FOOD & LIFE COMPANIESと拓洋のジョイントベンチャーであるマリンバースは、自社で開発したブリ人工種苗(稚魚)を養殖事業者向けに6月より販売を開始している。 この人工種苗が、最初の難関の一つとされる7月~9月にかけての夏の高水温期を乗り越え、良好な成育状況であることを初めて報告する。このブリの人工種苗の一部は尾鷲物産での養殖期間を経て、2027年中にF&LCが運営する「スシロー」での販売を予定している。
F&LCはこの取り組みにより、天然資源に頼らない持続可能な水産資源の確保を通じて、海洋環境の保護と安定調達に取り組んでいく。
ブリは日本国内で養殖が盛んな魚種である一方、種苗は天然に依存する方法が主流だ。ブリの産卵期が春から初夏(4月〜7月頃)に限られていることも含め、天然種苗の供給は時期や環境条件に大きく左右される。
また近年の地球温暖化に伴う海洋環境の変化による天然種苗の漁獲量の変動が課題であることに加え、海洋生物が夏の高水温を乗り越え成育することが難しくなってきている。
この背景をうけ、マリンバースでは、天然資源を保護しながら海洋環境の影響を受けにくい安定的なブリを調達するため、完全養殖の実現を目指し研究を開始した。その後度重なる研究の結果2024年に人工種苗の生産テストが成功。2025年に初めて種苗販売を行い今夏の高水温を乗り切ることができた。今後は、この種苗が成魚となり、ふたたび採卵・孵化した種苗を育て完全養殖へとサイクルを構築することで、天然資源の一層の保護と、安定的な調達の両立を実現していく。
また、養殖された水産物は飼育環境や飼料を管理することで味のコントロールが可能であり、脂乗りが良く、お客様へ安定してご提供できる点も特長だ。
