不登校の子どもたちの存在や、おひとり様の生き方を知ることは、直接的に募金とつながるものではないことから、「それはチャリティーではないのでは」という議論もあったという。それでも前川氏は「社会全体が他人への理解を深めるということも、一つのチャリティーになる」と捉えた。

もちろん、思いが込められた募金は大きな力にはなるが、根本解決の手段ではない。そこで、「一人ひとりが社会課題について知ることで、根本的に解決するにはどうしたらいいのか、考えるきっかけを作るというのも、『24時間テレビ』の一つの役割なのではないか」と、広い意味でチャリティーを“再定義”。制作チームのメンバーの理解を得て、同じ志を持って番組制作を進めていくことになった。

「社会課題の解決を考える」というテーマで番組を手がける制作者の大先輩が、『ザ!世界仰天ニュース』総合演出の石田昌浩氏(制作会社・厨子王社長)。「赤木ファイル」「統一教会」など、バラエティではタブー視されがちな“今の問題”に切り込んだテーマを積極的に扱い、大きな反響を呼んだ。前川氏も、今年7月の参議院選挙期間中に『―DEEPに吠える夜』で「選択的夫婦別姓」をテーマに放送したが、「批判があるところにあえて切り込んでいく『仰天』の石田さんの姿勢には、すごく勇気をもらっています」と明かす。

そんな石田氏は、今回の『24時間テレビ』で、西田敏行さんの半生を描くドキュメンタリードラマ「西田敏行 役者バカの原点~知られざる家族の絆~」(31日8時台)を担当。「私がああだこうだいう立場ではないので、ここはガッツリ“石田節”でやっていただけるようにお任せしています」と信頼を寄せている。

  • 『24時間テレビ48』制作発表会見に登壇した(左から)氷川きよし、高橋海人、永瀬廉、志尊淳、浜辺美波、上田晋也、長嶋一茂、やす子、羽鳥慎一、水卜麻美アナ

    『24時間テレビ48』制作発表会見に登壇した(左から)氷川きよし、高橋海人、永瀬廉、志尊淳、浜辺美波、上田晋也、長嶋一茂、やす子、羽鳥慎一、水卜麻美アナ

昨年導入の「目的別募金」を発展・拡大

系列局での寄付金着服というチャリティー番組の信頼を揺るがす事件を受け、昨年は「愛は地球を救うのか?」という新たなテーマを掲げた同番組。そこで導入したのが、使途を明確にすることで透明化を図る「目的別募金」だ。

やす子のチャリティーマラソンは児童養護施設への支援、「Song for 能登! 24時間テレビチャリティーライブ」と「三代目・岩田剛典が挑む生アート制作 一流画家の作品をオークション」の収益は、能登の被災地復興支援に充てられた。

それを踏まえた今年は、「視聴者の皆さんから寄せられた寄付金がどういったことに使われているのか、ということをもっと想像してもらえるような内容にしたい」と、「目的別募金」を発展・拡大。

横山裕(SUPER EIGHT)が走るチャリティーマラソンは「マラソン子ども支援募金」と銘打ち、イモトアヤコが未来のパラアスリートを目指す中学1年生の少女と生放送で登山に挑戦する企画では「パラスポーツ応援募金」を開設、浜辺美波が能登半島の被災地を取材する企画(31日18時台)などは「能登復興支援募金」にひも付いている。