――改めて、おふたりはどうやって出会ったのですか?

KAWAGUCHI:出会ったのは 2006年で、EMILYが中学生、僕は大学生でした。EMILYは本格的にサッカーをやっていて、僕の友達が知り合いだったんですよ。その友達がバンドをやりたいって言い出して、「EMILYはハーフで面(ツラ)がいいからボーカルやれ」って言って、僕も元々バンドをやりたかったので一緒にやることになったんです。最初は5人のバンドで、月に1回ライブをやるかやらないかって感じで、遊びの延長でやってました。

EMILY:私はどっかで、偉い人がライブ見に来て「君たちいいね。デビューしちゃう?」みたいな流れがこの世にはあるんじゃないかと思ってて、『NANA』とか『BECK』みたいなイメージだったんですけど、全然そんなことなくて。

KAWAGUCHI:5人のときは今と全然違ってロックバンドだったんですけど、全員素人なんでEMILYに合うキーも分かんなくて、無理やり歌わせて喉を壊したりしてましたね。

EMILY:めっちゃキー低くて、ウウウウ~って歌ってました。

KAWAGUCHI:EMILYの歌のスキルもめっちゃ低くてド下手だったんですよ。

EMILY:蚊の鳴くような声で歌ってました。1回ライブハウスの店長に「君たちさあ、歌下手だね~」って言われて、そっからレッスンにも行きましたね。

――サッカーをやっていて、急に「ボーカルやれ」と言われた時は、すぐ乗り気になったのですか?

EMILY:実はなでしこジャパンを目指すくらい頑張ってたんですよ。小学生で東京都代表のキーパーになって、中学はクラブチームでキャプテンをやって都大会2連覇したんですけど、高校に進むときに「もう自分のサッカー人生はここまでだな」と思ってたタイミングだったんです。音楽なんてやったことなかったけど、「まあやってみっかあ」って始めたので、何も考えてなかったんです。

――それでバンドをやってみたら、ハマったという感じですか?

EMILY:ハマるまでには結構時間かかりましたね。最初は「バンドってギターもドラムもうるさくて自分の声聴こえないじゃん」って結構ストレスでしたから。「カッコよくやれ」とか「決めを作れ」とか、求められることも多くて「めんどくせぇなあ」って思ってました。

――そこから変わるきっかけは何だったのですか?

EMILY:KAWAGUCHIとだけはストレスなく音楽ができたんですよ。バンドの求めるレベルに全然追いつかないんで、バンドの練習に入るための練習をKAWAGUCHIに「怒られたくないんだよね」って言って公園でやってもらったりしてるうちに、ある日「私もう抜ける」って言ったら、KAWAGUCHIが「EMILYが抜けるなら俺も抜けるわ」って言って、じゃあ2人でやるかってなったんです。

――そしてHONEBONE誕生になるわけですね。この名前の由来は何ですか?

KAWAGUCHI:深夜のノリです。ほろ酔いで散歩してたら、チキンの骨が落ちてたんですよ。その頃、「鳥バード」とか「山マウンテン」みたいな日本語と英語をくっつける言葉にハマってたので、それを見て「骨ボーン」って言ったら…

EMILY:私は大爆笑しちゃって、「それバンド名にしたら売れるわ!」って言って決まったんです。それから10年経ってもまだ売れてないですけど(笑)

「自分なんか存在していいのか」過去のいじめ体験を歌に

――2人になって、すぐフォークソングのスタイルに?

KAWAGUCHI:そこに至るまで結構紆余曲折ありましたけど、アコースティックギターと歌っていうのがうちらには合ってるんじゃないかってたどり着いた感じですね。

――『鬼レンチャン』ではEMILYさんが過去の怨念に激しく感情をぶつけていたので、てっきりロック系だと思っていたんです。

EMILY:母親がアメリカ人で父親が栃木なんですけど、自分の中に欧米の音楽的なノリが全くなくて、むしろ盆踊りで育ってきたんですよ。だから、シンプルな音楽にたどり着いたって感じですね。

――憧れのアーティストの方は、どなたになるのですか?

EMILY:竹原ピストルさんです。ツーマンライブで2回ご一緒して、プライベートでも仲良くさせていただいています。本当にお世話になってるんで、対等にやり合うなんて一生かかっても無理だと思うんですけど、やっぱり竹原さんみたいになりたいですね。

――楽曲はどのように作っているのですか?

KAWAGUCHI:2人でそれぞれ持ち寄る「曲提出会」をやるんです。その中で採用になったのを2人で揉んで、例えば1番をEMILY、2番を僕が書くみたいな感じで作り上げていく感じです。どっちが曲を作る、歌詞を作るって決まってるわけでもなくて。

――『鬼レンチャン』で、EMILYさんが恨みつらみを書き留めた「怨念日記」が紹介されていましたが、そこから歌詞になることもあるのですか?

EMILY:そうですね。私の歌詞は実体験ばかりです。

――いじめの体験を歌った「するめいか」という曲もありますが、それもEMILYさんの実体験なんですね。

EMILY:中学の時に結構ごっつりいじめられて、そこでネガティブな性格になったんだと思います。小学生の時はガキ大将的な感じだったんですけど、女の子たちから精神的にくる陰湿ないじめに遭って、「自分なんか存在していいのか」って思うようになって、性格がかなりひん曲がったんですよ。『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)にも、「他人の言動が気になる繊細すぎる女」という回で出たんです。

KAWAGUCHI:僕と出会ったときには、もう暗い人間になってましたね。

――サッカーで活躍されていたというのに、意外です。

EMILY:クラブチームだったんで、学校ではうまくいかなくても、そこでは居場所があって救われてましたね。勝負に勝てば認められる世界だったんで。