1996年に放送された東映製作の特撮ヒーロー作品『超光戦士シャンゼリオン』のBlu-ray BOX(東映ビデオ)発売記念イベント「イベント!! 今?」が2025年11月8日、東京証券会館にて開催され、主人公の涼村暁/シャンゼリオンを演じた萩野崇、相棒の速水克彦を演じた相澤一成、そしてプロデューサーを務めた白倉伸一郎がステージに登場。
29年前の放送当時から、それまでの特撮ヒーローとは一線を画す斬新なストーリー展開や、魅力的なキャラクター描写などが特撮ファンからの注目を集め、現在もなお根強い人気を誇る『シャンゼリオン』がBlu-rayとなって復活するにあたり、3名が作品の魅力や撮影時の裏話を笑いを交えながら共に語り合った。
『超光戦士シャンゼリオン』ストーリー
人間の生命エネルギー「ラーム」を常食とする闇次元界の怪物「ダークザイド」が、人間界で暗躍を始めた。この脅威に対抗するべく、特務機関S.A.I.D.O.C.(サイドック)は「クリスタルパワー」の開発に成功。
しかし、戦士となるべく訓練を積んだ生真面目な男・速水克彦(演:相澤一成)をさしおいて、偶然クリスタルパワーを浴びたのは、世にもいい加減で陽気な私立探偵・涼村暁(演:萩野崇)だった。スーパーヒーローになったことで「俺って超ラッキー!」とはしゃぐ暁を見て、S.A.I.D.O.C.チーフ・宗方猛(演:市山登)は開いた口がふさがらない。
かくして、暁、速水、そして南エリ(演:東風平千香)の3名は、人類の存亡をかけたダークザイドとの戦いをどうにかこうにかこなしていく……。
-

クリスタルの輝きをたたえたシャンゼリオンの超絶決まりすぎの勇姿。スーツアクターを務めたのは『仮面ライダーBLACK』(1987年)や『仮面ライダー龍騎』(2002年)の仮面ライダー王蛇、『魔法戦隊マジレンジャー』(2005年)のマジシャインなどでおなじみ、岡元次郎(JAE)。
『超光戦士シャンゼリオン』Blu-ray BOX発売記念イベント「イベント!! 今?」
イベントは昼の部(13:00~)と夜の部(17:00~)の2回開催され、昼の部には主演の萩野崇と脚本家・井上敏樹氏、プロデューサー・白倉伸一郎氏が登壇した。
メインライターとして『シャンゼリオン』全39話中37本を手がけた井上氏は、会場につめかけた多くのファンに向かって「シャンゼリオンが好きな人は、みんないい人だよ」と笑顔でコメント。自身が初めて本格的に試みたスラップスティックコメディドラマである『シャンゼリオン』への愛着の強さと、ファンへの感謝の気持ちを示した。
夜の部には、萩野崇、白倉伸一郎氏に加え、軽薄な暁とは対照的に超がつくほどのマジメ人間の速水克彦を演じた相澤一成が登場。
開幕直後には、第9話「速水、燦然!」の印象的なラストシーンを再現した寸劇が披露され、会場につめかけた大勢のファンを歓喜させた。
MCを務めるオジンオズボーン篠宮暁の呼び込みにより、改めて萩野と相澤がマイクを手にし、ファンに挨拶を行った。
萩野さんは『仮面ライダー龍騎』の凶悪なライダー・浅倉威/仮面ライダー王蛇としてイベントに出演する機会が多かったが、今回は底抜けに明るく、いい加減な男・暁として登場。ヒーローとしてふさわしくない行動をとる暁にふりまわされ、けっこうひどい目に遭うことも多いものの、端からみればいいコンビに見える速水。正反対の性格をした2人のドタバタしたやりとりが『シャンゼリオン』の大きな魅力のひとつである。
再会を喜び合う萩野、相澤に続いて、『シャンゼリオン』の「攻め」の方向性を牽引した功労者・プロデューサー白倉伸一郎氏が登場。白倉氏は「君たち、幕が上がる寸前までイチャイチャするのはやめたまえ」と、撮影当時から変わらぬ2人の仲の良さをファンの前で明かした。
続いて、第33話「サバじゃねえ!2」の生オーディオコメンタリーが行われた。「昼の部」は『シャンゼリオン』の中でも異色の部類に入る、切ない暁と美女(ジロウ)との純愛ストーリー・第8話「ごめんね、ジロウ」を上映したが、「夜の部」での上映は、『シャンゼリオン』の真骨頂ともいえるスラップスティックコメディ編。いずれも事前にファンのリクエストを募り、決定した人気エピソードである。今回の「サバじゃねえ!2」は、第10話「サバじゃねえ!」のインパクト抜群のサブタイトルをもう一度使いたい、という思いから生まれたと、白倉プロデューサーが製作経緯を明かした。
「サバじゃねえ!2」では、第32話「第二の戦士現る!」で登場したザ・ブレイダーの意外な正体が明かされる。当初は魚屋を営む中年男性・田中元三がその正体だと思われ、マスコミが魚屋に殺到。ザ・ブレイダーに憧れる速水は田中を尊敬し、弟子入りを志願して魚屋で働くようになる。マスメディアにとりあげられ、一躍有名になった田中がついに「国民栄誉賞」を受賞してしまうなど、極端な展開の連続に、萩野たちは口々に「なんでだよ!」とツッコミコメントを放ち、会場を爆笑に包んでいた。
白倉氏は暁と速水の設定について「天才と凡人、個人と組織人という対比が欲しかった」と説明。ヒーローになった者(暁)と、ヒーローになりたい者(速水)との確執を見せたいという狙いのもと、暁と速水のコンビが誕生したことを明かした。
萩野は「相澤さんは4歳上の、優しいお兄さんという印象。撮影中は暁、速水と役名で呼び合っていて、四六時中一緒にいましたね」と、共演時の思い出を懐かしくふりかえった。
相澤は「それまでモデルをやっていて、役者としてほぼ未経験の状態で入ったのが『シャンゼリオン』でした。演技について苦労したというよりも、何も知らないからこそがむしゃらに一生懸命やるだけでしたね」と、『シャンゼリオン』でのチャレンジの日々をしみじみ回想した。
先日惜しくも急逝した、『シャンゼリオン』アクション監督・山田一善氏の話題になると、相澤は「山田さんは、いつも笑っていた印象があります。綺麗な動きじゃなくて、泥臭くやるのがお前のアクションだ。一生懸命やれ、と励ましてくださったのを覚えています」と山田氏の優しさを回想。
萩野もまた「いつも優しくしてくださいました。僕がトランポリンを踏んでジャンプしたとき、山田さんから『ネコみたいだな』って言われて、恥ずかしかった(笑)」と、山田の人柄をふりかえった。
白倉氏は「山田さんはJAC(現:JAE)のスタントマン時代、『宇宙刑事シャリバン』(1983年)に顔出しの役(坊主頭の怪しい男)で毎回出演していたんです。しかも、その役が第50話『海坊主』と、サブタイトルにまでなったという」と、山田氏が第1話からワンカット出演した「怪しい男」の抜群の存在感を称え、その意外な正体(戦士サイコラー)が明かされる第50話の話題を出した。
萩野はこの話を受け「こんど観てみます。山田さんも喜んでくれますね」と、山田氏の姿がキャラクターとなってフィルムに焼き付いていることを大切に思うコメントを残した。
「シャンゼリオンで過ごした日々を『色』に例えると?」という萩野からの質問について、相澤は「僕にとっては『ウメボシ色』かな……(笑)」と、速水がザ・ブレイダーにバージョンアップ(変身)する際のきっかけとなる「ウメボシ」にちなんで答え、まぶしい笑顔をのぞかせた。白倉氏は「若気の至りで作った作品ではありますが(笑)、人生の盛りということで、咲き誇る桜の『ピンク色』ですね」と、若手時代に情熱を燃やした本作への思いを表し、萩野自身は「大好きなフランシス・コッポラ監督の映画『アウトサイダー』でスティービー・ワンダーが歌った主題歌『ステイ・ゴールド』にちなみ『ゴールド』です。シャンゼリオンの思い出はセピアにはならない、僕の中ではずっとゴールドのまま」と、29年の歳月を経てもあのころの思いは黄金色に輝き続けていると語って、目を輝かせた。
最後に、「自分にとってシャンゼリオンとはどんな存在か?」という質問が寄せられた。
萩野は「自分が役者になる、すべてを作ってくれた作品。大勢の方たちがシャンゼリオンを愛してくれて、幸せに思います」と、長石多可男監督をはじめとする多くのスタッフ、そして共演者と一緒に作り上げた作品への思いを新たにしつつコメント。
白倉氏は「作った後に分かったことなのですが、シャンゼリオンでは後々『これはやってはいけない』と言われるようなことをかなり多くやっていた。作品作りとは何かを学ばせてもらった作品。いま作ればもっとうまくできるけれど、何も知らないからこそできた作品、それがシャンゼリオンです」と、『シャンゼリオン』の挑戦的な作風の「秘密」をそっと明かした。
相澤は「29年も経って、こんなイベントが実現したのは『シャンゼリオン』の持つ力、そしてファンのみなさんの力があってこそ。Blu-ray発売がきっかけとなって、みなさんと楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました!」と客席に向かって笑顔を向け、感謝を示しつつコメントし、イベントをしめくくった。
イベントの締めとして、暁がシャンバイザーを装着してシャンゼリオンに「燦然(変身)」するポーズを、出演者全員で披露してみせた。
『超光戦士シャンゼリオン』Blu-ray BOXは放送30周年となる2026年3月25日から、東映ビデオにて発売される。全39話完全収録のほか、映像特典(HERO CLUB/セガCMなど)、音声特典(ラジオドラマ「雪山の一夜」/講談社テレフォンクラブ・涼村暁メッセージ集)、静止画特典(井上敏樹直筆・脚本トビラ集/篠原保デザイン画集)を収録したボーナスディスク、新規インタビュー掲載のブックレット(16P予定)が付属。
(C)東映


















