日本テレビ系大型特番『24時間テレビ48-愛は地球を救う-』(30日18:30~)。約半世紀という番組の歴史で女性初の総合演出に抜てきされた前川瞳美氏は今回、募金を呼びかけるチャリティー番組の中で、社会課題について考えるきっかけになる企画に取り組む方針を打ち出した。
「不妊治療のリアル」「ジェンダーバイアス」「フェミニズム」など、今を生きる女性に刺さるテーマをトークする『上田と女がDEEPに吠える夜』(毎週火曜23:59~)を昨年4月に立ち上げてから、「誰もが生きやすい社会のために番組を作る」意識が強くなったという同氏。その中で挑む『24時間テレビ』を続ける意義、そしてテレビの果たす役割とは――。
『上田と女がDEEPに吠える夜』で取り上げてきたテーマ
『24時間テレビ』は「福祉」「環境」「災害復興」という3本柱でチャリティーを続けてきたが、今年は「募金と直接つながることでなくても、もっと目を向けられるべき社会課題について、世の中の人に考えてもらうきっかけになるような企画にも取り組んでいきたい」という方針を強化。これは、前川氏が手がける『上田と女がDEEPに吠える夜』で取り上げてきたテーマだ。
具体的には、『―DEEPに吠える夜』で不登校の経験を打ち明けたあのが、岡山県の離島にあるフリースクールを訪問。自身の経験を語りながら、子どもたちに話を聞くなど交流の様子が描かれる(30日19時台)。
また、独身の高齢女性が「友だち近居」と呼ばれる新たな暮らしを送る様子を、有働由美子が取材。シェアハウスでも施設でもなく、仲の良い友人同士が同じマンションの別室で生活を共にする姿を紹介する(31日14時台)。
前川氏は「学校に通うことも正解の一つではあるけど、別の居場所を見つける子どももいる。そして、“選択的おひとり様”という生き方もある。このような、人生の多様な選択肢がすべて尊重されるべきだということを、メッセージとして伝えたい」と狙いを明かした。
「あなたのことを教えて」に込めた番組作りの軸
これを言語化したのが、今年のテーマである「あなたのことを教えて」。「誰もが当たり前に自分や他人の尊厳を大切にする社会を実現したい」と、昨年11月に打ち出した。
昨年4月に『―DEEPに吠える夜』を立ち上げてから、「誰もが生きやすい社会のために番組を作るということが、テレビ制作をやっている上での軸になっているところがあるんです」という前川氏。『24時間テレビ』の総合演出に決まってから、その思いを言葉でアウトプットするにあたり、何百個もの案から選んだのが、「あなたのことを教えて」だった。
「やっぱりお互いのことをよく知らないということが、差別や偏見につながっていくと思うんです。『―DEEPに吠える夜』をやる上でもすごく大事にしているのが、“あなたのことを教えてください”という姿勢。この番組を始めるまでは、自分が抱えていた生きづらさについて考えていましたが、自分以外の人の生きづらさにも触れる中で、社会全体が抱える課題について考えることが多くなりました」


