起を公表。それまでも証券会社などから注意喚起はされていましたが、1~2月にかけては攻撃準備、3月から一気に攻撃が本格化されたとみられます。当初はそれでも被害額は260億円程度だったのですが、11月末の時点で被害額は7,000億円を突破。クレジットカード業界のここ10年の不正被害全体よりも多い金額の被害が、1年にも満たずに発生したことになります。報道では一部の犯人逮捕の情報も出ていますが、全容は解明されておらず、継続した警戒が必要でしょう。
4月13日に、大阪・関西万博が開幕しました。半年に渡って開催された万博は、来場者も多く、大阪エリアでのキャッシュレス決済の拡大にも繋がったようです。
4月15日は、三井住友フィナンシャルグループによる法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk」が発表されました。個人向けのOliveに対する法人向けのTrunkということで、オンラインで多くのサービスを利用できる利便性がポイント。中小事業者向けとして話題となりました。
4月24日には、NTTドコモが新料金プランを発表しました。特に「ドコモ ポイ活 MAX」のように、決済利用でdポイントがさらに貯まるようなプランとなって、dカードだけでなく、マネックス証券の投信積立サービスでもポイントが貯まるようになっていました。
5月
JR西日本が新決済サービス「Wesmo!」を発表したのは5月14日でした。JR西日本が第2種資金移動業者として登録され、5月28日からサービスがスタートしました。Smart Codeに対応した全国の加盟店160万カ所、JR西日本グループの施設などで利用可能。BLUEタグというNFCタグにタッチしてアプリを起動させて支払えるという独自方式が珍しいところです。
JR西日本は交通系ICのICOCA、ID・ポイントサービスのWESTER、クレジットカードのJ-WESTカードといった決済サービスを提供しており、それに続いてQRコード決済に参入したかたちです。その後、JR東日本も参入することになるのですが、話題性ではSuicaペンギンと絡めてJR東日本が上回った印象です。
翌5月15日には三井住友カードとソフトバンクが業務提携に合意したと発表。それぞれの持つOlive、PayPayとの連携に加え、ソフトバンクと三井住友カードにおける生成AIを使ったビジネスの創出など、幅広い分野での提携となっています。クレジットカードとコード決済、それぞれのトップシェア同士の連携ということで注目です。
5月27日には、三菱UFJ銀行が、Oliveのような個人向けの総合金融サービス「エムット」を発表しました。デジタルバンク、ポイント還元率の高いクレジットカード、証券サービスとの連携といった、グループ全体での取り組みを強化します。金利のある時代になってメガバンクが個人向けにも本気を出してきたといったところでしょうか。
そして5月29日には、いよいよNTTドコモが銀行業への参入の号砲となる住信SBIネット銀行に対する公開買付(TOB)を発表しました。銀行を完全子会社化し、本業の通信事業における金融連携をさらに強化していく考えです。
6月
6月6日、「iPhoneのマイナンバーカード」の提供開始が発表されました。マイナンバーカードの各種機能を、スマートフォンのウォレットへ搭載するというこのサービス。世界的にも同様の施策が進められており、世界に先駆けての搭載となりました。いわゆる「国民ID」がAppleウォレットに搭載されたのは初めてでした。今後、決済や金融、医療など多彩な分野での活用が期待されています。実際に搭載されたのは6月24日でした。
6月16日にはJCBがポイントサービスOki Dokiポイントを「J-POINT」にリニューアルすると発表しました。他のポイントと同様に200円1ポイントの獲得となり、より貯めやすくなったとしています。詳細は12月16日に発表されました。
6月23日、KDDIとローソンが「Real×Tech LAWSON」の第1号店をオープン。これは、KDDIが子会社化したローソンの実験店舗を、KDDIの新本社が入るTAKANAWA GATEWAY CITYに開店させたというもの。AIやロボティクスを活用した新たな店舗形態の実証を行っていくとされています。
イオンがウォレットアプリ「AEON Pay」の刷新を発表したのが6月26日でした。従来のAEON Payに電子マネーWAONを統合しました。AEON Payのコード決済とWAONの残高移行が可能になり、AEON Payの利用可能個所が430万カ所に拡大したとアピールされています。
6月30日には、Googleの提供する「Wear OS」搭載のスマートウォッチにおいてPASMOが使えるようになると発表されました。すでにSuicaは使えるようになっていましたが、新たにPASMOが使えるようになって、ユーザーの利便性が向上しました。
7月
7月4日、当時開催中の大阪・関西万博にあわせて「JPQR Global」が提供開始されると発表されました。日本の統一QR「JPQR」に対して、海外からの訪日観光客が、自国のコード決済アプリを使ってそのまま支払いができるというもの。まずはカンボジアからスタート。8月にはインドネシアとの接続も実現しました。今後は、日本からの旅行者が現地で日本のコード決済アプリを使って支払いができるようになる見込みです。
7月22日、公正取引委員会が、てクレジットカード決済の手数料律(インターチェンジフィー)に関するVisaの確約計画を認定しました。日本の決済市場において公正な競争環境が維持されることが期待されています。
7月30日には、SBI証券とauフィナンシャルグループがリテール分野において業務提携の検討を開始しました。旧auカブコム証券を手放したau側と住信SBIネット銀行のドコモ買収で手が離れたSBI側の双方で、連携の拡大が必要となったというのが背景にありそうです。
8月
8月1日、日本航空が最上位のクレジットカード「JAL Luxury Card」を発表しました。ラグジュアリーカードと提携したカードで、年会費は最上位カードで59.95万円。より富裕層に向けた取り組みというのが、今年のクレジットカードの1つのテーマだったかもしれません。
8月5日に、アメリカン・エキスプレスがマリオット・インターナショナルの提携カード「Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス提携カード」を発表しました。年会費がアップしたものの特典の内容もアップ。JALに引き続き、富裕層向けとしてより強化された印象です。
8月18日に、JPYCが日本で初の円建てステーブルコインの発行を発表しました。国債を中心とした裏付け資産によって日本円と連動する暗号資産を発行し、それを使った様々なサービスの登場が期待されています。当時、スタートは秋とされていましたが、10月27日に無事に発行が開始され、それを活用したサービスも次々と登場しているようです。
8月28日には、ファミリーマートとポケットカードによる「ファミマカード」のリニューアルが発表されました。ポイント還元ではなく「最大5%割引」という点が特徴の新ファミマカード。ファミペイとの連携を強化して囲い込みを促進しつつ、ファミマ以外でも1%割引という強みを生かしたいとアピールしています。
9月
PayPayがとうとう海外でも利用可能になると発表されました。国内からLINE Payがなくなって、海外で使えるQRコード決済がなくなっていましたが、PayPayがまずは韓国から利用できるようになりました。日本の使い方でそのまま海外で使えるというのがメリットで、今後の拡大も期待です。
JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州というJR4社が、ネット予約サービスを連携させて利便性向上に取り組むと発表したのが9月19日です。4社が別々のネット予約サービスを提供しており、各社をまたいだ路線の予約などで発生した面倒の解消などが期待されています。
9月26日に発表されたのは、セブン銀行とファミリーマートのATM設置に関する基本合意。今までセブン-イレブン中心に設置されていたセブン銀行のATMを、ファミリーマートの店頭に設置するというこの合意。コンビニ業界における1つの大きな話題と言えるでしょう。さすがに、実際の設置ではセブン銀行の赤いきょう体ではないのだろうと思いますが……。
10月
大きな問題となった証券口座乗っ取り事件に端を発して、業界団体の日本証券業協会が「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」の改正を進めていましたが、10月15日に改正が発表され、「フィッシング耐性のある多要素認証の実装と必須化」などが定められました。多くの証券会社でパスキーを必須化することになっているようで、来年はこの便利なパスキーが広まる可能性がありそうです。
10月21日に、経済産業省で「キャッシュレス推進検討会」の第1回が開催されました。これまで、日本のキャッシュレス決済目標が2025年中に40%突破となっていましたが、これを1年前倒しで、2024年に達成。2026年以降の目標とその取り組みを定めるための検討会となっています。ここでは、利用実態に即した指標が必要として、新たなキャッシュレス決済比率の計算式が提案されました。その指標だと、キャッシュレス決済比率は現在、51.7%になるとされていました。
10月29日には、関東の鉄道事業者11社局が、クレジットカードなどのタッチ決済による乗車サービスの相互利用に向けた検討を開始すると発表しました。関西圏に比べてやや遅れていた関東のタッチ決済乗車ですが、個別の対応は進んできています。関東では特に相互直通が多く、乗り入れが課題になっていたことから今回の検討となりました。2026年春以降には相直が開始される見込みです。
11月
11月5日、JR東日本の上越新幹線新潟駅と長岡駅で、顔認証改札の実証実験がスタートしました。タッチ決済乗車ではなく、その先のウォークスルー改札を目指すJR東日本として、1つの大きなきっかけとなる実験でしょう。なお、JR西日本でも大阪で顔認証改札の実証を行っています。
三菱UFJ銀行は2022年からBaaS事業を開始し、「& BANK」として本格的なBaaSサービスの展開を開始しています。ただ、本格的なBaaSの事例が出ておらず、その第1弾となったのが11月6日に発表された、スーパーマーケットの平和堂による「HOPBANK powered by 三菱UFJ銀行」でしょう。HOP会員専用の銀行サービスで、口座を開設して会員番号と連携すると、様々な金融サービスが利用できるようになります。
11月11日、イオンが「電子マネーWAONポイント」と「WAON POINT」を統合すると発表しました。同様の名前で2つのポイント制度が併存する状況を解消すべく、WAON POINTへと統合されます。イオンの決済サービスは、全体的に統一感がなく、屋上屋を架すような状況でしたが、今年は整理の年になったようで、来年はさらにスッキリとサービスが利用できそうです。
同じ11月11日、JR東日本が「Suica Renaissance」の第2弾を発表しました。ここで新たなコード決済サービスの登場が2026年秋になり、モバイルSuicaアプリに搭載されることが明らかにされました。従来のSuicaの上限2万円よりも高い金額で買い物ができるといったメリットがあるとされていました。ただ、それ以上に世間の話題をさらったのは、25年に渡ってキャラクターを務めていたSuicaペンギンが卒業となるというニュースでしょう。
11月13日、東武鉄道と日立製作所が生体認証サービス「SAKULaLa」を発表。鉄道改札や店舗決済で生体認証を活用する計画です。13日からは東武宇都宮線の改札で顔認証改札を実現。決済端末の「JET-S」と顔認証の連携を2026年度に開始し、店舗が簡単に顔認証に対応できるようになるとしています。
11月17日に、経済産業省のキャッシュレス推進検討会第2回が開催されました。先月の第1回で提案された新指標は旧指標と併用することで合意。そして当面のキャッシュレス決済比率の目標について、2030~35年頃に、新指標で65%・旧指標で55%を設定しています。最終的には80%を超えることが政府目標ですが、まずは65(55)%の達成を目指します。なお、12月19日に第3回会合が開催され、中間目標は「2030年に65%(旧指標では55%)」とされていました。
11月25日には、Wiseが全国銀行データ通信システム(全銀システム)への接続を完了したと発表。API接続で全銀システムに接続し、資金移動業者として初めて日本銀行との当座預金取引を開始しました。特に海外送金に注力するWiseは、第1種資金移動業にも登録しており、高額な海外送金をスピーディに実現するために、各国の決済システムへの接続を進めています。すでにイギリスやオーストラリア、ハンガリー、EUなど7つの国・地域で説亜属しており、その一環として、新たに日本でも全銀システムに接続したことになります。
同じ11月25日、JR東日本の新コード決済サービスとして「teppay」が正式に発表されました。モバイルSuicaだけでなく、モバイルPASMOでも利用できるようになり、お互いに送金ができるという点が特徴です。モバイルSuica・モバイルPASMOの残高とは共通化されませんが、teppayから残高にチャージも可能とされています。登場はモバ留守居かで26年秋、PASMOで27年春とやや登場は先ですが、JR西日本のWesmo!と同様に、JR東日本としてどのようなサービスを実現できるかが注目です。
12月
12月9日、JR東日本がSuica Renaissanceの第3弾としてご当地Suica構想を発表しました。モバイルSuicaとマイナンバーカードを連携させ、地域独自のMaaSや行政サービスなどと一体化したサービスを提供します。マイナンバーカードによって住所や年齢がSuicaと連携できるので、それに合わせた割引などを提供したり、teppayと連携した地域限定クーポンを提供したりといったサービスが想定されているようです。2027年春、群馬県と宮城県からスタート予定です。
12月16日、JCBが新ポイントサービスの「J-POINT」を発表しました。6月16日に発表されていたもので、詳細が明らかにされました。ポイントアップ登録をするだけで10%還元になるほか、オンラインサービスで5%還元も用意するなど、独自路線を狙っています。
12月17日、AppleとGoogleが、日本のスマホソフトウェア競争促進法への対応を発表しました。これは、特定のプラットフォーマーに対して代替アプリマーケットの許可や決済手段の開放、ブラウザ・検索エンジンの選択などを求める日本の法律で、基本的にはAppleとGoogleが対象です。ブラウザの選択画面が表示されるチョイススクリーンも話題ですが、個人的にアプリ内から外部の決済サービスを使えるようになる点が注目でしょうか。
12月18日には、メルペイとみんなの銀行が提携し、メルペイ内に銀行サービスを組み込むBaaSサービスの提供を発表しました。一般的なBaaSは専用アプリを提供しますが、メルカリアプリ内からブラウザ経由で銀行サービスを利用することで、メルカリの体験を損なわずに金融サービスを利用できるとしています。特に、メルカリの売上を即時・無料で銀行口座に出金できるといった点がメリットです。
12月19日は、NTTドコモが子会社化した住信SBIネット銀行の新社名が公表されました。社名は「ドコモSMTBネット銀行」。言いにくく覚えにくいため、恐らく一般的には「ドコモ銀行」か「ドコモネット銀行」と呼ばれることになりそうですが、ドコモのサービスとの連携やBaaSサービスのさらなる強化を図っていく方針が示されています。
2025年は万博・フルキャッシュレス、証券口座乗っ取りも大問題
2025年は様々なニュースが出てきましたが、キャッシュレスの文脈でいえば大阪・関西万博が開催され、半年に渡ってフルキャッシュレスのイベントを成功させたことが目を引きます。日本のキャッシュレス決済比率は2024年に40%を超え、次の目標として2030年に新指標で65%、旧指標で55%の達成を目指すことになり、その達成にとっては、完全キャッシュレスでも十分にイベントが開催できることが分かったことは収穫と言えるかもしれません。
証券口座乗っ取りも大きな事件でした。これによって証券口座のセキュリティが大幅に向上し、日本でもパスキーがいっそう普及する端緒になりそうで、来年にはフィッシング耐性の高いパスキーを導入した金融・決済サービスがさらに増えそうです。
いずれにしても、来年も様々なニュースが登場してくることでしょう。今後ともキャッシュレスや金融など、業界のニュースをお届けしたいと思います。












































