12月28日に開幕する『第104回全国高校サッカー選手権大会』(日本テレビ系ほかで中継)の応援歌が、ロックバンド・T.N.Tの「未来へ」に決まった。

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「未来へ」は、高校サッカーに情熱を注ぐ選手たちを鼓舞する楽曲。作詞はメンバーの手越祐也が担当した。大のサッカー好きとしても知られる手越が、自らの経験も回顧しながら、「二度とない今日という日」を大切に戦うこと、そして「刻まれた時の全てが 今も僕を支えている」と、仲間との絆を表現した楽曲になっている。

コメントは、以下の通り。

■T.N.T

――応援歌を担当すると聞いたときの感想は?

手越:めちゃくちゃ嬉しかったですし、夢のようでした。小さい頃からサッカーをやってきたので、僕の負けず嫌いや身体のタフさという基盤は全てサッカーから来ています。これまで高校サッカーには関わったことがありませんでしたが、僕も年齢を重ね、将来を担う若い世代の夢を応援したいと思っていました。自分自身、いつかこうした形で関わりたいと願っていた夢の仕事だったので、今回このお話をいただいたときは嬉しくて、すぐにメンバーの2人にもテレビ電話で連絡しました(笑)。

kyohey:T.N.Tは結成からまだ1年経っていないバンドですが、始まって間もない我々に応援歌を任せていただき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。出場される選手たちにとっては「自分たちの年はT.N.Tが応援歌を歌ってくれたんだ!」と一生の思い出になると思うので、しっかり背中を押したいし、応援したいという気持ちを全てぶつけなければならないという責任感も感じています。

Furutatsu:僕は高校生のときに進路を思い悩んでいた時期があるのですが、そのときにいろんな先輩方から応援やアドバイスをいただけていたので、頑張っている高校生を応援できる機会をいただけて嬉しかったです。それと同時に、今度は僕が彼らの背中を押したいという気持ちになりました。

――高校サッカーのイメージは?

手越:高校サッカーに出場する選手たちは、人生と青春を懸けて戦っていますし、やはりトーナメントというのはすごくキラキラする場所でもあり、残酷でもあります。たった1試合で、思い描いたパフォーマンスができなかったときに夢が潰えてしまう。一発本番というところも含めて、とにかく熱くて、青春そのもの。笑顔と涙が分岐点になる、さまざまなドラマが生まれる印象がありますね。

kyohey:何度かテレビで高校サッカーを見たことがありますが、やはり人生をかけて一つのことに熱中し、トップを目指すことは誰にでもできることではないと思います。そこに立っている人たちは、それまでに負けた人たちや、これまで支えてくれた方々など、大勢の気持ちを背負って立っています。特に10代のピュアな気持ち、むき出しの感情、涙など、勝負の世界なので残酷なこともありますが、そこにある涙はとても美しいと思うんです。向き合ってぶつかり、それで一つのことを成し遂げようとするその姿勢に心を打たれます。

Furutatsu:僕は少しバンドに似たものを感じています。たとえば、ライブ1本のためにものすごい時間をかけてリハーサルしたり、その下地として基礎練習をたくさんしますが、それはサッカー選手たちも同じです。選手権は、高校生たちが今までやってきた練習の成果を披露する場所だと思うので、とても感情移入してしまう、そういう大会だと思います。

――応援歌「未来へ」を通して高校生たちにどんなメッセージを伝えたいですか?

手越:サッカーから得てほしいこと、高校生の「今」を大切にしてほしいことなど、伝えたいメッセージがありすぎて、何を書こうかとても悩みました。ただ、将来、社会に出ると人と争わなければならない場面もあります。チームワークを大事にしつつも、個も大切にしてほしいと、僕は綺麗事ではなく思っています。

 僕自身も5年前に独立したときには様々な反対意見もありましたが、今こうして5年が経ち、高校サッカーの応援歌を任せていただけるということは、自分の夢を信じて追い続けてきた結果だと思っています。自分自身にも重なる歌詞になっています。「今」は「今」しかないし、将来の自分を決めるのは周りではなく自分なので、みんながサッカーから得たものや、サッカーのために努力したことは絶対に裏切らないと僕は思います。将来サッカー選手になる人も、これから社会に出る人も、大学に進学する人も含めて、やはり自分が自分の一番の味方でいてほしいですし、周りのいろいろな人たちの支え、家族や友達、チームメイト、クラスメイトといった人々の支えがあって、将来の自分ができていくというのもまた事実だと思います。だからこそ、全ての人への愛や、今まで培ってきた努力といったものを大切に、「将来、夢に向かって突き進んでいこう」と思ってもらえるように、背中を押せるような楽曲になればと思いながら詞を書かせていただきました。

kyohey:レコーディングの時に少し特別な思いがありました。高校サッカーの応援歌ということはもちろんですが、手越くんが本当に素敵な歌詞を書いてきてくれて、最初に歌を聴かせてもらった時、ちょっとウルっときました。手越くんが書いた歌詞で歌を聴くのはおそらくそのときが初めてだったと思うのですが、こんなにストレートに感情が乗り、伝えたいことをきれいに伝えられる曲があるだろうかと思いました。

 今回の「未来へ」という曲は、僕たちにとっても、その大会に出る選手たちにとっても一生残るものだと思います。選手の覚悟を僕たちは全て受け止め、曲を仕上げなければならないという気持ちで演奏させてもらいました。

 やはり生きていると楽しいことだけではなく、つらいことやしんどいこともあると思います。しかし、それも全て踏まえて「今」があり、「今」があるから未来があるということを、ストレートに伝えられる曲になっていると思うので、いろいろな人の背中を押して愛される曲になればと思っています。

Furutatsu:とてもシンプルですが、高校生たちに伝えたいことは、悔いのないように努力してほしいということ、ただ一つだけです。全力で努力すれば、結果がどうであれ「俺ら頑張ったよな!」というマインドになると思うんです。でも少しでも気がかりなことや、心残りがある場合、「もしかしてうまくいかなかったのは、あれのせいなんじゃないか…」とずっと心に残り続けると思います。ですから、サッカーはもちろん、それ以外のことも含めて、悔いが残らないような高校生活を送ってもらいたいと思っています。

――高校生たちへエールをお願いします。

手越:今回の「未来へ」という楽曲を通じて、高校生はもちろん、全ての人に伝わって、心を動かし、心を燃やし、そして背中を押せる応援歌を作りました。自分が大好きなサッカーにこうして音楽で関われることを心から感謝していますし、この先、高校生、そしてサッカーと絡んでいくロケであったり、それこそ様々な未来が待っていると思いますが、全ての方にリスペクトしつつ、心を込めてこの楽曲を伝えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

kyohey:一つのことに熱中して、てっぺんを目指して全力でみんな力を合わせて頑張っていくことは、誰にでもできることではないですし、そこに立っているあなたは本当に輝いていると思います。僕たちは今回応援歌を担当させてもらいますが、僕たちもまだまだこれからですし、一緒に未来を歩んでいきたいと思っていますので、高校生の皆さんも、僕たちT.N.Tも同じチャレンジャーとして、共に頑張っていきましょう!

Furutatsu:高校生活の3年間は絶対にもう取り戻せません。だからこそ、繰り返しになりますが、後悔しないような生活を歩んでほしいと思います。いまだに自分で「ああしておけば、もう少しこうなれたのかな」と思うことがありますが、努力を怠らなければ、自分のダメージになることも少ないと思いますし、努力が実るような高校生活を送ってもらえればと思います。

■日本テレビスポーツ局 戸田聖一郎プロデューサー

今年の高校サッカー選手権は、大会テーマを「人生を揺らす一点がある」に定めました。このテーマにふさわしい応援歌をお願いするならば、サッカーに対する熱量あるアーティストにと考えていました。

そんな中、日本テレビのサッカー番組MCを務めた経験があり、サッカー熱が高いことでも有名な手越祐也さんが、高校サッカーというコンテンツを通じて、ご自身の歌声で頑張る高校生や若い世代にエールを送りたいと強く希望されていると伺いました。これはまさに、私たちが求めていた運命的な出会いでした。

しかし、T.N.Tのこれまでの楽曲を拝聴すると、「Starting Over」をはじめとして疾走感あふれるロックサウンドが中心で、高校生たちの背中を押すような応援歌とは少し距離があるようにも感じられ、どのような楽曲が生まれるのだろうと、期待と不安が入り混じっていました。

そして、完成したのが応援歌「未来へ」です。

この楽曲は、選手権が3年生にとって人生の集大成となる一度きりの舞台で、そしてそこで培った仲間との絆が、今後の人生でも大きな力になることを歌い上げていて、高校サッカーに全力を尽くす選手の皆さんにとって、心強い支えになるものと確信しています。

今大会の名シーンとともに、応援歌「未来へ」が皆さんの記憶に深く刻まれることを心から願っています。

【編集部MEMO】
T.N.Tは、日本テレビで初の冠番組『T.N.Tの旅と仲間と食べ物と』が11月17日にスタート。手越祐也はこのように結成1年目のT.N.Tというバンドに冠番組ができるというのは、本当にあり得ないことだと思うので、このチャンスをくださった皆さんに、まずは感謝したいです!そして、やるからには、T.N.Tの魅力だったり、もちろん北海道の魅力だったり…色々な方々に楽しんで頂けるような番組を作りたいと思っています!ぜひ、楽しみにしていてください!」とコメントしている。