マイナス60度にも至る冬の氷原で繁殖を始め、約120日間にも及ぶ絶食の中ヒナを育てることから「世界で最も過酷な子育てをする鳥」と呼ばれるエンペラーペンギン。そのヒナが、なんと、和歌山県の「アドベンチャーワールド」で誕生しました!

エンペラーペンギンの赤ちゃんが4年ぶりに誕生!
10/6(月)よりペンギンベース1階で公開🌟
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9/30(火)に当パークで16羽目となるエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました!
7/26(土)に産卵し、赤ちゃんの安定した成育につなげるために親から卵を預かり、孵卵器で卵の様子を見守っていました。
9/26(金)〜30(火)にかけてスタッフが殻を割る補助を行い、無事誕生に至りました。
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現在、赤ちゃんはバックヤードで暮らしていますが、10/6(月)より公開いたします!
(@aws_officialより引用)

ぽやぽやのエンペラーペンギンの赤ちゃん、なんて可愛いのでしょう。親じゃなくても、自然と「守ってあげなくちゃ!」と思っちゃいますね。

今回で16羽目の誕生となった同園ですが、ここまで来るには紆余曲折があったとか。初めてヒナが誕生したのは2004年。卵の段階から人の手で育てる「完全人工育雛」という方法をとっていたそうなのですが、親鳥は給餌せず、ヒナは人を親と思ってしまい、成鳥になってもペアを作らないのだとか。そのため、2015年からは「初期人工育雛」に挑戦。

「初期人工育雛」とは、産卵後に卵を預かるところまでは同じなのですが、ここで、親鳥には擬卵(偽物の卵)を抱かせるのだとか。一方、卵が孵化するまでは孵卵器で大事に育て、無事孵化してからは、親鳥に扮したスタッフが、録音した親鳥の鳴き声を聞かせながら食事を与えるのだそう。その様子がこちらです!!

赤ちゃんの体に力が付き始める体重約600gまでスタッフが親鳥になりきり、録音した親鳥の鳴き声を聞かせながら食事を与える「初期人工育雛」で大切に育てます🐧
(@aws_officialより引用)

スタッフさん、可愛いですね。擬卵といい親鳥のかぶり物といい、一見ユニークな取り組みに見えるかもしれませんが、スタッフさんたちはいたって真面目。その甲斐あって2016年、これが大成功!! 赤ちゃんが約600g まで成長したところで、そっと擬卵と赤ちゃんを交換したところ……、約2週間後には親鳥からの給餌がみられ無事に成長したんです!! 10年以上の研究の成果ですね。素晴らしい!!

今回誕生した赤ちゃんも、この「初期人工育雛」によって大切に育てられるのだとか。何はともあれ、4年ぶりのヒナの誕生ということで、SNSは祝福ムードに包まれ「やったーー!おめでとうございます!」「ぅわぁあぁあ……生まれたばかり!!!」「スゴいです!」「急いで和歌山行きの計画を立てます」「嬉しすぎる!!おめでとうございます」といった声が続々と。

また、親鳥の代わりを務めるスタッフさんの姿に、「二枚目かなり好き」「めっちゃなりきってらっしゃる!↓」「スタッフさんの愛を感じまくりの2枚目…応援せざるを得ない!!」「両方ともぬいぐるみと思った笑 余った皮がカワイイ!」「おかあさんの代わり。なんかいいな」などなど、称賛と応援の声が寄せられています。

こうして、親鳥はもちろんのこと、多くの人に見守られながら大事に育てられる赤ちゃんペンギン。元気にすくすくと育ってくれるといいですね。

なお、アドベンチャーワールドでは10月2日より、ピングーとのコラボイベント「PINGU™ʼs SMILE PARTY in ADVENTURE WORLD」を開催中! なんてタイミングのいい!! 2026年2月まで開催されていますので、赤ちゃんペンギンの成長ぶりを愛でつつ、ピングーの世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか?