ウルトラマンシリーズをはじめとする「円谷プロ」作品を愛するファンに向けたスペシャルなイベント『TSUBURAYA CONVENTION 2025』(以下「ツブコン2025」)が、2025年9月13、14日の2日間にわたり、東京ドームシティにて開催された。ここでは14日に行われた「ウルトラマンゼロ」誕生15周年記念イベント「ウルトラマンゼロ15th~Beyond the STARS~グランドフィナーレ」のもようをレポートしていこう。

  • 左から、関智一、グレンファイヤー、濱田達臣、ウルトラマンジード、宮野真守、ウルトラマンゼロ、畠中祐、ウルトラマンゼット、小野友樹、ウルトラマンベリアル

    左から、関智一、グレンファイヤー、濱田達臣、ウルトラマンジード、宮野真守、ウルトラマンゼロ、畠中祐、ウルトラマンゼット、小野友樹、ウルトラマンベリアル

ウルトラマンゼロは、2009年公開の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』(監督:坂本浩一)で映像デビューを果たした。ウルトラセブンの息子であり、ウルトラマンレオ・アストラ兄弟に鍛えられたゼロは、強敵ウルトラマンベリアルとの対決を経て立派なウルトラヒーローへと成長。2010年公開『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』では次元を超えて「別の宇宙」へ飛び立ち、ベリアル銀河帝国を打ち破るべくジャンボット、グレンファイヤー、ミラーナイトといった仲間と力を合わせて戦った。

初登場から15年もの間、映画、テレビ、オリジナルビデオ作品、配信作品、ゲームといったさまざまなメディアをかけめぐり、いまや日本だけでなく世界じゅうの国々で愛されているウルトラマンゼロ。その大きな魅力は、それまでのウルトラヒーローとは一味違う「人間味にあふれたウルトラマン像」を打ち出したことだろう。当初のゼロの設定には「型にはまった窮屈さを嫌い、自由奔放に生きることを望む」なる一文があった。歴代ウルトラヒーローが備える「人智を超えたヒーロー」のイメージから脱却をはかり、「少しワルっぽい雰囲気を備えながら根は優しく仲間思いな、発展途上のウルトラマン」という斬新な設定が与えられたゼロは、いくつもの作品で活躍を続けるうちに、数々の仲間を引っ張る「兄貴分」的存在へと成長していった。

  • 「ウルトラマンゼロ15th~Beyond the STARS~グランドフィナーレ」キービジュアル

    「ウルトラマンゼロ15th~Beyond the STARS~グランドフィナーレ」キービジュアル

イベントは、ウルトラマンゼロの声を演じる宮野真守、彼の弟子を自認するウルトラマンゼットの声を演じる畠中祐、ゼロの宿敵ウルトラマンベリアル、そしてベリアルの因子を備えた「意思を持つ剣」ベリアロクの声を演じる小野友樹、ウルトラマンジード/朝倉リクを演じた濱田達臣、ゼロの頼もしい仲間グレンファイヤーの声を演じる関智一といった豪華キャストによる「朗読ショー」と「キャストトークショー」で構成。朗読ショーでは、ウルトラマンベリアル、バット星人、アブソリュートタルタロスといった歴代の強敵が次々と登場し、これに立ち向かうゼロと仲間たちの激闘が繰り広げられた。

  • 宿敵ウルトラマンベリアルと戦うウルトラマンゼロ

    宿敵ウルトラマンベリアルと戦うウルトラマンゼロ

  • 赤いストロングコロナゼロ、青いルナミラクルゼロに分身し、バット星人を翻弄するゼロ

    赤いストロングコロナゼロ、青いルナミラクルゼロに分身し、バット星人を翻弄するゼロ

  • アブソリュートタルタロスと対峙する、シャイニングウルトラマンゼロ

    アブソリュートタルタロスと対峙する、シャイニングウルトラマンゼロ

トークショーでは関がMCを務め、キャストそれぞれがウルトラマンゼロとの出会いや、彼の魅力を熱く語り合った。濱田は『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010年)でジャンボットを操縦するナオ少年として、テレビシリーズ『ウルトラマンジード』(2017年)では「ベリアルの息子」朝倉リクとして、ゼロとの絆を深めた。宮野と濱田は『ベリアル銀河帝国』の初日舞台挨拶での共演以来、15年ぶりの再会だという。映画公開時は10歳だった濱田が、今や立派な青年に成長したことを受け、宮野が「大きくなったなあ!」と感激する場面もあった。

畠中が声を演じるゼットはゼロの弟子を名乗っているものの、ゼロ自身は「まだ認めてねえ」と突っぱねる……というのがお約束となっていた。しかし、スクリーンに映された「ゼロをとりまくキャラクター相関図」にゼロとゼットの関係が「師弟」と明記されていたのを見つけた畠中が「これ見てください! 円谷プロさんが公式に弟子って認めてくれました!」と猛烈にアピール。宮野は苦笑しながら「今日はそういうことにしておいてやろう! ゼットも前説を頑張っていたからな!」と言って、イベント開幕前の「影ナレ」や開始直後のベリアロク(小野)とのかけあいを務めたゼット(畠中)をねぎらった。

畠中がゼロと出会ったのは中学生のころ。「こんなにしゃべるウルトラマンがいるなんて! と衝撃を受けました」と、ゼロがもたらした強いインパクトについて語った。人間味にあふれ、言葉による感情表現が豊富なゼロは、ウルトラヒーローの新たなる魅力を開拓した存在だといえるだろう。畠中は続けて「声優陣が(ウルトラヒーロー)それぞれのキャラクターボイスを担当するようになった草分け的存在」と、以後のウルトラマンシリーズに多大な影響を与えたゼロの功績を称えた。

威勢がよくてすぐカッとなるタイプというグレンファイヤーの声を演じる関は「僕たち声優は、ヒーローの言葉を地球人向けに『翻訳』する仕事なんです。おそらく光の国で『地球には、声優という人々がいるそうだ』という話題が出て、僕らを雇ってくれたんだと思います(笑)」と、「宇宙人ヒーローがなぜ日本語を話すのか」の秘密を明かしてくれた後「グレンファイヤーは僕の大親友。初めて声を担当したときから、キャラクターが自分にバチッとハマっていましたね」と、非常に翻訳のしがいのあるグレンファイヤーの個性の強さを絶賛した。宮野はグレンファイヤーおよび「ウルティメイトフォースゼロ」の仲間について「仲間ができたのはゼロにとってとても重要なこと。グレンとゼロが、ライバル関係を経て友情で結ばれていく、キャラクターの深まりを感じました」と、グレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボット、そしてジャンナインという仲間の存在も、ゼロの成長に欠かせない要素だったとしみじみふりかえった。

小野は「『ウルトラゼロファイト』(2012年)からベリアルの声を担当しています。ベリアルは、ゼロに対していろいろ複雑な思いを抱いているんです。『ウルトラマンジード』の最終回で、リクとインナースペースで殴り合ったベリアルが『本当』の彼の姿という気がします。ウルトラヒーローたちが憎いんだけど、ほんのちょっと寄せたい気持ちがあるのかな……そこに踏み込んじゃいけないのかな……と、複雑な思いを抱きながら声を演じました」と、ウルトラマンシリーズの歴史のなかでも斬新な設定を備える「邪悪なウルトラマン」ベリアルの魅力を今一度確かめるように語った。

宮野真守、ウルトラマンゼロを語る

宮野は『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』で初めてウルトラマンゼロが登場してから、15年後の現在までをふりかえって「新しいウルトラマンとして登場するので、最初はそんなに難しく考えることはなかった。キャラクター設定を知ったときは、人間くさい、面白いウルトラマンだなあと思いました。最初はやんちゃな感じで出てきて、レオとアストラに根性を叩き直されて、だんだんヒーローになっていくという。この15年間で仲間や後輩と出会い、より成長していくゼロを演じてこられたのは幸せ」と、ゼロと共に活躍できた喜びを示した。

そして「ゼロは、スーツアクターを務められた岩田栄慶さんと一緒に作っていった思いがありますね。すでに岩田さんがゼロの個性をボディアクションによって作ってくださって、そこに僕が声を入れるのがとても楽しかった。逆に僕が自由にしゃべったセリフに、岩田さんが動きを合わせてくださったりして、2人でゼロというキャラクターをどんどんふくらませることができた。僕もゼロも、運がよかったと思っています」と語り、岩田への強い信頼とリスペクトを示した。

『ベリアル銀河帝国』でのグレンファイヤーとゼロとのやりとりが「ゼロの個性の幅を広げた」と語る宮野の言葉を受け、関は「声の収録は必ずしも僕たち一緒ではなくて、別々になることがありました」とアフレコの思い出を語った。宮野は「あったあった! この人(関)の自由行動がすごいから……(笑)」と、関の自由行動(アドリブ演技)をふりかえって笑顔を見せた。

関は「グレンファイヤーとしてもゼロへの信頼があるから、こういう言葉を投げかけておけば絶対『何か言ってくれるだろうな』と期待していました(笑)」と、『ウルトラゼロファイト』での「仲間になったピグモンに、何かいい名前をつけられないか」というラストシーンのアドリブ演技を例に挙げた。

「僕(グレンファイヤー)が『ゼロちゃん、名付けて!』みたいなフリを先に入れておいたんです」という関の言葉を受け、宮野は「そんなの現場に行くまで知らないから、いざ収録のときになって『どうしよう……』と困りました(笑)。困り果てて、ここは親父の力を借りよう! と思い、『モロボシくん』という名前をとっさに考えたんです」と、声優陣のアドリブ合戦がそこで繰り広げられていたことが明かされた。関は「完成作品を観て、感動しました(笑)」と、ウルティメイトフォースゼロそれぞれのかけあい(アドリブ)が自然につながっているラストシーンを称え、アベユーイチ監督の演出手腕をも絶賛した。

  • ウルトラマンジード、グレンファイヤー、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンゼット、ベリアロク

    ウルトラマンジード、グレンファイヤー、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンゼット、ベリアロク

イベントも終盤にさしかかり、宮野は「ゼロが登場してから15年。今日はこんなにたくさんの人たちから応援の声を肌で感じることができて、幸せに思います。これからもゼロと一緒に、ヒーローを背負って進んでいきたいと思います……」と、きれいに締めようとした直後、会場後方からアイスラッガーが飛んでくる独特の音が聞こえてきた。そしてキャスト陣の目の前には、ゼロの父・ウルトラセブンがさっそうとかけつけていた。

スクリーンには、ウルトラセブン/モロボシ・ダンを演じる森次晃嗣による、息子ゼロへの映像メッセージが流された。最初は、ゼロの15周年を祝う言葉が続いたのだが、平和なBGMが突然緊張感を伴う音楽(ウルトラセブン予告編用BGM)になり、ムードが一変。「15年で満足しようなんざ、60年早いぜ! 君たちには、まだまだやるべきことがあるんだ。さあ、これからもゼロ、お前がやるんだ!」という力強いメッセージが告げられた。

続いて発表されたのは「ウルトラマンシリーズ60周年記念作品『ウルトラマンゼロ』新作映画製作決定」という情報だった。これが明かされた瞬間、会場全体がとてつもなくどよめき、やがて大歓声、大拍手が巻き起こった。ウルトラマンゼロが大好きな人々が集まっている中でのこの「ゼロ主演映画」発表のインパクトはものすごく、感激で泣き出す人もいたという。

  • ウルトラマンシリーズ60周年記念映画の主役を飾るゼロ

    ウルトラマンシリーズ60周年記念映画の主役を飾るゼロ

最後に宮野=ゼロは「ウルトラマンシリーズ60周年を背負うのは、俺しかいねえよな!かっこいい俺の姿を見せてやるから、みんな期待して待っていろよ。俺のビッグバンはもう止められないぜ!」と、最高の「ゼロ節」でファンにメッセージを贈り、感動と興奮のイベントを熱く締めくくった。

  • 宮野真守さんとウルトラマンゼロ

    宮野真守さんとウルトラマンゼロ

ツブコン2025の「ウルトラマンゼロ15th~Beyond the STARS~グランドフィナーレ~」は、現在U-NEXTにて見逃し配信を行っている。配信期間は10月5日 23:59まで。