大阪中心部の主要エリアで観光イベントを開催する「OSAKA Satellite EXPO 2025」が7月1日からスタートした。大阪・関西万博にあわせて10月31日まで実施され、特にインバウンド向けに大阪の魅力をアピールして回遊性を高めることを目指している。

  • 関西国際空港でもおもてなしのイベントとして「KIX Welcome Greeting Show」を実施。チンドン屋による「OSAKA Satellite EXPO 2025」の宣伝も。7月2日から

関西国際空港、梅田、心斎橋、大阪城など主要エリアで展開

イベントは梅田、心斎橋、大阪城などのエリアで展開。大阪の中心部から見て、西では関西国際空港でのチンドン屋によるショーを実施。北は梅田の「ポケモン発見大作戦」やキャンペーン、東は大阪城での「名探偵コナン ミステリー・ウォーク -天守を臨む奇妙な暗号-」、南は心斎橋エリアでのキャンペーン、そして中心部を観光バスの「The XR RIDE」が巡回する、という体裁になっている。

  • 大阪・関西万博などで、インバウンドを中心に急増する観光客をターゲットに、さらなる大阪エリアの振興を目指す

企画したのはインバウンド富裕層向けの観光コンテンツの開発・ツアー運営を行うOUGIで、同社のクリエイティブディレクターがそれぞれのエリアを企画した。

  • 5人のクリエイティブディレクターが、それぞれの場所でイベントを企画

加えて、スポンサーとしてJCB、Trip.com、関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)が参加。Trip.comは、39の国と地域で事業を展開し、4.5億ユーザーに対してリーチして集客できることから参加。JCBは、160カ国でサービスを展開し、加盟店数は5,600万店、会員数は1億6,900万人を超える、日本で唯一の国際ブランドを運営しており、周辺店舗の優待などの提供を担った。

  • スポンサー3社のそれぞれの役割

MUIC Kansaiは三菱UFJ銀行が設立したイノベーション拠点で、大阪・関西万博を契機に大阪経済圏を盛り上げるためにさまざまな取り組みをしており、イベントと経済界を結びつける役割を担う。

オープニングイベントとして、JR大阪駅2階アトリウム広場では、7月4日までOSAKA Satellite EXPO 2025の紹介とともにJCBが「Happy Happi」を配布する。

JR大阪駅5階の「時空(とき)の広場」では、「未来スケッチパーク」としてワコムの液晶ペンタブレットを使ったデジタルお絵かきが楽しめるイベントも実施。

  • ワコムの協賛で主に子どもをターゲットにしたお絵かきイベントも実施

梅田エリアでは、上記のHappy HappiやHappyうちわを数量限定で毎日配布。これを身につけて周辺の協賛店舗に入ると、10%オフなどの特典が提供される。

  • 配布されるはっぴやうちわ

  • これらのグッズを身につけていると協賛店で優待が受けられる

心斎橋PARCO地下1階特設会場では、コーセーの雪肌精を冷やした「冷やし雪肌精」の体験イベントなどを実施。オリジナルデザインのHappy HappiまたはHappyうちわを配布し、こちらも心斎橋PARCOの協賛店舗での優待が受けられる。

  • 心斎橋エリアでは心斎橋PARCO、大丸心斎橋店を拠点としてイベントを開催

雪肌精のイベントは7月いっぱいまでだが、8月以降も毎月様々なイベントを展開する予定だという。

  • 協賛企業による毎月のイベントも実施。7月は雪肌精のイベント

大人気『名探偵コナン』ウォークラリー型謎解きイベント

大阪城エリアでは、世界で約1,490万人以上を動員してきたリアル脱出ゲームのSCRAPが制作したウォークラリー型謎解きイベントを開催。人気アニメ『名探偵コナン』とコラボレーションして、コナン・平次とともに大阪城を巡って暗号を解読する本格的な謎解きになっているという。

  • 名探偵コナンとコラボレーションした謎解きイベントが大阪城で開催

Trip.comでチケットを購入。チケットのみだと3,500円、特典のついたセットだと6,000円となっている。

大阪弁を使いこなせるようになる!? バスツアー

The XR RIDEは、7月16日から大阪市中心街を巡回する観光バスで、前方の大型ディスプレイに加えて、天井のディスプレイと左右の窓に配置した透過ディスプレイを使ってXR映像の演出を行い、観光と同時に大阪ならではのコンテンツを楽しめるようにした。

  • XRと人間のガイドを組み合わせた多言語のツアーを提供

  • The XR RIDEのバス

今回は、「大阪弁」をテーマに5つのマジックワードとして「おおきに」「なんでやねん」「ええやん」「ぼちぼちでんな」「知らんけど」を学んで「大阪弁マスター」を目指す「The Magic Words 'OSAKA-BEN' Bus Tour」を運行する。

  • 大阪弁の魔法の言葉5つが使いこなせるようになるバスツアー

バスガイドの「AMI」とAIガイド(という設定の)「TEMPURA」という2人のガイドの掛け合いで大阪弁を体験しながら、実際の利用シーンに沿って使い方を学習する。途中、中之島や大阪城などを巡りつつ、約40分のツアーとなっている。

  • バスガイド役の「AMI」(右)とAIガイド役の「TEMPURA」。実際はNTTドコモビジネスの映像伝送サービスLiveUを活用し、東京と接続して人間が応答しているという

  • 漫才コンビのボケとツッコミを説明しつつ「なんでやねん」を紹介

開催機関は7月16日から10月29日。1日4回の予定で、1回の乗車人数は9人。言語は英語と中国語のみで、基本的にはインバウンド観光客向けのサービスだ。なお、バスはトヨタ自動車、システムはトヨタ紡織が提供している。

  • 途中、大阪城付近を通過する際には豊臣秀吉などの解説も

  • 上下左右のディスプレイも使ったアトラクション

  • 途中、窓の透過ディスプレイを使ってTEMPRAが話しかけてくることも

  • 透過ディスプレイなので、窓の外の風景も確認できる

こうしたサービスを提供することで、大阪・関西万博への観光客に大阪市内の周遊を促し、地域経済の活性化を狙う。

  • テープカットに臨む関係者。中央前列、赤いはっぴを着ている左からTrip.com International Travel Japan遊び・体験 商品開発マネージャーの御園有里氏、OUGI代表取締役の太田高揚氏、JCB執行役員大阪支社長の酒井雅彰氏、MUIC Kansai専務理事の廣瀬満知氏