2025年9月13、14日の2日間にわたり、東京ドームシティにて開催された『TSUBURAYA CONVENTION 2025』(以下「ツブコン2025」)は、ウルトラマンシリーズをはじめとする円谷プロ作品を愛するファンに向けてスペシャルなイベントを数多く打ち出した、2年に一度の祭典である。ここでは13日に行われた『ウルトラマンネクサス』と『ウルトラマンマックス』の20周年記念イベント「ウルトラマンネクサス・ウルトラマンマックス平成climax」のもようをレポートしてみたい。

  • 『ウルトラマンメビウス』『ウルトラマンマックス』登壇キャスト・スタッフの集合写真。ウルトラマンマックスとウルトラマンノアの姿も見える

    『ウルトラマンメビウス』『ウルトラマンマックス』登壇キャスト・スタッフの集合写真。ウルトラマンマックスとウルトラマンノアの姿も見える

今年(2025年)で『ウルトラマンネクサス』(2004年)放送から21年、『ウルトラマンマックス』(2005年)放送から20年を迎える。あのころテレビの前でウルトラマンを応援していた子どもたちも今や立派な大人に成長し、社会の中枢に出て自分自身が誰かのための「ヒーロー」になっていることだろう。会場には、この日を心待ちにしていた500人ものファンがつめかけ、熱気が高まる中イベント開始の時間を迎えた。

  • ウルトラマンマックス(左)とウルトラマンネクサス(右)

    ウルトラマンマックス(左)とウルトラマンネクサス(右)

2004年10月から放送された『ウルトラマンネクサス』は、雑誌、アトラクションショー、映画、テレビといった各メディアの連動企画「ウルトラNプロジェクト」の一環として制作された連続テレビドラマである。

ウルトラNプロジェクトは当初、雑誌媒体に「ウルトラマンノア」が登場し、邪悪な「ダークザギ」との「光と闇の戦い」を中心とした、壮大な世界観が示されていた。その後、満を持して『ウルトラマンネクサス』テレビシリーズが放送開始。その前日談となる映画『ULTRAMAN』が同年12月に公開されている。ウルトラマンノア、ウルトラマンネクサス、そして『ULTRAMAN』に登場する「ウルトラマン・ザ・ネクスト」という3人のヒーローの胸には、それぞれ同じV字型の形状をしたカラータイマー「エナジーコア」という共通要素があり、ファンの興味を集めていた。来年(2026年)誕生60周年を迎えるウルトラマンシリーズの偉大なる始祖『ウルトラマン』(1966年)の核(コア)の部分を見つめ直し、新たな発想、視点を加えて世界を再構築していった企画、それこそが「ウルトラNプロジェクト」の本質だといえる。

最初にウルトラマンネクサスとウルトラマンマックスがステージに現れ、ファンの興奮を高める役割を担った。続いて『ウルトラマンネクサス』のキャスト陣が登場し、テレビシリーズ全37話で繰り広げられたネクサスの激闘をふりかえるスペシャルショーが始まった。

  • 孤門一輝を演じる川久保拓司さん

    孤門一輝を演じる川久保拓司さん

本作の主人公・孤門一輝は、宇宙から現れたと思しき異形の怪物「スペースビースト」を殲滅する任務を帯びた特殊部隊「ナイトレイダー」の隊員となり、厳しい環境と過酷な戦いを経て何度も心が折れそうになりながらも、襲い来る困難に立ち向かっていく。物語は孤門のモノローグによって進行し、彼が遭遇した「適能者(デュナミスト)」たちの戦いが再現されていく。

  • 姫矢准を演じる桐島優介さん

    姫矢准を演じる桐島優介さん

ウルトラマンネクサスは、基本形というべき「アンファンス」から、赤い「ジュネッス」へと姿を変えることにより、力を開放してスペースビーストに対抗する。孤門が出会った最初のデュナミスト・姫矢准は、エボルトラスターを掲げてウルトラマンネクサスに変身する。

  • ウルトラマンネクサス ジュネッス登場

    ウルトラマンネクサス ジュネッス登場

  • 姫矢から憐へ、受け継がれる「絆」

    姫矢から憐へ、受け継がれる「絆」

ネクサスとなってスペースビーストと戦うたび、心身ともに疲弊を重ねていった姫矢。彼からエボルトラスターを引き継いだのは、屈託のない笑顔がトレードマークの少年・千樹憐だった。

  • 千樹憐を演じる内山眞人さん

    千樹憐を演じる内山眞人さん

常に元気で前向きな憐だが、自分自身の辛く苦しい境遇を隠すため、あえて明るくふるまっているにすぎない。彼もまたエボルトラスターを引き抜き、ウルトラマンネクサスへと変身した。

  • ダークザギに挑むジュネッスブルー

    ダークザギに挑むジュネッスブルー

邪悪な敵・ダークザギに挑むウルトラマンネクサス ジュネッスブルー。デュナミストの性格や資質の違いが、そのままウルトラマンネクサスの戦闘スタイルにも反映されている。ジュネッスブルーは軽快なアクロバティック・アクションが持ち味となった。

  • 西条凪を演じる佐藤康恵さん

    西条凪を演じる佐藤康恵さん

憐からエボルトラスターを受け継いだのは、ナイトレイダー副隊長の西条凪。しかしダークザキの術中にはまった彼女は、邪悪な「闇」に取り込まれてしまった。

  • ついに「絆」の光は、凪から弧門へ……

    ついに「絆」の光は、凪から弧門へ……

絶望的な状況から凪を救い出したのは、幾度の苦難に魂を削られながらも、懸命に乗り越えてきた孤門だった。ダークザギとの最終決戦が迫る中、孤門は凪からエボルトラスターを受け継いだ。

  • ウルトラマンノア

    ウルトラマンノア

孤門が変身したウルトラマンネクサスは、アンファンスからジュネッス、そしてジュネッスブルーへとチェンジしながらダークザキと戦い、最終形態というべき「ウルトラマンノア」の姿を得ることができた。

  • ノアVSダークザギ

    ノアVSダークザギ

ステージショーではダークファウスト、ダークメフィスト、ダークザギといった「闇」の巨人と、ウルトラマンネクサス(アンファンス、ジュネッス、ジュネッスブルー)、ウルトラマンノアとのスピーディかつパワフルなアクションが際立った。そして、その様子を見つめる大勢のファンには戦いの裏側で起きていたであろう姫矢、憐、凪、孤門たちの数々の苦闘のドラマを思い起こし、深い感動に包まれているのが見てとれた。

  • 歴代「適能者(デュナミスト)」が奇跡の勢ぞろい

    歴代「適能者(デュナミスト)」が奇跡の勢ぞろい

スペシャルショーの後、『ウルトラマンネクサス』トークショーが開催された。登壇者は孤門一輝を演じた川久保拓司、姫矢准を演じた桐島優介、千樹憐を演じた内山眞人、西条凪を演じた佐藤康惠の4名。桐島はなんと、『ネクサス』関連のイベントに出るのが約20年ぶりとのことで、ここに歴代「デュナミスト」が結集するという快挙が成し遂げられた。

  • 川久保さんとウルトラマンノア

    川久保さんとウルトラマンノア

ステージには、『ウルトラマンネクサス』の渋谷博康プロデューサーと、八木毅監督が登場。キャストとの再会を喜びつつ、歴代ウルトラマンシリーズ屈指のシリアスでハードなドラマ展開で話題となった『ネクサス』のとっておきトークで会場を沸かせた。

渋谷プロデューサーは『ネクサス』の企画意図として「テーマは“絆”。ウルトラマンへの変身者をひとりに固定せず、次々と受け継がれていくスタイルを採用しました。自分には『駅伝』で走者から走者へ、タスキをつないでいくイメージがありました。それぞれのランナーと並走していた人が、実は最終走者(アンカー)だった。孤門の描き方をそういう風にしたかったんです」と語り、変身しない主人公・孤門がさまざまな困難や葛藤を乗り越え、最終的にウルトラマンになるというストーリーを思い描いていたことを明かした。

八木監督は『ネクサス』のエピソード演出について「僕はどちらかというと、凪と溝呂木の悲恋であったり、いかにしてダークなウルトラマン(ダークメフィスト)を表現するか、に力を入れていました。憐が登場してからは太田愛さんが脚本を担当され、憐のキラキラした青春を描くなど、スタイリッシュな映像を作るよう努めました」と、重苦しい人間模様や、憐に代表されるさわやかな青春ムードなど、キャラクター同士のリアルな感情がぶつかりあうドラマ作りについて語った。

  • 『ウルトラマンネクサス』チームが大集合

    『ウルトラマンネクサス』チームが大集合

『ネクサス』パートの最後は、アンファンス、ジュネッス、ジュネッスブルー、ノアと、キャスト陣、渋谷プロデューサー、八木監督が並んだ。マイクを手にした渋谷プロデューサーは「作品のテーマを変えることなく、最後まで貫きとおして完結できた。ここにいるキャストのほか、全スタッフ・キャストに感謝です。もちろん、ずっと応援して続けてくださった視聴者の方々に感謝します!」と話し、「受け継がれる絆」というテーマを最後まで通し、感動的なドラマを作り出すことができた喜びを、改めてかみしめていた。

  • 続いて『ウルトラマンマックス』チームが大結集

    続いて『ウルトラマンマックス』チームが大結集

ここからは『ウルトラマンマックス』トークショーのもようをご紹介。ステージに現れたのは、トウマ・カイト隊員役の青山草太、コイシカワ・ミズキ隊員役の長谷部瞳、ヒジカタ・シゲル隊長役の宍戸開、MCも兼任したショーン・ホワイト隊員役のショーン・ニコルスという「防衛チームDASH」メンバー。そこに渋谷プロデューサーと、本作ではプロデューサーを務めた八木監督がかけつけた。

八木プロデューサーは『ウルトラマンマックス』について「テーマは“原点回帰”です。といっても、昔やっていたことをそのままやるという考えではなかった。初代『ウルトラマン』を改めて分析し、再構築するところから始めました。『ウルトラQ』と『ウルトラマン』は当時の最先端技術を用いた撮影で、とても斬新な作品だったはず。だからこそマックスでも、あのころの最先端の技術を用いて、最高のスタッフを集めて制作をしました」と、原点回帰であっても「懐古主義」ではなかったことを強調。金子修介監督や、三池崇史監督など豪華演出陣をそろえたほか、飯島敏弘監督、実相寺昭雄監督という初期ウルトラマンシリーズを支えたレジェンドを起用し、まさにウルトラの「ドリームチーム」で作品作りにあたった経緯を明かした。

そして、『ウルトラQ』で江戸川由利子、『ウルトラマン』で科学特捜隊のフジ・アキコ隊員を演じた桜井浩子がサプライズ登場し、会場を盛り上げた。桜井は『マックス』では黒部進(ウルトラマンのハヤタ隊員役)演じるトミオカ長官と共に、ヨシナガ教授役でレギュラー出演していたため、当時の役衣装である白衣姿で現れた。桜井は9月19日に立東舎から『ヒロインの追憶 ウルトラの絆』と題した新刊を発表したばかり。「読んでね!」と熱烈アピールした桜井は『マックス』で印象に残るエピソードとして、宇宙化け猫タマ、ミケ、クロによってDASH本部の面々から大事な記憶がごっそり抜けてしまう第16話「わたしはだあれ?」を挙げ「髪の毛を立ててみたいと自分から言いました」と、ノリノリでコミカルな芝居に挑戦したことを明かした。

  • 特捜チームDASHのアンダーユニフォーム姿になった隊員キャストのみなさん

    特捜チームDASHのアンダーユニフォーム姿になった隊員キャストのみなさん

  • 背中には「DASH」のマークが

    背中には「DASH」のマークが

続いて、キャスト4人が当時と同じ、DASH隊員のユニフォーム姿で再登場。宍戸は当時の思い出として「DASHは当初、細かい設定が何も決まっていなかったので、みんなが走っているのを止めたり、こういうときにはこの動きという風に、撮影をしながらいろいろ話し合いをして、動作を決めていきました」という貴重な裏話を話した。

  • カイト隊員がマックススパークを左腕に装着して、ウルトラマンマックスに変身

    カイト隊員がマックススパークを左腕に装着して、ウルトラマンマックスに変身

変身アイテム・マックススパークを手にした青山は、ひさびさに大勢のファンの前でウルトラマンマックスへの変身ポーズを披露した。

  • 往年の人気ウルトラ怪獣がぞくぞく再登場するのが『マックス』の魅力

    往年の人気ウルトラ怪獣がぞくぞく再登場するのが『マックス』の魅力

スペシャルショーでは、ウルトラマンマックスと怪獣・宇宙人の激しいバトルアクションが展開した。『ウルトラマンマックス』では、それまでの「平成ウルトラマンシリーズ」では意識的に避けていた「昭和ウルトラマンシリーズの人気怪獣の再登場」を、積極的に行う姿勢が見られた。ただし、過去の設定にアレンジを加え、新たな魅力を打ち出すことにも力が入れられた。そんな中、実相寺監督の第24話「狙われない街」に出てきたメトロン星人だけは、『ウルトラセブン』(1967年)でセブンに真っ二つにされたあのメトロン星人が地球に生き残っていたという、第8話「狙われた街」の正統な続編エピソードとなっている。八木プロデューサーによれば、「一話完結」のオムニバスシリーズという部分を大事にして、個性豊かな監督陣、脚本陣の持ち味、作家性を重視するというのが『マックス』のポリシーであるという。

  • バグダラスと戦うウルトラマンマックス

    バグダラスと戦うウルトラマンマックス

第8話「DASH壊滅!?」に登場した甲虫型宇宙怪獣バグダラスに、マクシウムソードを叩き込むウルトラマンマックス。

  • 次々と迫りくる怪獣たち

    次々と迫りくる怪獣たち

アントラー、バグダラス、スラン星人、レッドキング、ゼットン、エレキングがウルトラマンマックスを取り囲む!

  • リブット、ゼノン、エックス登場

    リブット、ゼノン、エックス登場

マックスのピンチを救うため、ウルトラマンゼノンがかけつけた。さらに、後の作品でマックスと関わり合いの深いウルトラマンエックスやウルトラマンリブットもやってきて、怪獣軍団を蹴散らしていった。

  • マックスギャラクシーで強敵に挑むマックス

    マックスギャラクシーで強敵に挑むマックス

ウルトラマンゼノンから贈られた武器・マックスギャラクシーを装着したウルトラマンマックスは、レッドキングとゼットンを打ち破ることができた。

  • ミズキ隊員も戦闘に参加し、マックスを援護

    ミズキ隊員も戦闘に参加し、マックスを援護

  • ヒジカタ隊長も大活躍

    ヒジカタ隊長も大活躍

ミズキ隊員、ショーン隊員、ヒジカタ隊長も舞台上手で銃を構え、マックスの戦いをサポートしていた。

  • ありがとうウルトラマンマックス

    ありがとうウルトラマンマックス

  • ゼノン、エックス、マックス、リブットの熱い友情がうかがえる

    ゼノン、エックス、マックス、リブットの熱い友情がうかがえる

  • 青山草太さんとウルトラマンマックスが固い握手をかわす

    青山草太さんとウルトラマンマックスが固い握手をかわす

イベントの最後には、2025年12月4日に発売される『ウルトラマンマックス』コンプリート・ブルーレイBOXの告知映像が発表され、会場全体が歓喜のどよめきに包まれた。今回のBOXは、最終話の翌週に放送された総集編・第40話「スペシャルフィナーレ~ウルトラの未来へ~」を映像特典として収録した、まさにコンプリート仕様と呼ぶにふさわしい充実内容となった。BOXのアートは、キャラクターデザイナー丸山浩氏の描き下ろしで、マックスと人気怪獣が巧みに配置されたすばらしい出来栄え。このタイミングで、客席でイベントを観ていた丸山氏が紹介され、ファンからの惜しみない大拍手を浴びていた。

さらには、ウルトラマンシリーズ60周年に向けた「平成後期HDリマスタープロジェクト」も発表。「ウルトラマンメビウス」のHDリマスター化、ブルーレイBOX発売が告知され、「ウルトラマンネクサス」のブルーレイ化プロジェクトも始動したことも明かされた。映像ソフトとなって美麗な画質で蘇る、平成ウルトラマン各作品の盛り上がりに期待したい。

なお、ツブコン2025の「ウルトラマンネクサス&ウルトラマンマックス~平成climax~」は、現在U-NEXTにて見逃し配信を行っている。配信期間は9月17日 12:00〜10月5日 23:59まで。