最後に、男性注目度が高かった2作品を紹介しよう。

男性注目度1位を獲得したのは、フジテレビ(カンテレ制作)の『あなたを奪ったその日から』。女性注目度が60.0%だったのに対し、男性注目度は66.1%と高い数値を記録した。

食品事故で子どもを失った母親・中越紘海(北川景子)が、事故を起こした会社社長の娘を誘拐し、復讐を果たそうとする物語。親子の愛がテーマである作品だけに、女性からの注目度が高くなるのではないかと予想されたが、意外にも男性からの支持を集めた。

主演である北川景子の人気の高さや、子どもを失った事故の真相を追うというサスペンス要素が含まれている点が、男性の関心を引きつけたのかもしれない。

男性注目度3位にランクインしたのは、桐谷健太が主演を務めるテレビ朝日(ABCテレビ制作の『いつか、ヒーロー』だった。主人公の赤山誠司(桐谷)は、児童養護施設の元職員。彼が施設を去る日、20年後の再会を誓って教え子たちとタイムカプセルを埋める。しかし、赤山が20年後に再会したのは、夢や希望を失った元教え子たちの姿……。赤山と教え子たちは世代を超えて手を組み、腐敗した巨大権力に立ち向かうことを決意する、というストーリーだ。

第1話では、20年後に再会した教え子たちがアラサーになっており、現代社会に生きづらさを感じ絶望の淵に立っている姿が描かれた。お金がなく毎日暮らすだけで精一杯、ブラック企業に勤めて消耗している……など、社会への問題提起的な要素もあり、硬派なテーマを好む男性をくぎづけにしたのかもしれない。