フジ・メディア・ホールディングスの社長に就任した清水賢治氏(フジテレビ社長)が25日、フジHD株主総会後に東京・台場の同局で取材に応じた。
社外取締役から忌憚なき意見を受ける場に
株主総会には、かつて同局に敵対的買収を仕掛けたことで知られる実業家の堀江貴文氏も出席。清水社長は「他の株主の方から堀江さんについての質問がありまして、例えばFODについて堀江さんの持ってらっしゃる視点は我々にとって様々な示唆に富むものがあるので、アドバイスを頂いたり、協業ということも含めて検討する可能性があるかもしれないと申し上げました」と明かした。
また、今回常勤取締役に選任された清水社長や若生伸子常務(前TVer社長)など、フジテレビ生え抜きの人材を中心に改革を進めるのは難しいのではないかという指摘に対し、「この会社で育ってきたかというのはあまり関係なくて、どれだけ変えていく決意を持っているかが大事だと思います。また、事業について理解できているので、この会社のどこを変えるかを学習する手間がいらず着手できる」と主張。
その上で、「今回の社外取締役の方は“歴戦の勇者”が多い。本日の取締役会でも議論しましたが、それぞれが会社を立ち上げたり、倒産を乗り越えた方たちなので、我々が今やらなければいけないことについて、ゼロベースで忌憚なき意見を頂ける。皆さんに“この場で問題点を全部出しますので、ぜひ議論してください。私は取締役会をそのような場にしたい”と申し上げました」とし、「これから我々がやることを見ていただき、株主様が判断することだと思います」と述べた。
スポンサーの復帰状況「まだ戻りは遅い」
CM出稿の状況は、6月23日時点で4~6月の取引社数が170社(前年同期611社)。1~3月で101社だったため、「まだ戻りは遅いですが、少しずつではありますが増えています。このような状況で出稿いただけるスポンサーの皆様には感謝申し上げたいと思います」とコメント。
「株主総会で信任を得たので、改革プランにさらに強く推進することによって、一日でも早い信頼回復を図りたいと思います」とし、「10月以降の下期には、例年通りの前年比100%に限りなく近づくまで回復すれば、とてもうれしいです。そこに向けて努力していきたいと思います」と話した。