三井住友カードとCCCMKホールディングスが展開する共通ポイント「Vポイント」は、2024年4月にTポイントとVポイントが統合されて新しいVポイントとして誕生した。それから1年半が経過し、両社による現状の説明が行われた。

  • Vポイントアプリと三井住友カードでポイント還元を強化するVポイント

    Vポイントアプリと三井住友カードでポイント還元を強化するVポイント

モバイルオーダーも対応、ポイント還元をさらに強化

Vポイントは、2025年3月末時点で1億5,800万IDを保有する共通ポイント基盤で、提携先は5月末で16万店舗。Visa加盟店での利用も可能で、その場合は国内750万店舗、世界で1億店舗での利用が可能となっている。

従来のTカードやTカードアプリでも利用が可能で、さらに三井住友カードの利用でVポイントが貯まるようになった。統合以来、様々な機能追加も行われており、アプリでバーコードを提示してポイントを貯めたり使ったりできる店も増やし、使いやすさを向上させてきたという。

  • 統合以降、さらなる拡大を図るVポイント

    統合以降、さらなる拡大を図るVポイント

中心となるのはVポイントアプリで、バーコードの提示やポイントの確認・利用だけでなく、表示をカスタマイズする「Vキセカエ」やポイントを使った投資体験の「Vポイント運用」、利用状況に応じて特典を提供する「Vランク」といったサービスも拡充している。

  • サービス拡大を続けるVポイント

    サービス拡大を続けるVポイント

  • Vポイントアプリで様々なお得な情報なども提供

    Vポイントアプリで様々なお得な情報なども提供

アプリ提示によるポイントに加えて三井住友カードを利用することにより最大で20%還元するポイント施策が奏功し、利用者が拡大している。

  • 200種類以上のデザインを用意したVキセカエ

    200種類以上のデザインを用意したVキセカエ

  • 簡単な設定で手軽に投資体験できるVポイント運用

    簡単な設定で手軽に投資体験できるVポイント運用

  • 利用状況で特典がアップするVランク

    利用状況で特典がアップするVランク

  • 毎月特典が変わり、2025年9月は最大1万ポイントが抽選で当たる特典

    毎月特典が変わり、2025年9月は最大1万ポイントが抽選で当たる特典

三井住友カードでは、スマートフォンをタッチしてクレジットカードなどで支払いをするスマホのタッチ決済を推進している。一部店舗でスマホのタッチ決済で決済すると、通常0.5%のポイント還元に対して7~20%のポイントを加算する施策を展開している。セブン-イレブンアプリに追加すると最大10~20%を還元するなど、Vポイントと三井住友カードの組み合わせでお得になる仕組みを用意した。

  • スマホのタッチ決済でのポイント還元を強化

    スマホのタッチ決済でのポイント還元を強化

これまでは物理カードのタッチ決済でもポイント還元を加算していたが、12月1日からは加算がなくなり、通常の0.5%還元になる。その代わり、9月16日から新たにモバイルオーダーで三井住友カードを設定して支払いをすると7~20%を還元する施策を新設。マクドナルドや吉野家、モスバーガーに加え、新たにスターバックスのモバイルオーダー(Apple Payのみ)で還元を強化する。

  • 物理カードの還元加算を撤廃した代わりにモバイルオーダーが追加された

    物理カードの還元加算を撤廃した代わりにモバイルオーダーが追加された

モバイルオーダーを追加したのは、行列などでモバイルオーダーに切り替えても、還元の加算がなくなってしまうという問題があり、要望が多かったため、現状はスマホのタッチ決済で還元加算されている店舗での対応が多いが、今後モバイルオーダーのみで加算する店舗についても、ユーザーニーズを見ながら検討していくという。

物理カードのタッチ決済のユーザーにとっては改悪になるが、現時点ではクレームの声はほとんどないようで、Vポイントアプリを含めてスマートフォン単体で完結する決済体験をさらに推進するためにも物理カードでの加算を撤廃した。

ちなみに、物理カードのタッチでは上限が15,000円で、それ以上の支払いではIC決済になってポイント還元の加算がなくなってしまうという現状もあり、物理カードでの使いにくさも変更の理由の1つのようだ。

三井住友カードではさらに、2024年12月からVクーポン、Vミッションを提供し、お得にポイントを貯められる施策を展開してきた。さらに非金融領域でのサービス強化として、旅行プラットフォームとして「Vトリップ」を提供。飛行機やホテルの予約に加えて、有料オプションで当日のキャンセルも補償するなどのサービスを提供している。

  • 非金融領域も強化。今後さらにサービスを追加していく計画

    非金融領域も強化。今後さらにサービスを追加していく計画

同じく非金融サービスとして提供するVふるさと納税では、1,600自治体、約70万の返礼品をラインナップしており、Vポイントを寄付金額に充当できるサービスを今秋にも提供する予定だ。

他社との連携では、マネーフォワードと協業した「ポイントが貯まる家計簿」の提供を開始し、プレミアムサービスの支払いで10%を還元する。PayPayとの協業も控えており、PayPayで三井住友カードを紐付けてチャージしても手数料がかからない優遇策やOliveアプリでのPayPay連携、OliveフレキシブルペイでのPayPay残高払いの支払い方法が追加されるなど、さまざまな連携が予定されている。

  • 今後、PayPayとの提携の成果として各種サービスを展開していく予定

    今後、PayPayとの提携の成果として各種サービスを展開していく予定

今年11月からは、VポイントPayアプリでの支払いにおいてVisa決済で0.25%、iD決済で0.25%だった還元率を、Visa決済で0.50%、iD決済で0.25%に改定。その代わり、三井住友カードからVポイントPayにチャージした際の0.25%還元を廃止する。

  • チャージでの還元を撤廃する代わりに支払いでの還元を強化

    チャージでの還元を撤廃する代わりに支払いでの還元を強化

各社が共通ポイントの拡大をしており、三菱UFJ銀行もエムットを開始してポイント還元や金融連携を強化している。CCCMKのマーケティング部部長・坂浩明氏は、「経済圏での囲い込みは考えておらず、ポイント自体を使いやすく、貯めやすくして、様々にポイントを活用してもらえるようにサービス自体を拡充していきたい」と強調する。

  • CCCMKのマーケティング部部長・坂浩明氏

    CCCMKのマーケティング部部長・坂浩明氏

三井住友カードのマーケティング本部チーフプロダクトオーナーの松本浩和氏は、「統合をきっかけにお得なサービスを強化している。Vポイントアプリをダウンロードし、三井住友カードがなければ新規に申し込みをしてお得に貯めてもらいたい」とアピールしている。

  • 三井住友カードのマーケティング本部チーフプロダクトオーナーの松本浩和氏

    三井住友カードのマーケティング本部チーフプロダクトオーナーの松本浩和氏