現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で柳井嵩役を演じている北村匠海にインタビュー。19日放送の第59回で描かれた父・清役の二宮和也との共演シーンについて話を聞いた。
112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。
第59回では、食糧難が限界に達したある日、体力が尽きて嵩が倒れてしまう。そして、意識が遠のく中、嵩は夢の中で父・清と再会。「もうすぐ餓死すると思う」と弱音を吐く嵩に、清は「お前は、父さんの分も生きて、みんなが喜べるものを作るんだ。何十年かかったっていい。諦めずに作り続けるんだ」と生きる力を与え、嵩は駐屯地のベッドで目を覚ました。
このシーンについて北村は、「微々たる変化で、少しずつ子供の頃の姿勢に直していきました」と明かす。
「体育座りに変えていったり、上を見る感じが、子供の頃の嵩に似るといいなと思って。清さんと過ごした時間は子供の頃だけですし、記憶もないような時代。その頃を清さん自身に与えられるといいかなと思って演じました」
“子供返り”を意識した北村の演技を、二宮は言葉を交わすことなく理解していたという。
「何も言わずとも二宮さんがそれをキャッチしてくれたのがすごく印象的でした。監督さんとの会話で『嵩はどんどん子供になっていくじゃないですか』とさらっと言っていて、『バレた』って(笑)」
また、清と、清の兄であり嵩の育ての親である寛(竹野内豊)が重なる瞬間があったそうで、「そこも不思議でした」と振り返る。
「寛さんと清さんは似て非なるものと思いますが、兄弟というのを感じる瞬間があって面白かったです。言葉の節々だったり、戦争に対する思いでトーンが下がるところだったり、そういう小さなことから寛さんを感じるというか、血のつながりを感じました」と述べ、「本当のお父さんは清さんですけど、心のお父さんは寛さんという感覚があります」と話していた。
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