今年で第52回目を数える「川崎みなと祭り」が、2025年10月11日(土)・12日(日)の2日間、神奈川県川崎市の川崎マリエン(川崎市港湾振興会館)にて開催された。
「川崎みなと祭り」は、川崎市経済の一層の振興・発展を祈念し、川崎港の使命について市民の理解を深め、港に対する親近感を高めるために、1974年の川崎市市制50周年記念をきっかけに開催されたもので、今年で第52回目。開始当初は川崎駅前で開催されていたが、川崎マリエンが開館した1992年以降は同会場にて開催されている。
開催初日となる11日は、台風の影響によりあいにくの雨模様となったが、多くの来場者が会場に集まり、川崎市消防音楽隊とカラーガード隊「レッド・ウイングス」によるオープニングステージにて幕を開けた。
オープニングステージに続いて行われたオープニングセレモニーでは、川崎市 市長の福田紀彦氏が登壇。まずは、川崎港の振興・発展のために努力を続ける関係者各位に感謝の気持ちを述べる。
そして、川崎港の経済波及効果が全国で6.8兆円、川崎市内だけでも4.8兆円となっていることについて言及。川崎市内では7万2000人の雇用も生み出すなど、大きな役割を果たしているが、この働きを「多くの市民の皆様に知っていただくことが、港の振興につながり、好循環につながる」と福田市長は語る。さらに川崎港がCNP(カーボンニュートラルポート)認証を取得したことにも触れ、より港の競争力を高め、経済振興を進めていきたいとの決意を新たにした。
また、主催者として、川崎商工会議所 会頭の草壁悟朗氏、第52回川崎みなと祭り実行委員長で川崎港振興協会 会長の髙橋哲也氏も登壇し、川崎みなと祭りを通して、より多くの市民に川崎港について知ってほしいとの思いを明かした。
来賓の挨拶では、川崎市議会 議長の原典之氏と衆議院議員の田中和徳氏が登壇。川崎みなと祭りの開催にお祝いの言葉を贈る。特に田中氏は、首都圏を守る防災拠点としての川崎港について言及し、「多くの国民、首都圏の人たちを救済するための中心をなすところが川崎」と大きな期待を寄せた。
さらに、「未来を背負って立つ子どもたちのためにも力を尽くしていかなければならない」と力を込め、政党政派関係なく、力を合わせて港湾の発展に尽力していくことを約束した。
また、オープニングセレモニーでは、長年にわたり川崎みなと祭りの実行委員長を務め、昨年逝去された斎藤文夫氏の偉業を称え、川崎みなと祭り 特別功労賞の授与が行われた。
●海上自衛隊・護衛艦「ゆうだち」の一般公開など見どころ満載
川崎みなと祭りの会場となった川崎マリエンの交流棟では、変化を続ける川崎港を体感し、港の役割や魅力を学べる「川崎港まるわかり展示コーナー」を開催。川崎市が目指す新しい自治体のかたちである「特別市」について紹介する「川崎市は特別市を目指します!」ブースをはじめ、川崎税関支署による「税関展」ブース、農林水産省 動物検疫所・植物防疫所による「植物・動物けんえき」ブース、日本船主協会による「海事PRブース」、川崎清港会による「災害時に役立つロープワーク」ブースなど多くのブースが出展された。
また、海や脱炭素をテーマに、楽しく学べる「体験ワークショップ広場」が設けられ、ボトルシップやバスボムなどのワークショップが大集合。また、「未来を担う水素コーナー」として川崎重工業による「Kawasaki Hydrogen Road」ブースなども注目を集めた。
初日はあいにくの雨となったが、屋外での展示やイベントも充実。PORT SQUARE STAGE(ポート・スクエア・ステージ)では、川崎を中心に活動する市民アーティストによるパフォーマンスが行われたほか、外貿埠頭エリアでは、「みなとで働く荷役機械展示」として、トラッククレーンやフォークリフトなどを展示。そして埠頭には海上自衛隊・護衛艦「ゆうだち」が着岸し、船内見学などができる一般公開が行われた。














