ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンオメガ』のプレミア発表会が2025年6月12日、東京・esports銀座studioにて行われ、主人公オオキダ ソラトを演じる近藤頌利をはじめとするメインキャスト、主題歌シンガー、メイン監督を務める武居正能監督が登壇し、作品にかける強い意気込みを語った。
最新作『ウルトラマンオメガ』
『ウルトラマンオメガ』は円谷プロダクションが製作する最新テレビドラマシリーズで、2025年7月5日から毎週土曜日朝9時~9時30分、テレビ東京系にてテレビ放送されるほか、吹替版・字幕版による世界同時期放送&配信が行われる。
ある日突然、空から地上に降りてきた不思議な男(ソラト/演:近藤頌利)は、自分自身の素性をはじめとする過去の記憶を一切失っていた。倉庫管理人のアルバイトをしている青年・ホシミ コウセイ(演:吉田晴登)と出会った彼は、突如地底から出現した巨大生物=怪獣から人々を守るため、宇宙ブーメラン「オメガスラッガー」を構えて50メートルの巨人に変身した……。
作品の舞台となるのは、現実に限りなく近い「怪獣もヒーローも過去に存在していなかった地球」。ウルトラマンシリーズの原点というべき『ウルトラQ』(1966年)は「もしも自然界のバランスが崩れたら」というキーワードのもと、我々の住む現実世界から飛躍したような怪事件、怪現象が勃発。主人公のパイロット・万城目淳(演:佐原健二)、助手の戸川一平(演:西條康彦)、毎日新報記者・江戸川由利子(演:桜井浩子)が毎回さまざまな怪事件に巻き込まれ、襲い来る脅威に勇気と知恵で立ち向かっていくストーリーが描かれた。
今回の『ウルトラマンオメガ』には『ウルトラマン』の科学特捜隊、『ウルトラセブン』の地球防衛軍のような「怪事件、外敵の侵略から地球を守る防衛チーム」という概念はなく、『ウルトラQ』を思わせる若い3人のレギュラー(ソラト、コウセイ、アユム)が、今まで見たこともない異形の存在=「怪獣」に出くわし、それぞれアプローチを試みるという設定が作られた。ウルトラマンの「怪獣と戦う巨大ヒーロー」という骨子の部分を改めて見つめ直し、宇宙からやってきた男=ソラトがいかにして地球や人類を守って巨大怪獣と戦うのかを真正面から描いていく、直球の空想特撮ストーリーに期待したい。
「DXオメガスラッガー」はじめ関連玩具も続々
新番組『ウルトラマンオメガ』では、放送開始と同時に数々の関連商品が発売されるという。プレミア発表会の会場には、メイン商品となる「DXオメガスラッガー」や「メテオカイジュウシリーズ DXレキネス」をはじめとする、各種商品がディスプレイされていた。
ウルトラマンオメガの変身アイテム「DXオメガスラッガー」は、オメガの頭頂部に備わっている宇宙ブーメランの形状をした「スラッガーモード」から、オメガの胸部プロテクターをイメージさせる「チェンジモード」へ一発変形するギミックが魅力。変身アイテムがヒーローの身体の一部になり、さらに取り外して武器になる、存在感のあるアイテムだ。
可動フィギュアの人気シリーズ「S.H.Figuarts」の新作として、ウルトラマンオメガが登場。抜群のスタイル、ボリューム感に加えて、各関節の可動ギミックに工夫が見られ、ダイナミックなポーズを取らせることができる。
ウルトラマンオメガをサポートする味方怪獣の一体「レキネス」は、周囲の物体を念動力で操る攻撃を得意とする、超能力のメテオカイジュウである。
オメガのサポート怪獣の一体「トライガロン」は、スピードを活かした戦いを得意とするメテオカイジュウであるらしい。メテオカイジュウはスリープモードからカイジュウモード、さらにウルトラマンオメガの戦力アップにつながる変形モードを備えているという。
「ガシャポン」の名前で親しまれているカプセルベンダー商品では、ソラトがウルトラマンオメガへ変身する際に必要な小型アイテム「オメガメテオ」のバリエーションや、歴代ウルトラマンシリーズの名場面写真をレリーフ状にしたミニアイテムなどが発表された。
可動ミニフィギュアの人気シリーズ「超動」や、オメガメテオなどがラインナップされた食玩アイテムのコーナー。
1979年に活躍した『ザ★ウルトラマン』のウルトラマンジョーニアス(ウルトラマンジョー/左)、そして1980年の『ウルトラマン80』(右)が「超動」に初登場。ジョーニアスは必殺技のプラニウム光線、80はバックルビームの発射ポーズを取っており、それ用のエフェクトパーツが取り付けられている。
『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(2018年)から、兄ウルトラマンロッソ、弟ウルトラマンブル、そして2人の妹・ウルトラウーマングリージョがそろって「超動」に登場した。グリージョの「ハッピー」なポーズも忠実再現できるようだ。
放送直前! 大盛り上がりのプレミア発表会
プレミア発表会では、主人公オオキダ ソラトを演じる近藤頌利をはじめとするメインキャスト、主題歌シンガー、メイン監督を務める武居正能監督が登壇した。
プレミア発表会の開幕を飾ったのは、オープニング主題歌「BRIGHT EYES」を歌うロックシンガー・ASHによる迫力のパフォーマンス。力強い歌唱とダイナミックなリズムで、観る者の気分を最高に盛り上げてくれる主題歌だといえよう。
本作の主人公、ソラから落ちてきた男オオキダ ソラト=ウルトラマンオメガを演じる近藤頌利は、俳優を志したときから特撮ヒーローになるのが憧れだったと言い「夢というのは、あきらめずに思い続けていれば叶うんだぞと、若いころの自分に伝えたい」と、念願のヒーロー役をつかんだ喜びをしみじみと語った。
面倒見のよい性格で、困った人を放っておけない優しさを備えた若者・ホシミ コウセイを演じる吉田晴登は、役が決まったときのことをふりかえり「別な作品の台本読み合わせをしているとき、最後のページに『ホシミ コウセイ役 決まりました』というサプライズがしかけられていて、マネージャーさんと一緒に泣いて喜びあった」と話し、改めて感動をかみしめていた。
若き生物学者で、怪獣の生態を研究する中でソラトやコウセイと関わっていくイチドウ アユムを演じる工藤綾乃は「弟と一緒に楽しんでいたウルトラマンに、まさかヒロインとして出演できるとは……」と幼いころから親しんでいたウルトラマンシリーズへの出演が叶った喜びを示しつつ「アユムはとても真面目な性格で、地に足のついた人です」と、劇中で「アユ姉」とコウセイから呼ばれ、頼りにされているキャラクターだと自身の役柄を説明した。
近藤はソラトの役柄について「記憶のない宇宙人という、珍しい役です。自分が地球人なのか、宇宙人なのかもわからない。演じていて、初めは奇妙な感覚でした。子どものような人物で、好奇心が旺盛。テレビを観てくれる小さな子どもたちと同じような目線で、これから成長していくことのできる役だと思います」と、第1話の段階では過去の記憶をまったく持っておらず、コウセイとの交流を経て少しずつ人間社会のことを学んで、成長していくキャラクターであると、ひょうひょうとした独特のムードをたたえながら語った。
吉田がコメントしている途中、近藤がいきなりしゃがみこんで自分の靴紐を結び直すという、自由な行動を取る場面が見られた。不意を突かれて驚いた吉田は「びっくりして、何を話そうか忘れちゃった(笑)。でも今のおかげで緊張がほぐれました」と、近藤の行動によって緊張が解け、リラックスして話すことができたと笑顔を見せた。
『ウルトラマンオメガ』は英語、中国語、広東語、台湾語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、マレー語、ヒンディー語と、全10言語での「吹替版」および全14原語の「字幕版」が制作され、世界同時期配信される。これについて近藤は「英語版を観たのですが、自分の声が英語に吹き替えられていて、へんな感情というか、日本語版とは違う感動が生まれました。“アイアム、オメガ!”って言っていて、自分でもマネしたりして(笑)。他の言語版も見てみたいと思います」と、ワールドワイドな作品として世に送り出される本作のことを誇らしそうに語った。
続いて、武居正能監督がステージに登場。武居監督は3人の和気あいあいのトークを微笑ましそうに見つめつつ「観てくださる方々に親近感を持ってもらえる作品になってほしい」と、『ウルトラマンオメガ』に込めた強い思いを語った。そして「特撮的にも、今までやったことのない大きな仕掛けを入れています。第1話冒頭では、びっくりするようなCGを導入して、新しいウルトラマンの世界をお届けできると思います」と、ウルトラマンシリーズの大きな魅力である「特撮アクション」にも力を入れていることを明かした。
『ウルトラマンオメガ』劇中では、コウセイが「メテオカイジュウ」と心を通わせ、オメガをサポートしながら敵怪獣に挑んでいくという展開になるという。ステージでは吉田がメテオカイジュウ(スリープモード)を構えて、2体のメテオカイジュウを召喚するアクションが再現された。
最初に登場したのは、念力で物体を動かす能力を備えるレキネス。吉田はレキネスについて「人懐っこい怪獣です」と紹介した。
そして、運動能力が高く、パワーとスピードに優れるトライガロンが登場。近藤はトライガロンの呼び方について「トライ・ガロンと区切って呼ぶのではなく、トライガロンです」と、発音にも注意してほしいとアピールした。
人懐っこいレキネス、ちょっとやんちゃなトライガロンが並び立ち、中央で微笑む吉田。この2体のメテオカイジュウが、劇中でどんな活躍をするかに期待したい。
次に、「DXオメガスラッガー」が4人に渡され、近藤からのレクチャーを受けて全員でウルトラマンオメガの変身ポーズにチャレンジするコーナーへ。オメガへの変身は、オメガスラッガーにオメガメテオを装填する動きから始められる。近藤は「オメガメテオをオメガスラッガーに入れるときは、さりげなく」と、常にカッコよく変身するためのコツを丁寧に伝えていた。
オメガスラッガーを大きくふりかぶり、天空に掲げると、ウルトラマンオメガがさっそうとステージに出現。会場を興奮に包んだ。
ここでASHがふたたびステージに現れ、彼と共にエンディングテーマを歌うMindaRynも登場。
ASHは「子どものころからウルトラマンシリーズの大ファンでした。ウルトラマンのように、みんなに勇気を与えられるようになりたいと音楽をやってきたので、そんな自分がまさか主題歌を担当できるなんて、とんでもない伏線回収だと驚いています(笑)」と、憧れのウルトラマンシリーズに主題歌を歌える喜びをあらわにしつつコメントした。
MindaRynは『ウルトラマンブレーザー』(2023年)以来のエンディング参加となり「いろんな国で歌わせていただきましたが、どこに行ってもウルトラマンは人気で、世界じゅうで愛されるヒーローなんだと実感しました」と、世界規模で人気の高いウルトラマンシリーズにまた関わることができる嬉しさに満ちたコメントを残した。2人は続けてエンディングテーマ「Missing Link」をパワフルに歌唱。中央ではウルトラマンオメガが得意のポーズを決めていた。
続いて、会場の大スクリーンに劇中設定と同じ「9メートル83センチ」のオメガスラッガー映像が映し出され、会場をどよめかせた。武居監督は「こんなに長いものを(オメガは)飛ばしてるんですね~」と、もしもオメガが現実世界に存在していたら……と想像がふくらむコメントで、周囲を盛り上げた。
実物大オメガスラッガーを背景にしたフォトセッションにあたって、MCから「ウルトラマンオメガを呼んでいただいてもいいですか?」と言われた近藤だが、後ろを向きながら「オメガ~~!」と軽い感じで呼びかけたため、吉田や工藤、武居監督から「オイオイ」とばかりにツッコミが入り、周囲に笑いをふりました。「あ、変身ですか! わかりました」と気をとりなおした近藤は、ふたたびオメガスラッガーを構えて変身ポーズを取り、ウルトラマンオメガを招きいれた。
プレミア発表会に続いて、第1話「宇宙人がやってきた」の完成披露上映が行われた。ここでは上映終了直後の、登壇者コメントをご紹介しよう。
武居監督は「スタッフや関係者以外では、ここにいらっしゃるファンのみなさんが世界で最初に第1話をご覧いただきました。まだ第1話だけでは何もわからないかと思いますけれど、ここから最終回まで一気に駆け抜けていきますので、応援をよろしくお願いします!」と、作品世界の開幕となる第1話を発表できた喜びをかみしめつつ、応援を呼びかけた。
MindaRynは「オメガ、カッコよかったですね!」と特撮アクションの迫力について語り、自身が担当するエンディングテーマも楽しんでほしいと語って目を輝かせた。
ASHは「オープニングテーマの歌詞が、今後のストーリー展開とリンクする部分が出てくるかもしれません。オープニングもエンディングもめちゃくちゃカッコいい歌なので、楽しみにしてほしいです」と、力強いまなざしでファンにアピールした。
工藤は「アユムの登場は第2話から。私自身、愛をもって演じさせていただきました。毎週、アユムがみなさんの元気の源になればうれしいです」と、聡明さと明るさを持ち合わせたアユムの活躍に注目してほしいと笑顔で語った。
吉田は「これから『ウルトラマンオメガ』がお茶の間へと新たな一歩を踏み出して、そこから世界にまではばたいていくと思うと胸が高鳴ります」と、放送開始および世界同時期放送&配信というスケールの大きな作品で活躍できることへの興奮を打ち明けた。
近藤は「今日お越しくださった応援隊員のみなさんは、ソラト的な言葉で言うと『おともだち』です。『ウルトラマンオメガ』をみんなで作って、応援していただいて、みんなで楽しめたらなと思っています。僕たちは『ウルトラマンオメガ』をみなさんに愛される作品にしていきたいです。また放送(7月5日)でお会いしましょう!」と、会場につめかけた大勢のファンに向け、熱いメッセージを送った。
(C)円谷プロ (C)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京