山寺の朝ドラへの出演は、『半分、青い。』(2018)、『なつぞら』(2019)、『おかえりモネ』(2021)に続き4作目となったが、「慣れは全くないです」とのこと。
「今回はやなせ先生がモデルの作品で、先生の恩師の役ということで、そのプレッシャーはすごかったですし、どのぐらいの演技をしていいかわからなくて、(撮影に)入るまでいろいろ考えました」
自身が出演しているのを見るのも「怖くてしょうがない」と言い、「自分が出てない回の方がワクワク見られる。(出演回は)『今日出てる! どうしよう』って」と打ち明ける。
朝ドラのみならず、さまざまなドラマや映画に出演している山寺だが、俳優業は「苦手です」と言い、「やればやるほど難しさを知るというか、もちろんやりがいもありますが、どうやったらいいのかわからない。映像作品は自分だけ浮いているようにしか見えない」と吐露する。
苦手意識を抱きつつ、俳優業が声優業にもプラスになっていると感じているそうで、「相互作用は絶対ある。いろんな仕事がすべてつながっていると信じています」ときっぱり。
そして、「声だけでいろんなことを表現することをずっとやっているおかげで、声の表現力は増えていますが、それが肉体と乖離してしまう恐れあるというのは、声優が映像や芝居をやるときによく言われることで、僕もそうなる恐れがあると常に思っています」と声優ならではの課題にも言及し、「普通に会話しているつもりなのに、声でより強く表現しようとするんでしょうね」と話していた。
1961年6月17日生まれ、宮城県出身。1984年、声優を目指して東京俳優生活協同組合の養成所に入所し、1985年、OVA『メガゾーン23』で声優デビュー。以降、声優として数々のアニメのキャラクターや洋画の吹き替えを担当。俳優としても、映画『あさひるばん』(2013)、連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022)など、多数のドラマや映画に出演している。
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