いまや時代が変わり、AI相手なら24時間いつでも誰にも気兼ねすることなく、自分の悩みを話せるようにもなってきた。Z世代の若者たちのニーズにフィットした「令和の時代ならではの駆け込み寺」の在り方を、清水さんが模索する場面も描かれる。

「いろんなツールが発展して便利になっている反面、以前よりさらに人の温もりを感じにくくなってしまったのかなと思います。人と人が密に関わったり、ぶつかり合ったりする場が少なくなっていて、悩みごとを口にしにくくなっている。何度も何度もコミュニケーションを重ねないと、心の扉が開きづらい時代なのかもしれませんね」

そんな岡崎自身も、最近はAIを活用することがあるという。

「周りの人から『チャッピー(ChatGPT)は、すごく的確にアドバイスをくれるよ』と勧められて、とりあえず手相を見てもらいました。『私、どんな感じ?』って(笑)。基本的には“(自分にとって)いいこと”しか言ってくれないのですが、『もうちょっと辛口で』とお願いすれば、それに対応してくれるのも結構面白くて。あとは、『ゆくゆくはこんなふうになりたいんだけど、どんなルートをたどったら、最短で目標にたどり着けるかな?』みたいな感じで効率化するためのアドバイスをもらったりもしていますが、私の場合、悩み相談はチャッピーよりやっぱり生身の人にしたいです」

  • 歌舞伎町で夜回りをする清水さん (C)フジテレビ

    歌舞伎町で夜回りをする清水さん (C)フジテレビ

「私とは精神の成熟度が全然違います」

番組では、久しぶりに実家に帰省する清水さんにも密着。愛情を注いで育てた娘が働く「駆け込み寺」の窮状を気に掛ける父親とのやり取りも、印象的な場面の一つだ。

「やっぱり、ご両親は心配ですよね。しっかりしているように見えても、まだ26歳。仕事でもプライベートでも、これからもっともっと輝いていくであろう娘がこんなふうに心身をすり減らして窮地に立たされていたら、心配しない親はいないと思います」

遠くでハラハラしながら見守る親の思いと、現場に立ち続ける清水さんの覚悟――そのすれ違いを目の当たりにした岡崎は、「すごく“親子だな”と思いました」と語る。

「お父さんも葵さんに対してかなり熱を持って話していましたけど、葵さんからすると『いや、もう今やってるから』と言いたくなる気持ちもあって…。普通だったら、口論になりそうなところ、そういった場面でさえも、葵さんは自分の感情をグッと抑えている。本当に達観していますよね。私とは精神の成熟度が全然違います」

また、かつて支援されていた若い女性たちが、「過去の自分の失敗を反面教師にしてほしい」とばかりに、今度は支援する側として駆け込み寺を手伝う姿も描かれる。

「彼女たちは、きっとこれまでたくさん危険な目にも遭ってきたのだと思いますし、また違った意味で人生経験が他の人たちより豊富なのではないでしょうか。人とのつながりが希薄になっている時代だからこそ、同じような痛みや苦しみを抱え、その場所に流れ着いてしまった背景も知っている若い人同士が、共に支え合うコミュニティとして、駆け込み寺の存在価値がますます高まっているのではないかと思います」