現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、柳井嵩(北村匠海)の恩師・座間晴斗を演じた山寺宏一にインタビュー。4回目となった朝ドラ出演の感想や俳優業への思いなどを聞いた。

  • 連続テレビ小説『あんぱん』座間晴斗役の山寺宏一

    連続テレビ小説『あんぱん』座間晴斗役の山寺宏一

112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。

アニメ『それいけ!アンパンマン』でジャムおじさん、めいけんチーズ、カバお、かまめしどんと数多くのキャラクターを演じている山寺が本作で演じた座間晴斗は、嵩が通う芸術学校の図案科教師で、嵩の生き方に大きな影響を与えた恩師。やなせさんの恩師・杉山豊桔さんがモデルとなっている。

5日放送の第49回では、嵩が座間先生と久々に再会し、赤紙が来たことを報告。そして、嵩の母・登美子(松嶋菜々子)と3人で銀座で会うシーンが描かれた。

山寺は、嵩の卒業後、座間先生の出番はないと思っていたそうで、第49回で再び登場すると知ったときは驚いたという。

「びっくりしましたし、うれしかったです。座間先生のところに嵩が来る。改めて大事な役をいただいたなと感じました。戦争について語るシーンもあり、やなせ先生はずっと『戦争は反対です』と言っていましたが、嵩も座間先生との会話の中ではっきり言っていて、非常に重要だなと思いました」

「軍隊でやっていけるのかな」と不安を吐露する嵩に、登美子は「無理に決まってるじゃない」「あなたみたいのが兵隊には一番向いてない」とバッサリ。親子の会話を聞いていた座間先生は、登美子に一目惚れし、登美子が去った後、「おまえのことを嵩って呼ぶ日が来るかもしれんな」と嵩の義理の父になろうとするも、登美子が3度目の結婚をしたことを知って撃沈した。

惚れやすい座間先生らしいクスっと笑える展開に、山寺は「ありがとうございます。よくぞ僕をこの役に。信念を持って、自由な精神を持っていて、ちょっととぼけていて。憎めない人というか、そんなお茶目な座間先生のことが大好きになりました」と役への愛がさらに増したという。

そして、「好きになればなるほど」演じるプレッシャーも増したと言い、「本がこんなに面白く書かれているのに、これを面白く演じられなかったら台無しじゃんって。面白ければ面白いほど、演じがいもあるし、プレッシャーも強く感じました」と振り返った。

なかなかカットがかからず、再婚を知ってがっかりした座間先生が「もうちょっと出会いが早かったらうまくいっていたのに」と言い、嵩が「それないっす」と返すというアドリブを繰り広げていたことも明かし、放送ではそのやりとりはカットされているものの「演じていて楽しかったです」と笑う。

松嶋とは2015年放送のフジテレビ系ドラマ『オリエント急行の殺人』以来、2度目の共演となったが、前回は2人での直接的な会話はなかったそうで、今回の共演について「オーラがすごくて緊張しました」と語った。